既成の価値観と闘い続けた20世紀最初のフェミニスト・アーティストとも称されるニキ・ド・サンファルを追ったドキュメンタリー映画「Viva Niki タロット・ガーデンへの道」が、2024年9月25日より劇場公開されることが決まった。写真家の松本路子が監督を務め、小泉今日子がナレーションを担当している。
ニキ・ド・サンファルは、フランス貴族の娘として生まれ、女性としてのさまざまな困難を、怒りとともにアートに反映させてきた時代ののち、開放感に包まれた女性像「ナナ」シリーズを創作した。カラフルで陽気なナナは徐々に巨大化。さらに遊び心あふれる数々の野外彫刻や建造物を創り、その集大成として生まれたのが「タロット・ガーデン」だった。イタリアのトスカーナ地方のオリーブの森にあるこの彫刻庭園には、大アルカナのタロットカード22枚の寓意画が、彫刻や建物として作られている。
「Viva Niki タロット・ガーデンへの道」は、ニキ・ド・サンファルと10年以上にわたり交流してきた写真家・松本路子がこれまでに撮影した写真と、今回の映画のため新たに追ったニキの作品の映像、関係者へのインタビューで構成されている。
監督・撮影・脚本を手掛けた松本路子は、オノ・ヨーコをはじめ、世界で活躍する女性アーティストのポートレートなどを撮影し、その作品は国内外の美術館に永久収蔵されている写真家。1981年から10年以上にわたり、ニキの大胆にしてきわめて繊細、自由な発想と遊び心に魅せられ、写真撮影を通し彼女と交流を続けてきた。松本が「生涯でやり残したことは何か」と考え始めた時、「ニキともう一度向き合ってみたい」と思い至る。そして、映画製作のために、ヨーロッパ各地、アメリカ、日本国内の作品を訪ね、「タロット・ガーデン」を再訪した。
ナレーションを務めるのは小泉今日子。オリジナルのエンディング曲も提供するなど、全面的に参加している。
【作品情報】
Viva Niki タロット・ガーデンへの道
2024年9月25日(水)より東京都写真美術館ホール、9月27日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
©2024 Niki Film Project All Rights Reserved.