大学院で医工学を研究し、テレビ局で報道記者・ニュースディレクターを務めた異色の経歴を持つ山根高文監督による映画「TSUSHIMA」が、2025年9月5日より劇場公開されることが決まった。
「TSUSHIMA」は、AIと再生医療技術が結びついた時に起き得る事態の中から、女性の社会進出(政治)、美と若さへの欲求、妊娠出産、認知症と介護という分野に切り込んだ作品。1990年代、長崎県の離島・対馬。新聞記者の田島圭介は、選挙活動を始めた佐藤由里子を追って訪れた対馬で、恐ろしい光景を目にする。カギとなるのは「緑の物質」だった。舞台は1960年代にさかのぼり、なぜかこの時代に1人で生きる由里子の姿に。若い女性の無残な遺体が次々に見つかるが、全員が若返りの薬として「緑の物質」を服用していた。AIがひそかに人間社会に忍び込み、あたかも神のようにコントロールしようとしていること田島は気づく。時が過ぎ、認知症が進んだ80代の由里子。家族となった田島に、医師はAIを利用した新しい治療法を勧める。「緑色」の治療薬を目にしたとき、田島の頭に昔の記憶がよみがえる。
医工学研究者であり記者・ディレクターでもあった山根高文監督の経験と洞察力によって生み出された作品で、先進的で独自性に富んだ視点により、JIFF(Japan Indies Film Festival)における観客賞を受賞した。
【作品情報】
TSUSHIMA
2025年9月5日(金)より、代官山シアターギルドにて公開 全国順次公開