山の頂上 17歳の少女が“いいこ”でいようとふるまう姿 「グッドワン」本編映像

映画スクエア

 2026年1月16日より劇場公開される、第77回カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされた映画「グッドワン」から、本編映像の一部が公開された。映像の舞台は、アメリカ・ニューヨーク州に広がるキャッツキル山地。父クリスとその友人マット、ふたりの大人とキャンプに出かけた17歳の少女サムが、行程の途中で置かれていく状況と、そのなかで“いいこ”でいようとふるまう姿を捉えた映像となっている。

 山頂に到着し、電波が入ると、サムはガールフレンドからの連絡を確認する。雄大なキャッツキル山地の景色の中で、外の世界と再びつながるその短い時間は、キャンプのあいだ張りつめていた感覚から、彼女が一瞬だけ自分自身へ戻るための、ささやかな切り替えのようだ。その後、ふたりの大人は、それぞれ自分の関心や感情に没頭したまま会話を続けていく。彼らはサムの視線や沈黙にほとんど意識を向けない。一方でサムだけが、その場に流れる温度や間合いを受け止めながら、どんな振る舞いをするかを自分で決め続けている。サムは何かを任されているわけではない。ただ、大人たちが自分のことに集中するあいだ、彼女だけがその場の流れを受け止めている。その視点の差が描き出されたシーンとなっている。

 「グッドワン」は、大人になることの喪失感と希望を描いた、忘れがたいひと夏の物語。17歳の少女サムは、父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。きちょうめんで支配的な父、人生に行き詰まる友人、そして2人の間で静かに空気を読み続ける娘。穏やかな自然の中で繰り広げられるささやかな会話と沈黙の時間のなかで、サムは“大人の不完全さ”に気づき、自分の内に芽生える違和感と向き合っていく。

 主人公のサムを演じるのは、本作で映画初主演を果たしたリリー・コリアス。サムの父・クリス役を「ドラッグストア・カウボーイ」などのジェームズ・レグロス、父の友人マット役を「プリズン・ブレイク」のダニー・マッカーシーが務めている。監督は、ケリー・ライカートやグレタ・ガーウィグの系譜に連なる新世代監督のインディア・ドナルドソン。本作が長編監督デビューながら、カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)にノミネートされ、サンダンス映画祭でも審査員賞候補となるなど、国際的に高く評価された。

山の頂上 17歳の少女が“いいこ”でいようとふるまう姿 「グッドワン」本編映像

【作品情報】
グッドワン
2026年1月16日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
©2024 Hey Bear LLC.

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