北朝鮮強制収容所で生き抜く家族描く 拉致被害者の姿も アニメ映画「トゥルーノース」公開日決定&予告編

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北朝鮮強制収容所で生き抜く家族描く 拉致被害者の姿も アニメ映画「トゥルーノース」公開日決定&予告編

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 生存者証言を参考に北朝鮮強制収容所の内情を3Dアニメーションで描いた映画「トゥルーノース」の公開日が、6月4日に決まった。あわせて新予告編が公開となった。

 公開された新予告編は、「12年前、私は母国から亡命しました。これは私の家族の物語です」と、カメラに向かって語りかける男性の言葉から始まる。1995年、北朝鮮・平壌で両親と幸せに暮らしていた主人公の少年ヨハンは、突然父が政治犯の疑いで逮捕され、母と妹ミヒとともに強制収容所に送還されてしまう。飢えと極寒の中で過酷な労働を強いられるヨハン。ヨハンは次第に優しい心を失っていくが、家族を失ったことで本来の自分を取り戻していく姿が描き出されている。また、日本からの拉致被害者の姿も映し出されている。

 「トゥルーノース」は、ドキュメンタリー映画「happy - しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーを務めた清水ハン栄治の初監督作品。在日コリアン4世の清水監督が、実際に収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い、10年もの歳月をかけて作り上げた。強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆やユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが描かれている。アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威あるアヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネートされるなど、海外の映画祭で高く評価された。

 清水ハン栄治監督は、「『トゥルーノース』というタイトルには2つの意味を込めました。ひとつは英語の慣用句で“絶対的な羅針盤”の意。人間として進むべき方向や生きる真の目的を、究極の環境でも見失わない主人公たちの葛藤を描きたかった。ふたつめに“ニュースでは報道されない北朝鮮の現実”。それは今日でも12万人以上が収容されている政治犯強制収容所での人権蹂躙と、抑圧の中でも健気に生きる北朝鮮の人々のヒューマニティーを表現したかったのです」と、本作に込めた思いを語っている。

【作品情報】 
トゥルーノース
2021年6月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:東映ビデオ
(C)2020 sumimasen

  • 作品

トゥルーノース

公開年 2020年
製作国 日本、インドネシア
監督  清水ハン栄治
出演  (声)ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス、エミリー・ヘレス
作品一覧