ゲイリー・オールドマン 酒に溺れる実在の文豪に 哀愁を体現 「パルテノペ ナポリの宝石」本編映像

映画スクエア

 2025年8月22日より劇場公開される、イタリアの巨匠パオロ・ソレンティーノ監督最新作「パルテノペ ナポリの宝石」から、本作で銀幕デビューを飾った新星セレステ・ダッラ・ポルタ演じるパルテノペと、名優ゲイリー・オールドマン演じる実在のアメリカ人作家ジョン・チーヴァーの運命的な出会いを描いたシーンの、本編映像が公開された。

 ほぼ無一文で、カプリ島へひと夏の思い出づくりにやってきたパルテノペは、プールサイドで憧れの作家、ジョン・チーヴァーと運命的な出会いを果たし、ランチをともにする。酒に溺れて朦朧としているチーヴァーが、憂いの表情で「あなたの美がもたらす破壊にお気づきかな?」と問いかけると、パルテノペは周りの人々の好奇の視線を感じながら、「最近少しずつ…そんな気が」と答える。隣の席にいた女性から「大女優の素質があるわ」とスカウトを受ければ、「お礼を考えておきます」と受け流し、ヘリコプターに乗って待つ富豪からのデートの誘いをゲームと言ってはぐらかす。自身の美しさによる力に無頓着だったパルテノペが、チーヴァーとの会話の中で、“美しさ”の持つ力を自覚し、周囲の視線すらも奔放に楽しむことで、その魅力を最大限に花咲かせるきっかけとなる瞬間を描いたシーンとなっている。

 アメリカ文学の偉人ジョン・チーヴァーを演じるのは名優ゲイリー・オールドマン。かねてよりソレンティーノ監督の大ファンだったというオールドマンは「彼の映画には哲学、ウィット、驚きがあり、いつも豪華に撮影されていて、欠点がありながらも魅力的なキャラクター達を描く柔軟性がある。インタビューで『誰と一緒に仕事がしたいか』と聞かれ彼の名前を挙げたことが監督にまで伝わったようで、彼から連絡がきて、『君が僕のファンだと聞いたが、僕も君の作品がとても好きなんだ。脇役だけど素敵な役があって、ぜひ来てくれないか?』と言われたんだ。僕は『壁の影の役でも演じるよ!脚本を読む必要もなく、やります』と返事をした。そうして私たちは結ばれ、撮影初日には自分自身をつねってこれが現実かを確認したよ」と、互いのラブコールによって出演が実現したことを明かしている。

 「パルテノペ ナポリの宝石」は、神秘的な美しさと悲劇を背負う女性“パルテノペ”を描いた作品。1950年に南イタリア・ナポリで生まれた赤ん坊は、人魚の名でナポリの街を意味する“パルテノペ”と名付けられた。美しく聡明で誰からも愛されるパルテノペは、兄・ライモンドと深い絆で結ばれていた。年齢と出会いを重ねるにつれ、美しく変貌を遂げてゆくパルテノペ。だが彼女の輝きが増すほど、対照的に兄の孤独が暴かれていき、兄は自ら死を選ぶ。彼女に幸せをもたらしていた”美”が、愛する人々に悲劇を招く刃と変わる。それでも人生を歩み続けるパルテノペの、果てなき愛と自由の探求を描く。

 「グレート・ビューティー/追憶のローマ」などのパオロ・ソレンティーノ監督が初めて女性を主人公に据えた作品で、第77回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された。その後に公開を迎えたイタリア国内では、監督作史上最大のヒットを記録した。主人公パルテノペを演じたのは、本作で銀幕デビューを飾った新星セレステ・ダッラ・ポルタ。美しい輝きが多くの人々を魅了し、時には悲劇や争いをも引き起こす宝石のような、神秘的な魅力を放つ女性を演じている。

ゲイリー・オールドマン 酒に溺れる実在の文豪に 哀愁を体現 「パルテノペ ナポリの宝石」本編映像

【作品情報】
パルテノペ ナポリの宝石
2025年8月22日(金)新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下他全国順次ロードショー
配給:ギャガ
©2024 The Apartment Srl - Numero 10 Srl - Pathé Films - Piperfilm Srl

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