ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020 日本の映画界を担う3人の作品が公開 初日舞台挨拶

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ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020 日本の映画界を担う3人の作品が公開 初日舞台挨拶

 商業映画監督育成に取り組む「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」の製作実地研修で完成した短編映画3作品が、2月26日から角川シネマ有楽町にて1週間限定上映されている。26日には、植木咲楽監督、木村緩菜監督、志萱大輔監督の3人が舞台挨拶に登壇した。

 今回上映されているのは、映画・ドラマ・ドキュメンタリー作品の助監督及び映像作家として活動中の植木咲楽監督作「毎日爆裂クッキング」、在学中からピンク映画や低予算の現場で働き、現在は助監督として活躍中の木村緩菜監督作「醒めてまぼろし」、映像ディレクター/エディターとしてMVやweb CMなどを手掛けている志萱大輔監督作「窓たち」の短編映画3作品。プロのスタッフとともに、35mmフィルムで撮影された。

 「毎日爆裂クッキング」の植木咲楽監督は、味覚障害とパワハラというテーマを選んだ理由を「食べ物をモチーフにした作品を撮りたかった。今25歳ですが、生まれてからずっと重い空気を感じていて、誰しもが日常のなかでそういった空気は感じていると思ったので、このテーマを選びました」と映画に託した思いを明かし、「重いテーマを重く描いてもしょうがないので、明るくポップなテイストにしました」とテーマに反し明るい作風にした理由を語った。

 「醒めてまぼろし」の木村緩菜監督は、「自分自身が生きているのが辛く、頼れる人もいなくてしんどいと感じた時期があり、その時に愚痴を書き溜めるようにして脚本を書きました」と作品が生まれるきっかけを語った。音楽がほとんど使われていない演出については「初めから音楽はあまり付けないようにと決めていました。撮影中も意識的に使いたい音を録りためていたけれど、足りなかったので撮影後に音を録り足しました」と説明した。

 「窓たち」』の志萱大輔監督は、「恋人以上、夫婦未満の関係を描きたかった」と作品のテーマについて語り、ラストの信号待ちのシーンについては「夜のあまり人通りのない信号のセットを作って撮影しました。信号が赤から青に変わっても二人が進めない、そしてまた点滅してしまうというのが、二人の状況とシンクロするようにと思って撮影しました」とその演出の意図を語った。

 3作品は、名古屋(3月12日から)と大阪(3月19日から)でも一般上映される。名古屋では3月13日に映画パーソナリティの松岡ひとみさんと、大阪では3月20日に映画パーソナリティの津田なおみさんが登壇する、ndjc2020監督3人とのトークセッションが開催される。

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