震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」の再建に奔走する女性を描いた映画「浜の朝日の嘘つきどもと」（2021年秋全国公開）に、これまでに発表された高畑充希、柳家喬太郎、大久保佳代子に加え、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、光石研、吉行和子の出演が明らかになった。
甲本雅裕が演じるのは、「朝日座」再建に協力する岡本不動産の岡本貞雄役。佐野弘樹は、で大久保佳代子演じる茉莉子のボーイフレンドのベトナム人技能実習生を演じる。神尾佑が「朝日座」存続を巡って支配人らと向き合う会社員を、光石研が主人公・莉子の父であるタクシー会社社長を、吉行和子が「朝日座」の常連で資産家の未亡人を演じる。映画館「朝日座」の再建に奔走する茂木莉子を演じる高畑充希、「朝日座」の支配人を演じる落語家の柳家喬太郎、莉子の高校時代の恩師を演じる大久保佳代子と共演する。
新たに発表されたキャストのコメントも公開された。甲本雅裕は、1「人が忘れかけている何かを思い出させてくれ、改めて今を生きてるんだって事を実感できる作品だと思います」とコメント。吉行和子は「震災、家族と、福島での撮影で、より強く感じた日々を思い出しました」と撮影を振り返っている。
「浜の朝日の嘘つきどもと」は、「百万円と苦虫女」などのタナダユキ監督が自身のオリジナル脚本を映画化した作品。震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、映画を愛する女性が、敬愛する恩師との約束である”閉館寸前の「朝日座」再建”のため、地元住民とともに奔走する姿を描く。
【コメント】
■甲本雅裕
この作品を一言で言うとあったかい、です。
脚本、撮影現場、福島の人達、全てがあったかかった。
ロケ現場の映画館ではノスタルジーな気持ちになり、馬に乗って久々に遠くを見て、路地裏で相馬の人達の会話を聞き、身近を感じたとてもいい時間でした。
この映画は、人が忘れかけている何かを思い出させてくれ、改めて今を生きてるんだって事を実感できる作品だと思います。
あったかい気持ちになれるこの作品に参加できた事に感謝します。
■佐野弘樹
タナダ監督とは今回が初めましてでした。僕はバオ君というベトナム人の技能実習生という役どころでカタコトの日本語でお芝居をしています。
今までにない挑戦にワクワクしながら毎日の撮影をしていました。一人一人と真摯に向き合い続けているタナダ監督の心意気を間近で感じられた宝物のような時間でした。
震災、原発、コロナ禍、僕たちが生きていく上で目を逸らしてはいけないものを扱っている今作品は、最初に脚本を読んだとき書き手の、タナダ監督の、覚悟を感じました。
強度がある上に、しっかりと笑いあり涙あり、最後には今日も一日頑張ろう。って思わせてくれる可笑しみみたいなものもちゃんと詰まっているそんな素敵な作品です。
■神尾佑
東日本大震災で福島は大きく変わってしまいました。それは町によって人によって家庭によって様々で、一概に悲しみ苦しみと表現できるものではないでしょう。この脚本はそんな福島のとある人々の断片ですが、福島への情愛とそこに暮らす人々への思いをとても感じました。タナダユキ監督の人間に対する洞察力と愛情が観た人の心を温めてくれるでしょう。そして映画の舞台になった映画館が素晴らしい。もしかしたら私も子供の頃行ったかもしれない映画館。この作品の礎になっていてそれがまた見どころです。福島出身としてこの作品に少しでも参加できて本当によかったです。
■光石研
今作は、まだまだ先の見えないコロナ禍での撮影でした。
しかし、スタッフの皆さんの手厚いケアで、何一つ心配する事なく、撮影しました。
タナダ監督とは、確か同郷の北九州での、小さな映画祭でお会いした事がありましたが、タナダ組の現場は初めてでした。
キャメラの横にスッと座り、しっかりと俳優の佇まい、一挙手一投足を観察し、的確な指示を頂き、安心してやれました。
何ともハンサムな監督デス！ストーリーも小さな映画館のお話だし、映画愛を感じます。
しかし、監督の別の作品を拝見すると、ちゃんとエッジが効いてます。
羊の皮を被ったなんとかですかね。めちゃくちゃ楽しかったです。
■吉行和子
タナダユキ監督の、映画愛が、ぎっしり詰まっています。
そして、震災、家族と、福島での撮影で、より強く感じた日々を思い出しました。
映画とテレビドラマが同時進行で撮影されたので、両方に出ていた私は、一度に二本、タナダ監督の作品に出る機会を頂き、嬉しかったです。
監督は、とてもチャーミングでした
【作品情報】
浜の朝日の嘘つきどもと
2021年秋 全国公開
配給：ポニーキャニオン
©2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会
