10万人以上の住民がナチスに虐殺されたアムステルダムの記憶 現代に“復元” 「占領都市」公開決定

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10万人以上の住民がナチスに虐殺されたアムステルダムの記憶 現代に“復元” 「占領都市」公開決定

 「それでも夜は明ける」のスティーヴ・マックイーン監督がナチス占領下のアムステルダムを描いた、A24製作の映画「占領都市」が、2024年12月27日より劇場公開されることが決まった。

 オランダの首都として栄えたヨーロッパ屈指の大都市アムステルダムには、第二次世界大戦中の1940年5月から5年間にわたり、ナチス・ドイツの占領下におかれた。この間、人々は人権や言論の自由を奪われ、ユダヤ人を中心に多くの犠牲者が出た。有名なアンネ・フランクのように強制収容所へ移送された人は10万7千人。統計では、その内の実に10万2千人が虐殺されたとされている。アムステルダムを第二の故郷として暮らすマックイーン監督は、「二度とこうした歴史を繰り返さないために」と映画化を構想したという。

 マックイーンが目指したのは、単なる知識や情報としてではなく、場所に語らせ、当時の記憶を鮮烈によみがえらせるような映画。アーカイブ映像やインタビューによる回想はあえて使わず、35ミリフィルムで130カ所にも及ぶ”現場”を正確に捉えることで、計り知れぬ恐怖の日々を体感させる。子供たちの声が響くにぎやかな公園、美しいレンガ造りの家といった美しい風景も、いまわしい虐殺の記憶を持っている。マックイーンにとって、約80年前の過去と現在との距離を取り払う挑戦的な作品となっているという。

10万人以上の住民がナチスに虐殺されたアムステルダムの記憶 現代に“復元” 「占領都市」公開決定

【作品情報】
占領都市
2024年12月27日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町ほか全国ロードショー
配給:トランスフォーマー、TBSテレビ
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