祖国への思いを胸に命がけのレースに挑むマラソン選手たちの真実に基づく映画「ボストン1947」が、2024年8月30日より劇場公開される。監督を務めるのは、「シュリ」などで知られるカン・ジェギュ。真実とそれを取り囲む人間の強さを描いてきたカン・ジェギュ監督の、代表作を5本紹介する。
■「ボストン1947」(8月30日公開/配給:ショウゲート)
祖国に栄光を取り戻すため、その身を削ってまでマラソンに人生を懸けた男たちを描いた感動作。1936年、ベルリンオリンピックのマラソン競技で、日本は世界新記録を樹立。金メダルと銅メダルを獲得し、国民は歓喜に沸いた。しかし、その2個のメダルには秘められた思いがあった。日本代表としてメダルを獲得したソン・ギジョン(ハ・ジョンウ)とナム・スンニョン(ペ・ソンウ)が、日本名の孫基禎と南昇竜として表彰式に立ったのだ。第2次世界大戦の終結とともに、彼らの祖国は日本から解放されたが、メダルの記録は日本のままだった。1947年のボストンマラソン。その2人がチームを組み、<祖国の記録>を取り戻すため、才能あふれる若きマラソン選手を歴史あるボストンマラソンに出場させる。
実力派俳優で知られ、韓国映画ファンならば誰もが知るハ・ジョンウを中心に、主演作「ミセン-未生-」で繊細な演技を見せたイム・シワン、圧倒的存在感のペ・ソンウなど豪華俳優陣が出演。
■「シュリ」(デジタルリマスター版が9月13日より公開/配給:ギャガ)
要人暗殺事件を捜査中の韓国情報部員、ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とイ・ジャンギル(ソン・ガンホ)。犯人と目される北朝鮮の女性工作員を追跡するふたりは、強力な破壊力を持つ液体爆弾を用いてのテロの脅威を知る。ターゲットは南北両首脳だった。北朝鮮の工作員を追っていくうちに残酷な真実と対面する
■「ブラザーフッド」
1950年、ソウルで靴職人を目指す兄ジンテ(チャン・ドンゴン)と高校生の弟ジンソク(ウォンビン)は、家族とともに幸せに暮らしていた。しかし戦争の勃発により平穏な生活が壊されてしまい、弟を守るためジンテは危険な任務に自ら志願。そこから2人の兄弟愛が試されることになる。一方、戦場でのジンテの行動にジンソクは困惑し、2人はすれ違っていく。やがて、家族を救うために兄弟は再びソウルに戻るが、運命に翻弄されながら、それぞれが過酷な戦いに立ち向かうことになる。
■「マイウェイ 12,000キロの真実」
日本統治時代の朝鮮。日本人の長谷川辰雄(オダギリジョー)と朝鮮人のキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)は、境遇は違えどもオリンピック出場を目指す良きライバルだった。しかし、時代の流れによって2人は敵対し、日本軍として戦場へ赴くことに。ソ連の捕虜となり、第二次世界大戦下でユーラシア大陸を西へ流転する過酷な運命をたどる中、彼らは異なる民族や信条の壁を越えた感情を育んでいく。
■「チャンス商会 初恋を探して」
チャンス商会で働く頑固で独り身の老人ソンチル(パク・クニョン)は、向かいに引っ越してきた老婦人グンニム(ユン・ヨジョン)に徐々に心を開き、結婚を考えるようになる。しかし、ソンチルがスーパー近辺の再開発に反対する中、グンニムはとある理由で突然姿を消してしまう。ソンチルは、彼女を探す過程で、チャンス商会の店長の妹ミンジョンから、グンニムに関する秘密を知ることになる。