83歳の新人スパイ 老人ホームに潜入調査も、入所者の相談相手に 「83歳のやさしいスパイ」7月公開

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83歳の新人スパイ 老人ホームに潜入調査も、入所者の相談相手に 「83歳のやさしいスパイ」7月公開

 第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされているドキュメンタリー映画「83歳のやさしいスパイ」が、7月より劇場公開されることが決まった。

 「83歳のやさしいスパイ」は、80歳から90歳のスパイを募集する不思議な求人に応募した83歳の男性セルヒオが、依頼者が虐待を疑う老人ホームに潜入し、調査を行う過程を捉えたドキュメンタリー映画。初スパイの仕事に張り切る心優しいセルヒオが、いつしか悩み多き入居者たちの良き相談相手となっていく様子を、ユーモアたっぷりに映し出す。同時に、家族と離れて暮らす入居者たちがもらす本心から、現代の介護施設の在り方を問う作品となっている。第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされているほか、第68回サン・セバスティアン国際映画祭で観客賞・最優秀ヨーロッパ賞を受賞する評価を受けている。

 監督は、日常の物語を通じて登場人物に密着し、問題を描き出すというスタイルを持つマイテ・アルベルディ。私立探偵についてのドキュメンタリーを作りたいと考えたアルベルディは、スパイとは明かさずに許可を得て、老人ホームを3カ月間に渡って撮影した。取材を進めるうちに、多くの依頼が依頼主とその家族のコミュニケーション不足によるものとわかり、相互理解の欠如の背景にあるものに興味を持つようになり、その背後にある社会的な理解に焦点を当てた作品ができあがった。アルベルディ監督は、「鑑賞後に、親や祖父母に連絡したいと思ってもらえたら」と語っている。

【アカデミー賞ノミネートを受けてのマイテ・アルベルディ監督コメント】
このような並外れた注目すべき映画賞の候補に選ばれたことを光栄に思います。選んでいただいたアカデミーとドキュメンタリー部門に心から感謝しています。ラテンアメリカ女性の製作チームにとって、この種の夢は不可能に思っていましたが、今年は人生を新たな観点から見ることができました。この度のノミネーションは、世界が常に高齢者たちを大切に思っていることを示し、平均寿命を延ばすことだけでなく、生きたいという意欲を高めることが重要であることを私たちに思い出させてくれます。昨年は非常に多くの損失がありましたが、私たちは高齢者に改めて目を向け、彼らが「孤独のパンデミック」という、新型コロナウイルス流行前のパンデミックに直面していたことに改めて気づかされました。この映画が、高齢者とその家族たちの交流に役立ったことをとても誇りに思います。

【作品情報】 
83歳のやさしいスパイ
2021年7月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
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  • 作品

83歳のやさしいスパイ

公開年 2020年
製作国 チリ、アメリカ、ドイツ、オランダ、スペイン
監督  マイテ・アルベルディ
出演  セルヒオ・チャミー、ロムロ・エイトケン
作品一覧