惹かれ合う少年同士のクラブデート 優しく響く「Sailing」 「Summer of 85」本編映像

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 8月20日から劇場公開される、フランソワ・オゾン監督最新作「Summer of 85」から、ダンスクラブでのデートシーンを捉えた本編映像が公開された。

 公開された本編映像は、互いに惹かれ合うアレックスとダヴィドが、クラブで激しく踊るシーンから始まる。気の向くままにダンスを楽しむダヴィドと、彼をまっすぐ見つめながら無邪気に飛び跳ねるキュートなアレックス。そして目を閉じながら踊るアレックスに、後ろから近づいたダヴィドがそっとヘッドフォンをつける。場内の喧騒が一瞬で聞こえなくなり、ロッド・スチュワートによる名曲「Sailing」が優しくアレックスの頭に響く。「君に会うため、自由を追いかけて、海を渡っていく」と歌うスチュワートの曲に、アレックスは動きを止めて聞きほれる。

 フランソワ・オゾン監督は、「このダンスシーンこそ、映画のコアだ」「二人は同じ音楽を聴いているのに、一緒に踊るわけでもない。ダヴィドは身体をくねらせながらへらへら笑っていて、かたやアレックスは天井のミラーボールをぼんやり見ている。撮影しているときはそこまで考えられていなかったが、あとでこのシーンを思い返してみると、早い段階で2人の離別を予告していたんだと、あらためて解釈できた。ちなみに、『Sailing』を提案したのは(アレックス役の)フェリックスなんだ。リズムと歌詞がしっくりきて、”これだ”と思ったね」と語っている。

 劇中には、「Sailing」以外にも1980年代を代表するTHE CUREの名曲「In Between Days」などが使用されており、オゾン監督こだわりのフィルム撮影による映像美とともに、美しき少年たちが織りなすひと夏の恋を、数々の楽曲が彩っている。

 「Summer of 85」は、オゾン監督が17歳の時に出会い、深く影響を受けたというエイダン・チェンバーズの小説を映画化した作品。運命的な出会いを果たした美しき少年たちの、初めての恋と永遠の別れを描く。オゾン監督は、原作小説に感銘を受けた10代当時の感情を投影しながら、これまでにオゾンが描いてきた過激な恋愛描写を封印し、少年たちの忘れられないひと夏の恋物語をみずみずしく描く。また、1980年代のヒットソングの数々も使われている。完成した作品は、第46回セザール賞で作品賞含む12部門にノミネートされるなどの評価を受けている。

惹かれ合う少年同士のクラブデート 優しく響く「Sailing」 「Summer of 85」本編映像

【作品情報】 
Summer of 85
2021年8月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
配給:フラッグ、クロックワークス
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

  • 作品

Summer of 85

公開年 2020年
製作国 フランス、ベルギー
監督  フランソワ・オゾン
出演  フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ
作品一覧