4月23日より劇場公開される、「LETO-レト-」で知られるロシアの舞台演出家・映画作家のキリル・セレブレンニコフ監督作「インフル病みのペトロフ家」の、予告編が公開された。
公開された予告編は、MANGA(漫画)を描くのが好きな主人公ペトロフが、インフルエンザでせき込む様子から始まる。やがてインフルエンザは息子に感染し、映像は妄想の世界へと突入する。男たちの銃殺シーン、図書館でのアクション、2004年のロシアと1976年のソヴィエト、“雪むすめ”の格好をした謎めいた女性、妻ペトロワの叫びなどの不穏な映像が続き、ダークな歌詞と複雑なライムが特徴的なロシアの人気ラッパー・Husky の楽曲「Revenge」などが響く。
ロシア社会への強烈な風刺をはらみながら、妄想と現実の境目が曖昧な原作の世界観をそのままに、セレブレンニコフ監督ならではの型破りな芸術的感性とアクションが映し出された映像となっている。
「インフル病みのペトロフ家」は、2016年に発売されたアレクセイ・サリニコフによるベストセラー小説を原作とした作品。ソヴィエト崩壊後の2004年、ロシアのエカテリンブルグでインフルエンザが流行する中、主人公のペトロフは高熱にうなされる。妄想と現実の間を行き来するうち、ペトロフの妄想は、次第にまだ国がソヴィエトだった子供時代の記憶へと回帰していく。
2017年に国からの予算横領の疑いで逮捕されて自宅軟禁状態となったセレブレンニコフ監督は、軟禁という不条理の中で本作の脚本を執筆。完成した作品は、2021年に開催された第74回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品され、フランス映画高等技術委員会賞を受賞した。
【作品情報】
インフル病みのペトロフ家
2022年4月23日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
配給:ムヴィオラ
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