2025年9月5日より劇場公開される、第77回カンヌ国際映画祭に正式出品された、「ラストタンゴ・イン・パリ」の撮影で一生消えないトラウマを負った女優マリア・シュナイダーの人生を描く映画「タンゴの後で」から、本編映像の一部が公開された。
映像は、「ラストタンゴ・イン・パリ」の脚本を読んだマリア・シュナイダーが、ベルトルッチ監督とカフェで会うシーン。年齢を聞かれ「19歳」と明かすマリアに、「ヌードシーンが多いと気づいたはずだ。嫌かい?」と彼女を気遣うベルトルッチ監督。「状況によります。セックスのシーンはどうすれば?」と不安を見せるマリアに対しては、「実際と同じ」と返す。その返事に戸惑いを隠せないマリアに「冗談だよ。アーティスティックに撮る」「本作のテーマは“激しい肉体関係”だ」とマリアを説得する。そして、「相手役はマーロン・ブランドだ。君は彼に次ぐ主役になる」と明かし、ハリウッドスターとの共演に目を輝かせるマリアを、「役者を選ぶのは僕だ」と力強く見つめる。こうしてマリアは映画への出演を決意する。
マリアを演じるアナマリア・ヴァルトロメイは、映画監督と2人で話すシンプルなシーンの中で、少女が持つ恥ずかしげで純真なたたずまいを見せながらも、挑戦したことのないヌードシーンへの不安をにじませ、同時に大きな可能性に目を輝かせる表情でその時の心情を表現している。
「タンゴの後で」は、気鋭の若手監督ベルナルド・ベルトルッチの「ラストタンゴ・イン・パリ」の陰にあった、ある女性の怒りと葛藤を描く。一夜にしてトップスターに駆け上がった19歳のマリア・シュナイダーのだったが、48歳のマーロン・ブランドとの過激な性描写シーンの撮影は彼女に苛烈なトラウマを与え、その後の人生に大きな影を落していく。”70年代最大のスキャンダル”と言われた作品の舞台裏で何が起きていたのかを、映画の撮影現場での問題について声を上げた最初の女性の一人であるマリア・シュナイダーに焦点を当てて描く。
監督はヴェネツィア映画祭での受賞経験もある新鋭のジェシカ・パルー。ベルナルド・ベルトルッチ監督作「ドリーマーズ」でインターンとして彼との仕事を経験した彼女は、マリアのいとこであるジャーナリストが記した「あなたの名はマリア・シュナイダー:「悲劇の女優」の素顔」と出会い、彼女の人生を映画化することを決意した。マリアを演じるのはヴェネツィア映画祭金獅子賞受賞作「あのこと」のアナマリア・ヴァルトロメイ。マーロン・ブランド役をマット・ディロンが演じている。
【作品情報】
タンゴの後で
2025年9月5日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:トランスフォーマー
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