大好きなパパが女性に 11歳の娘の葛藤を描く 「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」12月公開

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大好きなパパが女性に 11歳の娘の葛藤を描く 「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」12月公開

 大好きなパパが女性となることに葛藤する11歳の娘を描いたデンマーク映画「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」が、12月24日より劇場公開されることが決まった。

 「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」は、デンマークの郊外に住む11歳の少女エマを主人公とした作品。ある日突然、「パパが女性として生きていきたい」」との理由で、両親の離婚を告げられるエマは、受け入れられずにひとりで思い悩んで寂しさを募らせ、時にはやるせないいら立ちを爆発させる。それでもパパのことが好きなエマが、葛藤の果てに自分の気持ちに気づく姿が描かれる。

 世界中でセクシュアル・マイノリティの多様性や人権に光をあてた映画が盛んに作られているなか、トランスジェンダーをカミングアウトする当事者ではなく、当事者の娘の視点で全編が語られる本作。1990年代末を背景にした本作は、11歳の時に父親が女性になった経験を持つライマン監督の自伝的な作品で、自らの実体験に基づくエピソードをちりばめ、主人公エマの複雑な感情を繊細かつリアルに描き出す。

 エマ役を演じたカヤ・トフト・ローホルトは、本作が映画デビュー。パパのトマス/アウネーテ役は、「ロイヤル・アフェア  愛と欲望の王宮」「ヒトラーの忘れもの」などのミケル・ボー・フルスゴーが務める。トマス/アウネーテの役は男性でもあり女性でもあることを示したかったと考えた監督は、男性の体から自身の女性性を見い出すことができる身体性を持った人を探すことが重要だったため、当初からトランスジェンダーの役者の起用は考えなかったと語っている。

 公開された日本版ポスタービジュアルでは、エマ一家の写真が淡いグリーンを背景に収められている。前列に座るエマの隣には、男性から女性となり、名前もトマスからアウネーテと変えたパパの姿が写っている。そんな家族写真に、「突然告げられた両親の離婚。そしてパパは女性になった―」のコピーが添えられている。

【作品情報】
パーフェクト・ノーマル・ファミリー
2021年12月24日(金)、新宿シネマカリテほか全国順次公開
配給:エスパース・サロウ
© 2019 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

  • 作品

パーフェクト・ノーマル・ファミリー

公開年 2020年
製作国 デンマーク
監督  マルー・ライマン
出演  カヤ・トフト・ローホルト、ミケル・ボー・フルスゴー、リーモア・ランテ、ニール・ランホルト
作品一覧