2025年9月26日より劇場公開される、”地球上で最も危険を伴う職業”のひとつと言われる、飽和潜水士の実話を基にしたサバイバル・スリラー映画「ラスト・ブレス」から、撮影の舞台裏に迫るメイキング映像が公開された。
メイキング映像は、水中撮影のプロフェッショナルでもあるアレックス・パーキンソン監督が、撮影の舞台裏を60秒で語る内容となっている。まず最初に明かされたのは、水中撮影の舞台裏。本作の水中シーンはマルタ島にある「マルタ・フィルム・スタジオ」で撮影が行われた。同スタジオは水中の特殊効果に長けた世界的に有名なスタジオで、「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「キャプテン・フィリップス」などの撮影が行われた場所として知られている。監督はリアルな海を再現するために、スタジオの屋外にある直径100メートル、水深11メートルほどのタンクに海水を入れ、巨大な深海のセットを作った。わざわざ海水を使用することで深海の粒子を再現するまでこだわったという。
こうして入念に準備されたセットで撮影された水中シーンは、地上で撮影されたものをCGで水中に見せるような技術は一切使用されず、すべてキャストやスタッフが実際に潜水しながら撮影された。監督によれば、潜水士を演じたシム・リウやフィン・コールは、ほとんどスタントなしで水中での演技に臨んだそう。ほかにも、水中で俳優たちに演出する方法や、ウディ・ハレルソンをはじめとした俳優陣の姿も収められた映像となっている。
「ラスト・ブレス」は、ひとり取り残されたダイバーの運命と、彼を救うべく極限の救出劇に挑む人々を描くサバイバル・スリラー。北海でガス・パイプラインの補修を行うため、潜水支援船のタロス号がスコットランドのアバディーン港から出航した。ところがベテランのダンカン(ウディ・ハレルソン)、プロ意識の強いデイヴ(シム・リウ)、若手のクリス(フィン・コール)という3人の飽和潜水士が、水深91メートルの海底で作業を行っている最中、タロス号のコンピュータ・システムが異常をきたす非常事態が発生する。制御不能となったタロス号が荒波に流されたことで、命綱が切れたクリスは深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分。海底の潜水ベルにとどまったダンカンとデイヴ、タロス号の乗組員は、あらゆる手を尽くしてクリスの救助を試みるが、それはあまりにも絶望的な時間との闘いだった。
経験豊富な最年長の潜水士ダンカンを人間味豊かに演じるのはウディ・ハレルソン。「シャン・チー/テン・リングスの伝説」でタイトルロールを演じたシム・リウがストイックな潜水士のデイヴを演じるほか、イギリスの若手俳優フィン・コールが出演している。監督を、2019年に同名のドキュメンタリー映画を発表したアレックス・パーキンソンが務めている。
一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。
■ISO(ライター)
深い海の底に独り取り残され、10分後には酸欠が迫る極限の状況。想像するだけで身震いする恐怖のなか、生きたい者と助けたい者の命への執着が交差する。ハリウッド映画の真骨頂ともいえるヒロイックな物語、その面白さと感動をこれほど無駄なく堪能できる作品はなかなかお目にかかれない。
■加藤よしき(ライター)
深海に取り残され、残る酸素はあと10分だけ。
詰んだ! でも海のプロは諦めない!
難易度最凶の“人命イライラ棒”を見届けてください。
サバイバル映画の新たな名作……あ、ただし閉所恐怖症の人はご注意を!
■小島秀夫(ゲームクリエイター)
海底パイプラインを修復する潜水事故に基づく奇跡の物語。始終、閉塞感と酸欠感を、緊張感を持って描く。リスクを顧みず、命懸けで仲間を生還させようとする誰もがみんな格好いい。何度も号泣してしまった。誰にも知られていないが、世界の何処かでは“危険”を承知で作業を続けている影の英雄たちがいる。ウディ・ハレルソンも良かったが、スーパー・パワーを持たない、カンフーもしないシム・リウが、生身の格好良さを出していた。
■小森陽一(作家・マンガ原作者)
先月、潜水士を志す高校生の物語を書き上げたばかりだ。
彼等にこの作品を薦めていいものかどうか、正直なところ迷っている。
ここで描かれていることは真実だ。
なんの忖度もしてくれない自然という現実、仲間を思い、決して諦めない人間の尊さ。
海の物語がすべて詰まっているといっても過言ではない。
■サメ映画ルーキー(日本サメ映画学会会長)
サメという捕食者が姿を見せずとも、海の底には深淵の悪夢が広がっている。だが人類はなおも闇に抗い、力を尽くし、最後の一瞬まで戦い続ける。そこに光が差すことを信じて。
■清水崇(映画監督)
普段、意識しない“死”は実は常日頃からすぐ目の前にある。
本作は潜水士の実話だが、そんな当たり前の事を改めて意識し、“生”を謳歌しようと思わされる緊迫の90分……
■杉山すぴ豊(アメキャラ系ライター)
青く広いはずの海がダークな迷宮に!クライマックスは思わず「急いで」と声が出てしまいました。
胸がおしつぶれそうな緊迫感と胸に響くシム・リウの活躍!冷たい海底でくりひろげられる熱いドラマです!
■武田真一(フリーアナウンサー)
冷たい漆黒の深海。ひと呼吸ごとに確実に死へ近づく絶望感。「必ず助ける」という約束は守られるのか。緊迫した救出劇のリアリティは、飽和潜水という技術の奥深さや、そこに従事する人々への深いリスペクトによって裏打ちされている。ひとりの命を救うために奮闘した人々、そしてパーキンソン監督をはじめ製作陣の真摯な姿勢に、胸が熱くなる映画だ。
■人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
凄まじい緊迫感。僅かなミスすら許されない繊細な作業で救助を試みる様は手が震えるほど恐ろしいが、それでも決して諦めまいと戦う姿はあまりにも格好良い。絶望と希望が押し合い圧し合いしてどちらに転ぶか、祈りながら観る映画。
■橋本昭夫(元飽和潜水士・日本サルヴェージ株式会社所属)
職業として飽和潜水を行う者として、本作のリアリティに息を呑みました。極限状況の中、深海での孤独 、仲間との絆、そして生還への執念。技術は進化しましたが、仲間を信じ、決して諦めない人間の精神力の強さは変わらない。
■藤織ジュン(可愛すぎない海女(北限の海女))
プロの仕事をするカッコ良さを感じる作品でした。
死と直結する事故の後、誰もパニックにならず、冷静に対処する姿に感動しました。
ダイバーたちにも当たり前に家族がいて、飽和潜水士の誇りと危険な仕事をすることへの葛藤にも心を打たれました。
■村田清臣(80歳現役ダイバー、日本水難救済会、静岡地区水難救済会、会長)
私にとって非常に素晴らしい物語でした。私も長年水難救助ダイビングを行なって居ます。
ウネリの中で潜水士が救助中ダイビングベルから力だけに頼らずウネリを利用して上がれと助言していたリーダーの言葉さすがです。私も救助中に波やウネリを利用して要救助者を船に収容した経験もあり感動したシーンの一つでした。知床の遊覧船沈没事故を思い出しました。
■ワタリ119(芸人)
絶対に体験することのないような状況で次第に緊迫感に飲まれ、観てる自分も息をするのを忘れ、海底にいる主人公の追体験をしてるような映画でした。
【作品情報】
ラスト・ブレス
2025年9月26日(金)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー
配給:キノフィルムズ
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