鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけだった。強風吹き荒れるある日、団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいる。だがベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が…。一転して父への疑いを募らせていく。

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