人生に行き詰まった30代の女性描く 岡本玲主演、石橋夕帆監督 「ひとりたび」釜山映画祭出品

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人生に行き詰まった30代の女性描く 岡本玲主演、石橋夕帆監督 「ひとりたび」釜山映画祭出品

 岡本玲主演、上村奈帆脚本、石橋夕帆監督の映画「ひとりたび」(2025年日本公開予定)が、第29回釜山国際映画祭のコンペティション部門(ジソク部門)に正式出品され、ワールドプレミア上映されることが決まった。

 「ひとりたび」は、仕事に恋愛、人生に行き詰まった30代の女性が、学生時代に経験した「初恋」の記憶を頼りに、自分の人生を見つめ直す姿を描いた作品。東京で働く32歳の美咲(岡本玲)は、10年間勤めていた会社に居づらくなり退職し、将来が見えないまま実家に帰る。地元で開催された同窓会で、初恋の相手が2年前に亡くなっていたことを知る美咲。空っぽだった美咲の心が、初恋の思い出で埋め尽くされていく。

 主演は、2003年にモデルとしてキャリアをスタートさせ、主演作「茶飲友達」など、ドラマ・映画・CM・舞台など多方面で活躍する岡本玲。主人公と同年齢の役柄を、等身大で演じている。監督は、「左様なら」で長編デビューし、長編2作目「朝がくるとむなしくなる」で第18回大阪アジアン映画祭のインディ・フォーラム部門「JAPAN CUTS AWARD」を受賞した石橋夕帆。そして脚本には、「市子」「三日月とネコ」などの上村奈帆が参加している。主人公と同世代の3名が、30代女性が抱える将来への不安と過去の思い出とのめぐりあいを繊細に描く。

 釜山国際映画祭で本作が出品されるジソク部門は、新人監督を対象としたニューカレンツ部門と並ぶコンペティション部門。日本からは過去に、「楽園」「市子」「月」などが出品された

人生に行き詰まった30代の女性描く 岡本玲主演、石橋夕帆監督 「ひとりたび」釜山映画祭出品

 出品にあたり、岡本玲(主演)、上村奈帆(脚本)、石橋夕帆(監督)のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■岡本 玲(主演)コメント
「ひとりたび」が釜山国際映画祭で上映されることになり、驚きと感謝の気持ちでいっぱいです。
3年前、喫茶店で企画書を手にし真っ直ぐな瞳で想いを伝えてくださった石橋監督の「ひとりたび」が、釜山国際映画祭という大舞台に羽ばたいて行くこと、とても嬉しく思います。
監督と一緒に、役とともに旅を続けてきました。
みなさんのこころへ届くことを心から祈っています。

■石橋夕帆(監督)コメント
3年前、主演の岡本玲さんにお会いして作品やお互いの事について、様々なお話をさせて頂きました。やっと作品を形にできた事、そして大変光栄な事に釜山国際映画祭への正式出品が決まった事、心から嬉しいです…!
大人になると傷ついた事に向き合えなくて、自分の心に蓋をしてしまう事が多くなる気がします。それでも、どんなにみっともなくとも、自分の中にある想いも執着も否定したくなくてこの作品を撮りました。ワールドプレミアでどのようなご感想を頂けるか、今からとても楽しみです。

■上村奈帆(脚本)コメント
自分にとって否応なしに特別だったあの子にとって、では自分はどんな存在だったのだろう。
ほんの小さなきっかけだけで、あっという間に引き摺り戻されるあの頃の気持ち。そんな記憶を手がかりに、石橋夕帆監督たちとともにつむいだオリジナル脚本。
みなさんと打ち合わせている時、一人で書いている時、毎回とてもとても楽しかった。
時々苦しくって、でもそれでいんだよね、と思えた。

石橋監督が見つめる景色、その完成がずっと楽しみでした。
試写会ではじめて鑑賞し、岡本玲さんをはじめ、キャストのみなさんが魅力的でずぅっと見つめていたい思いに掻き立てられました。美しい映像にも引き込まれます。
『ひとりたび』を釜山国際映画祭でお披露目できること、胸がいっぱいです。
石橋夕帆監督、岡本玲さん、関係者のみなさん、心からおめでとうございます。うれしいなぁ。
一人でも多くの方に、彼女の旅が届きますように。

【作品情報】
ひとりたび
2025年日本公開予定
配給:イーチタイム
©️Ippo

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