“断らない救急”がモットーのERに密着 ドキュメンタリー映画「その鼓動に耳をあてよ」予告

映画スクエア

 2024年1月27日より劇場公開される、東海テレビドキュメンタリー劇場の第15弾となる映画「その鼓動に耳をあてよ」の、予告編が公開された。

 「その鼓動に耳をあてよ」は、年間1万台の救急車を受け入れる名古屋掖済会(えきさいかい)病院のER(救命救急センター)に、9カ月間に渡り密着したドキュメンタリー。病院には、24時間365日、さまざまな患者が運び込まれてくる。耳の中に虫がいると泣き叫ぶ子ども、脚にクギが刺さった大工職人、自死を図った人。“断らない救急”をモットーに、身寄りのないお年寄りから生活困窮者まで誰でも受け入れる。「救急で何でも診るの“何でも”には、社会的な問題も含まれる」と語る医師。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックで、救急車は連日過去最多を更新。他の病院に断られた患者が押し寄せ、みるみるベッドが埋まっていく。

 監督は、本作が映画初挑戦の足立拓朗。プロデュースを手がけたのは、「ヤクザと憲法」「さよならテレビ」の阿武野勝彦と圡方宏史。

“断らない救急”がモットーのERに密着 ドキュメンタリー映画「その鼓動に耳をあてよ」予告

 一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■森達也(映画監督・作家)
これは東海テレビの新境地だ。まるで小宇宙のような救命救急センター内を、カメラが縦横無尽に動く。ここまで撮れるの?    透けて見えるコロナ禍の日本社会。ずっしりと重い。

■重松清(作家)*パンフレット原稿より
誰の鼓動なのだろう。誰でもいい。鼓動を聴き取る静寂をつくるために、ナレーションが退いた。はだかの紆余曲折、はだかのドキュメンタリー。東海テレビドキュメンタリー劇場第十五作――ここまで来たんだね。

■井上咲楽(タレント)
「何でも診る」の“何でも”には社会的な問題までもが含まれているのか…と驚愕した。救命救急センターを通して、コロナ禍を含む近年の社会の縮図を一気に見ることのできる、心に残る作品です。

■梶原阿貴(脚本家・俳優)
海外ドラマの名作『ER 緊急救命室』のような感じだろうと思って見たら、その期待は大いに裏切られた。救急で運ばれてくる個性豊かな患者たちを通して、現代日本の抱える社会的問題が浮き彫りになってくる。底の抜けかけた社会の底を、ER の医師たちが懸命に支えている。

■小川紗良(文筆家・映像作家・俳優)
命は等しい。しかし現実は厳しい。満員の病床を背に、分刻みで選択を迫られる
ER。不景気、高齢化、パンデミック…すべてのしわ寄せが来る場所で、命と向き合う人たちが、どうか報われますように。

■佐野史郎(俳優)
東海テレビの連続ドラマに出演の折、同社ドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』を観、心奪われた。
その後の『さよならテレビ』も同様に。「なにかおかしいんじゃないか?」…その眼差しは、そのままこちらに問い返されるかのようだった。
救命救急医療の現場を追ったこの作品もまた、コロナ禍以降、殊に浮き彫りになってきた現代社会の歪みをあらわにして、観るものに、あるべきそれぞれの姿を迫る。
なのに、まるで、昭和のヤクザ映画を観る高揚感にも似て涙がにじみもするのだ。救急医療現場と報道現場は似ていると制作者たちは言う。
ならばこの映画は、魂の救済となるのかもしれない。

“断らない救急”がモットーのERに密着 ドキュメンタリー映画「その鼓動に耳をあてよ」予告

【作品情報】
その鼓動に耳をあてよ
2024年1月27日(土)より[東京]ポレポレ東中野、2月3日(土)より[大阪]第七藝術劇場ほか全国順次公開
製作・配給:東海テレビ放送
(C)東海テレビ放送

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