インディーズ映画界で活躍してきた渡邉高章の劇場公開デビュー作 映画「土手と夫婦と幽霊」予告編

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 8月6日より劇場公開される、インディーズ映画界で活躍してきた渡邉高章の劇場公開デビュー作「土手と夫婦と幽霊」の、予告編が公開された。

 公開された予告編は、小説家の「私」による、「私がその時なんとなくつぶやいた言葉は、次の小説のタイトルにしようと思ってのことだった」というナレーションから始まり、映し出された「私」が「土手と夫婦と幽霊」と口にするシーンが続く。そして、「私」が思い出せることは小説家であることと離婚歴があることで、昔一緒に住んでいた女性のことは思い出せないことが語られる。さらには、「高橋」と呼ばれる男や髪の短い女などの姿が、モノクロの映像で描き出されている。

 あわせて、高橋を演じる佐藤勇真と、髪の短い女を演じる小林美萌のコメントも公開された。佐藤は、「登場人物たちのある種不気味な、噛み合わない関係性、そしてモノローグ。そこにある『私』の感情は、一つの見どころになっています」と作品について語っている。また小林は、「自然の美しさが格別なのです。世界中の様々な文化の違う方々が、渡邉監督の頭の中を覗き見て、心をひゅっとすくわれる、くるっとひっくり返される、そんな不思議が詰まっています。今動物として生を受けたからこそ抱ける感情、感覚、そんな特別を存分に味わってください」と本作をアピールしている。

 「土手と夫婦と幽霊」は、小説家の「私」は、葬式の帰りに「高橋」に誘われて、土手沿いに住む「女」の元に行く。「私」は目覚めると、帰る場所もわからず、「女」の家に居座ることになるというストーリーの作品。男女の一つの最終形として、夫婦の姿にスポットを当てている。インディーズ映画ならではの自由な視点で、普遍的なテーマを描き続けてきた渡邉高章が監督・脚本・撮影・録音・編集を担当している。「第10回日本芸術センター主催映像グランプリ」でグランプリを獲得、湖畔の映画祭2019では主演俳優賞(星能豊)を受賞するなどの評価を受けている。

【コメント】

■髙橋役:佐藤勇真

原作、そして脚本を読んだ時、私が演じた「高橋」は、登場人物の中でも最も孤立した存在だと思いました。よって、他のキャラクターと絡む時は、客観的な違和感が強めに出ればと思って演じたのを覚えています。「こいつ何者なの?」と思わすことで、他人と居る時と一人で居る時の違いが出せたらと思いました。

本作では、普通であることが「普通」ではないような気がします。そもそも「普通」とはなんなのか。本作に描かれた世界は、どこか逆転した世界のようにも見えてきます。登場人物たちのある種不気味な、噛み合わない関係性、そしてモノローグ。そこにある『私』の感情は、一つの見どころになっています。ぜひ劇場で御覧ください。

■髪の短い女役:小林美萌

私の頂いた役は、「髪の短い女」という役名で、私の中ではとても強いインパクトがあり、襟足を刈り上げて、どのキャストよりも短くありますようにと祈りつつ撮影に臨みました。監督は全くそこは重要事項ではなかったと思いますが。

私の一番のお気に入りは食卓シーンです。いろんな映画に食卓シーンは数多く出てきますが、一風変わっており、何度出てきても新鮮で、毎回楽しめます。モノクロの世界が、当たり前から一歩踏み出してこそ見える景色となり、音、温度、匂い、感触、味、映画館に座っていながら、頭の先から爪先まであらゆる感覚が研ぎ澄まされる。まるで別世界に連れて行かれるようなそんな感覚にとらわれます。

自然の美しさが格別なのです。世界中の様々な文化の違う方々が、渡邉監督の頭の中を覗き見て、心をひゅっとすくわれる、くるっとひっくり返される、そんな不思議が詰まっています。今動物として生を受けたからこそ抱ける感情、感覚、そんな特別を存分に味わってください。今ある愛を、そしてこれからもずっと続く愛を、皆さんが大切に守ってゆけますように。

インディーズ映画界で活躍してきた渡邉高章の劇場公開デビュー作 映画「土手と夫婦と幽霊」予告編

【作品情報】
土手と夫婦と幽霊
2021年8月6日(金)よりアップリンク吉祥寺ほかにてロードショー
配給:アルミード
© 2021 zampanotheater

  • 作品

土手と夫婦と幽霊

公開年 2018年
製作国 日本
監督  渡邉高章
出演  星能豊、カイマミ、佐藤勇真、小林美萌、由利尚子、舟見和利、狗丸トモヒロ、中嶋定治
作品一覧