2014年の福島が舞台 社会になじめない兄、未来を諦めた父、家にしばられる妹描く 「心平、」公開決定

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2014年の福島が舞台 社会になじめない兄、未来を諦めた父、家にしばられる妹描く 「心平、」公開決定

 山城達郎監督、奥野瑛太主演の映画「心平、」が、2024年8月17日より劇場公開されることが決まった。

 「心平、」は、2014年の福島を舞台に、立ち入りを制限された町に足を踏み入れた心平と、その家族の葛藤を描いた人間ドラマ。全シーンが福島でロケーション撮影された。

 軽度の知的障害がある心平。その父・一平は、原発事故後に農業の仕事を失いどこかで諦めながら生きている。仕事の続かない息子に小遣いを渡しはするが彼と向き合おうとせず、その未来すら諦めていた。心平の妹・いちごは、毎日変わらない日々や、父や兄の勝手さに対していら立ちを隠せず、家を捨てて出て行きたい衝動にかられていた。3人はお互いの本音が分からずに過ごしていたが、近所の住民から心平が避難中の家々で空き巣をしていると聞かされた父と妹の気持ちは大きく揺れる。そして、兄妹の子どもの頃の思い出により、すれ違っていた3人の気持ちに変化の兆しが見えてくる。

 主人公の心平には、脚本の段階から参加した奥野瑛太。いつも兄のことを気にかけている妹のいちご役を芦原優愛が、父の一平役を下元史朗が務めるほか、川瀬陽太、影山祐子、河屋秀俊、小林リュージュらが出演する。監督は山城達郎。2022年に「ダラダラ」で長編映画を初監督し、本作が劇場公開映画2作目となる。

 山城達郎監督、奥野瑛太のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

■山城達郎監督
限りある人生で、大切な人と過ごす時間はあとどのくらいなのかは分かりません。
だからこそ、今まで出会った人や、これから出会う人、映画に出てくる心平たちのことをできるだけ知りたいと思い、この映画をつくっていきました。
そして、不器用な家族がお互いのことや、自分自身に向き合う瞬間を描く物語になったのではと思っています。

■奥野瑛太
東日本大震災から13年。 撮影場所は福島県の内陸部から海岸部にまで及ぶものでした。未だに色濃く残す傷跡と、震災後に生まれたであろう景色に、その場に佇むことさえ僕には困難でした。撮影期間中、僕自身、心平の目を通してそれらを眺めることでなんとか福島に居させてくれたような気がしてます。
何気なく映る2023年撮影当時の景色を、心に留めていただけたら幸いです。

【作品情報】
心平、
2024年8月17日(土)より 新宿K’s cinema 他全国順次ロードショー
配給:インターフィルム
©冒険王/山城達郎

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