音楽監督M・ワイルダー メッセージ&音楽シーン映像公開 北朝鮮収容所描くアニメ映画「トゥルーノース」

映画スクエア

 6月4日に劇場公開される、生存者証言を参考に北朝鮮強制収容所の内情を3Dアニメーションで描いた映画「トゥルーノース」から、音楽監督を務めたマシュー・ワイルダーのメッセージ映像と、音楽シーンを切り取った本編映像が公開された。

 映像では、ディズニーの長編アニメ映画「ムーラン」(1998)の劇中曲「リフレクション」などで知られるマシュー・ワイルダーが、音楽を手掛けることになったきっかけ、清水監督との出会いや印象などについて語っている。曲については、「『ムーラン』と同様、西洋と東洋の曲調の融合を心がけた。このストーリーはとても壮大かつ普遍的なもので、楽曲もそれを補足するものにしたかった」と語り、最後には、「この作品の感情表現は今までのアニメーションでの試みをはるかに超えています。この貴重な作品に少しでもかかわれたことを本当に誇りに思う」と、メッセージを寄せている。

 あわせて公開された本編映像は、薄暗い坑道の中で過酷な労働を強いられる主人公のヨハンが、監視員に「生産性を上げるには歌いながら動くのが効果的です」と提案し、いぶかしがる監視員に「私どもは歌いながら我が最高指導者を讃え、歩調を合わせるべきです」と納得させる。そして、「私は人民であり 屈強な精神と胆力を持ち、同志たちと共に支え合う この命ある限り」とヨハンが歌い始めると、やがて仲間たちも声を合わせる。「心が真実に目覚め いつか魂が希望と自由の烽火となる 晴れの日に叫ぼう、マンセー(万歳)!」という歌声とともに、収容所に入れられた自由を願う人々たちが助け合いながら働く姿がオーバーラップする。

 「トゥルーノース」は、ドキュメンタリー映画「happy - しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーを務めた清水ハン栄治の初監督作品。在日コリアン4世の清水監督が、実際に収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い、10年もの歳月をかけて作り上げた。強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆やユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが描かれている。アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威あるアヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネートされるなど、海外の映画祭で高く評価された。

音楽監督M・ワイルダー メッセージ&音楽シーン映像公開 北朝鮮収容所描くアニメ映画「トゥルーノース」

【作品情報】 
トゥルーノース
2021年6月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:東映ビデオ
(C)2020 sumimasen

  • 作品

トゥルーノース

公開年 2020年
製作国 日本、インドネシア
監督  清水ハン栄治
出演  (声)ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス、エミリー・ヘレス
作品一覧