「ムーミン」原作者トーベ・ヤンソン　人生と創作の裏側描く　「TOVE/トーベ」公開決定

2021年05月18日 12:00

　「ムーミン」の原作者であるフィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画「TOVE/トーベ」が、10月1日より劇場公開されることが決まった。

　「TOVE/トーベ」で描かれるトーベ・ヤンソンは、自身の人生からインスピレーションを得てムーミンたちの冒険を生み出した人物。ムーミンはトーベ・ヤンソンに国際的な名声と自由をもたらし、文学、コミック、舞台劇、アニメーションなど、今なお世界中の人々を楽しませ続けている。本作では、戦時中に防空壕の中でおびえた子供たちに語った物語から、ムーミンの物語やキャラクターたちが生み出されていく過程が、トーベ・ヤンソンの人生のあり方とともに描き出されている。

　「TOVE/トーベ」の物語が始まるのは1944年のヘルシンキ。戦火の中でトーベ・ヤンソンは自分を慰めるようにムーミンの世界を作り、爆風で窓が吹き飛んだアトリエでの暮らしを始める。彫刻家である父の厳格な教えとは相反していた型破りな生活を送るトーベ。自分の表現と美術界の潮流のズレに対する葛藤、めまぐるしいパーティーや恋愛をへて、トーベとムーミンはともに成長していく。自由を渇望するトーベは、やがて舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い、互いに魅了されていく。

　2020年10月にトーベ・ヤンソンの母国であるフィンランドで公開されると大ヒットを記録。第93回アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表にも選出された。

　公開された特報映像では、つけペンを使ってムーミンを描くトーベ・ヤンソンの手元と真剣な表情、最後にムーミンの目の下に涙が加えられる様子が映し出されている。