2025年6月6日より劇場公開される、第60回金馬奨で観客賞と最優秀新人監督賞を、第17回アジア・フィルム・アワードで最優秀新人監督賞を受賞した映画「年少日記」の、新たな場面写真が公開された。
場面写真では、高校教師のチェンが幼少期の記憶をたどる中で思い起こす登場人物たちが浮き彫りとなっている。教室の中央に座りじっとこちらを見つめる一人ぼっちの兄(ショーン・ウォン)や、屋上の縁に座り「なりたい大人になれるだろうか?」と思い悩む姿。学校帰りに人目を気にせず無邪気に遊ぶ兄弟や、発表会を満足げに見守る兄弟の両親とピアノを披露する弟。自身が務める学校で遺書が見つかり、書いた生徒を探し出し助けたいと願うチェン(ロー・ジャンイップ)と、いじめられていることを相談する生徒。目に涙を浮かべながらチェンをギュッと抱きしめる結婚指輪をつけた彼の妻が切り取られている。それぞれの複雑な思いが交差する姿が収められている。
「年少日記」で描かれるのは、“痛み”と“後悔”を背負った高校教師が少年時代の日記をきっかけに記憶をたどっていく物語。高校教師のチェンが勤める学校で自殺をほのめかす遺書が見つかる。チェンは、遺書を書いた生徒を捜索するうちに、閉じていた日記をめくりながら自身の幼少期のつらい記憶をよみがえらせていく。それは、弁護士で厳格な父のもとで育った兄弟の記憶だった。勉強もピアノも何ひとつできない兄と優秀な弟。親の期待に応える弟とは違い、出来の悪い兄は家ではいつもしかられていた。しつけという体罰を受ける兄は疎外感を抱くようになる。
厳しい競争社会において子供が受けるプレッシャーや家庭内暴力など痛切な現実を描きながら、兄弟の純粋で切ない幼少期の記憶を描いた本作の監督は、「SPL 狼たちの処刑台」で脚本を務めたニック・チェク。本作が監督デビューとなった。主演は、「ある殺人、落葉のころに」「母性のモンタージュ」に出演し、監督・撮影監督としても活躍するロー・ジャンイップが務めている。
【作品情報】
年少日記
2025年6月6日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:クロックワークス
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