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製作
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「M」は、フリッツ・ラングが監督した作品。ラングの妻であるテア・フォン・ハルボウが脚本を担当している。ハルボウは、これまでも「メトロポリス」(1927)などのラング監督作の脚本を担当してきた。当初のタイトルは「殺人者は私たちの中にいる」だったが、「M」に変更された。ナチスの迫害を恐れたとも言われているが、ラングによると「M」の方が興味深いタイトルと考えたためだという。だが、公開された映画は、ナチスによって1934年に上映禁止となった。
撮影の際には、ピーター・ローレが地下室の階段で10数回も落とされた。この時の経験から、のちにラングがローレを起用しようとした時に、ローレが出演を断ったというエピソードが残されている。また、人民裁判のシーンでは、本物の犯罪者が出演していると言われている。
1929年に発生した、「デュッセルドルフの吸血鬼」と呼ばれたペーター・キュルテンによる殺人事件から発想を得たとも言われているが、ラングは否定している。
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M
「M」で描かれているのは、少女の連続殺人事件である。ベッケルトという男性が何人も・・・の少女を殺害した。町には犯人にかけられた1万マルクの懸賞金のポスターが貼られている。犯人が逮捕されないことから人々は疑心暗鬼となり、殺人犯と言われた男が怒る様子、匿名の手紙によって家宅捜索を受ける家族の様子、少女に時間を聞かれた男が近くの人・・・
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M
少女の連続殺人事件の犯人が逮捕されないことから、警察がやり玉に挙がる。大臣から叱・・・責を受けた警察の幹部が、警察官は週に12時間しか寝ずに捜査を行っていること、犯行現場に落ちていたキャンディの包み紙を調べたがよい結果が得られていないこと、林やヤブのすみずみまで調べていること、目撃証言がバラバラなことなど挙げてを反論する。
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M
少女の連続殺人事件を捜査する警察は、暗黒街への手入れを強化する。ローマン警部が手・・・入れの先頭に立ち、建物に押し入るための道具、銃、メリケンサック、財布、毛皮などが押収されるものの、犯人の手がかりはつかめない。
シュレンカーを中心とする犯罪者集団の幹部は、警察の手入れによって仕事ができなくなったことから対応を議論する。警・・・
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M
シュレンカーを中心とする犯罪者集団は、組織された浮浪者を使って町を見張らせる。浮・・・浪者たちには担当の区域が割り当てられ、見つけた者には懸賞金が贈られることになる。盲目の風船売りが犯人(ベッケルト)に気づくと、青年がチョークでベッケルトのコートの肩に「M」のマークをつける。浮浪者たちはマークを頼りに、怪しまれないように見張・・・
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M
エルジーを殺害した後、犯人のベッケルトは声明文を新聞に送る。声明文には、警察にも・・・送ったが無視されたこと、まだ犯行は続くことなどが書かれている。声明文は写真に撮影されて新聞に掲載される。声明文は赤鉛筆で書かれ、テーブルの木目のあとがついている。警察のローマン警部は、テーブルと赤鉛筆を手がかりに犯人を追う。
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