「おかえし」

「おかえし」
モデルをしているイザベルが飛行機に乗り、近くの席に座る音楽評論家と話をする。モデルが元恋人のガブリエル・パステルナークの名を出すと、音楽評論家はかつてパステルナークが応募した曲をこっぴどくけなした人物とわかる。さらに飛行機の乗客がみんなパステルナークの知り合いで、何者かによってチケットを受け取ったことが判明する。客室乗務員の女性はパステルナークが機長室に行って出てこないことを乗客に告げる。飛行機はパステルナークの両親の住む家に突っ込む。

「おもてなし」

「おもてなし」
古びたダイナーに1人の男が客としてやって来る。客の顔を見たウェイトレスは、男がかつて実家を競売にかけた高利貸しと気づく。その話をウェイトレスから聞いた高齢の女性料理人は、猫いらずを料理に混ぜて殺すことを提案する。猫いらず入りの料理を食べる男。だが、店にやって来た男の息子も食べてしまう。食べるのをやめさせようとしたウェイトレスと男がもみ合いになり、近づいてきた料理人が男を刺し殺してしまう。

「パンク」

「パンク」
田舎道を新車で走るディエゴは、スピードの出ない古い車を追い越そうとして邪魔をされる。追い越しざまに、ディエゴは古い車の運転手マリオに「田舎者!」と叫ぶ。先を進んだディエゴの車がパンクしてしまう。タイヤ交換が完全に終わらないうちに、マリオの車が追いつく。車の中に逃げたディエゴに、車から降りたマリオが近づき、ワイパーを折り、フロントガラスを割ろうとし、排便をする。ディエゴは、携帯電話で警察に通報する。

抱き合う死体

満足して車で去ろうとするマリオだったが、ディエゴが車でマリオの車を押して川に落とす。さらにディエゴは、車から出てきたマリオをひき殺そうとする。だが、タイヤが外れ、車は川に落ちかけた状態となる。マリオが車の中に入り込み、2人は格闘になる。給油口に入れた布に火をつけて爆発させようとするマリオ。だが、ディエゴがしがみついて逃げさせない。車は爆発し、警察は愛し合うように抱き合った形で発見された2人の焼死体を発見する。

「ヒーローになるために」

「ヒーローになるために」
ビルの爆破解体の仕事をしているシモン。娘の誕生日パーティのためにケーキを買うが、駐車していた車がレッカー移動されてしまう。駐車禁止区域ではなかったと異議を申し立てるシモンだったが、取り合ってもらえず、しぶしぶレッカー代を払う。家に向かう途中で渋滞につかまり、パーティにケーキが間に合わない。妻のビクトリアからは、「いつも社会の文句ばかり言っている」と離婚を言い渡される。

ボンビータ

役所に罰金を払いに行ったシモンは、騒ぎを起こして新聞に載ってしまい、仕事をクビになる。妻との離婚協議では暴力的であることを指摘され、新しい仕事の面接もすっぽかされる。さらにまた駐車した車をレッカー移動される。シモンは爆弾をしかけた車をわざとレッカー移動させ、移動先で爆発させる。シモンは逮捕されるが、社会に不満を抱く人々の間で「ボンビータ」と呼ばれる英雄となり、妻とも和解する。

「愚息」

「愚息」
富豪マウリシオの息子サンティアゴが、妊婦をひき逃げして家に戻ってくる。サンティアゴから話を聞いたマウリシオは、弁護士を呼ぶ。そして、屋敷の管理人をしているホセに50万ドルで身代わりを頼む。ホセは引き受ける。妊婦は死亡し、世間の怒りが高まる。マウリシオの屋敷にやって来た検察官が、マウリシオたちから話を聞く。

つり上がる要求

ホセが犯人と名乗り出るが、車のミラーの位置から検察官は運転していたのが別の人物であると見抜く。弁護士は検察官と話し、100万ドルで交渉に応じるとマウリシオに報告する。さらに弁護士は、自分の報酬として50万ドルを要求。ホセも50万ドルに加えて海沿いのマンションを要求する。マウリシオはやむを得ず承諾する。

被害者の夫

その後の話し合いで必要経費を追加で要求され、さらに弁護士がウソをついて自分の取り分を多くしていたことがわかり、嫌気の差したマウリシオは話をなかったことにしようとする。弁護士たちは、100万ドル以上は出さないというマウリシオの要求を飲むことにする。警察の車に連行されていくホセは、姿を見せた被害者の夫に、ハンマーで頭をたたきつぶされる。

「Happy Wedding」

「Happy Wedding」
ロミーナとアリエルの結婚式が開かれる。だがロミーナは、アリエルの同僚のテーブルにいる女性が、以前にアリエルの携帯電話に電話してきた女性と同一人物と知る。ダンス中にアリエルから女性と寝たことを聞いたロミーナは、会場を飛び出て屋上に向かう。そして、屋上にいたコックと体を重ねる。さらに、屋上まで追いかけてきたアリエルに、「全財産を奪い取ってやる」と宣言する。

狂乱の結婚式

式場に戻ったロミーナは、髪が乱れるのも構わずに友人たちと踊る。さらに、アリエルの浮気相手の女性をダンスに誘い、大きな鏡にいっしょに激突する。女性もロミーナも血まみれになる。興奮状態のロミーナはケーキプルズやブーケトスをし、ガラスを踏んで足から血が出てもかまわない。さらに、涙を流してうずくまるアリエルに蔑みの言葉をかける。

出ていく出席者

立ち上がったロミーナは、ウェディングケーキをほおばり、ロミーナに近づいていく。そして、2人はダンスを踊り、熱いキスを交わし、ケーキの置かれたテーブルの上でセックスを始める。結婚式の出席者たちは、そんな2人を置いて式場から出ていく。

人物 1 人生スイッチ

サルガド

俳優:ダリオ・グランディネッティ サルガドは、クラシック音楽の評論家である、映画「人生スイッチ」の登場人物。「おか・・・えし」のパートに登場する。飛行機でイサベルからガブリエル・パステルナークの名前を聞き、かつてパステルナークが出品した曲をこてんぱんに批判したことを明かす。 ・・・
人物 2 人生スイッチ

イサベル

俳優:マリーア・マルル イサベルは、ファッション・モデルである、映画「人生スイッチ」の登場人物。「おかえ・・・し」のパートに登場する。飛行機でサルガドが音楽評論家であることを聞き、かつての恋人で作曲家を目指していたガブリエル・パステルナークの名前を口にする。サルガドがパステルナークの曲を批判した時のことを覚えており、パステルナークが1週間も寝込んだ・・・
人物 3 人生スイッチ

レギサモン先生

俳優:モニカ・ビリャ レギサモンは、ガブリエル・パステルナークが小学生だった時の教師である、映画「人生・・・スイッチ」の登場人物。「おかえし」のパートに登場する。飛行機でサルガドとイサベルがパステルナークについて話しているのを聞いて名乗り出る。パステルナークが赤ん坊みたいに泣き叫んでことや、留年にしたことを話す。 ・・・
セリフ・名言 1 人生スイッチ

精神科医「ドアを開けてくれ!君は悪くない!むしろ君は被害者だ!君の人生をぶちこわしたのは君の両親なんだ!」

0:07:35頃 飛行機に乗り合わせた人々が、みんなガブリエル・パステルナークと・・・いう人物と関係を持つことが明らかになり、パステルナークが機長室に閉じこもったことがわかる。このままでは墜落すると気づいた精神科医が、機長室のドアをたたきながら叫ぶ言葉。だが、飛行機はパステルナークの両親のいる家に目がけて墜落する。 ・・・
セリフ・名言 2 人生スイッチ

クエンカ「君は算数が得意なんだな。1人だよ」

0:10:50頃 古びたレストランに1人の客がやって来る。ウェートレスが声をかけ・・・ると、小バカにしたような返事をする。男の顔を見たウェートレスの顔はこわばる。こわばった理由は、男の態度のためではなく、男がかつて家族をメチャクチャにした人物だったからだった。 ・・・
セリフ・名言 3 人生スイッチ

料理人「誇りに思いな。みじめな人生でたった1度でも価値のあることをやったんだ」

0:16:25頃 一緒に働くウェートレスから、家族をメチャクチャにした男が客とし・・・て来ていることを聞いた料理人は、男に出した料理に毒薬の猫いらずを入れる。そのことを知ったウェートレスに料理人が語る言葉。だが事態はこのあと思わぬ方向に転がる。 ・・・
音楽 1 人生スイッチ

フラッシュダンス/愛のテーマ(Love Theme From Flashdance)

「フラッシュダンス/愛のテーマ(Love Theme From Flashdan・・・ce)」は、映画「フラッシュダンス」(1983)のために作られたジョルジオ・モロダーによる曲。「人生スイッチ」では、「パンク」のエピソードの始まりで、新車を走らせるディエゴが聞いている(0:20:30頃)。 ・・・
音楽 2 人生スイッチ

Lady, Lady, Lady

「Lady, Lady, Lady」は、映画「フラッシュダンス」(1983)で使・・・われたジョルジオ・モロダーが作曲した曲。ジョー・エスポジトが歌った。「人生スイッチ」では、「パンク」のエピソードで、ディエゴの運転する車がパンクした時(0:22:50頃)と、マリオとの殺し合いの最中(0:35:05頃)にカーラジオから流れる・・・
音楽 3 人生スイッチ

ハッピー・バースデイ(Happy Birthday)

「ハッピー・バースデイ(Happy Birthday)」は、誕生日に広く歌われる・・・曲。「人生スイッチ」では、「ヒーローになるために」のエピソードで、シモンの誕生日パーティで歌われる(0:46:20頃)。また、ヒーローとなったシモンが刑務所の中で囚人や家族に歌ってもらう(1:00:10頃)。 ・・・
キーワード 1 人生スイッチ

評価、興行収入

「人生スイッチ」は、アメリカのアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたほか、・・・カンヌ映画祭ではパルム・ドールにノミネートされた。本国のアルゼンチンでは、作品賞をはじめとする10部門で受賞した。またアルゼンチンでは、これまでに公開されたアルゼンチン映画の中で最高の観客数を記録した作品となった。 ・・・
キーワード 2 人生スイッチ

オムニバス

「人生スイッチ」は、「おかえし」「おもてなし」「パンク」「ヒーローになるために」・・・「愚息」「Happy Wedding」の6つのエピソードからなるオムニバス作品である。いずれも暴力や復讐が描かれている。「おかえし」「おもてなし」は10分程度、「パンク」「ヒーローになるために」は20分程度、「愚息」「Happy Weddi・・・
キーワード 3 人生スイッチ

飛行機

「おかえし」で描かれるのは、ガブリエル・パステルナークを傷つけたことがある人物が・・・、飛行機に集められるというエピソードである。そしてパステルナークが機長室にこもって出てこなくなり、乗客を道づれに、飛行機はパステルナークの心に傷をつけた両親が住む家に向かって墜落していく。 ・・・
作品一覧