ストーリー・あらすじ紹介　ソング・オブ・ザ・シー　海のうた

海に消えたブロナー

島の灯台に住む幼いベンは、妊娠中の母親のブロナーと絵を描き、一緒に歌い、生まれてくる子どもを楽しみにしている。だがある夜、セルキーであるブロナーは海に姿を消してしまい、あとには娘のシアーシャが残される。それからしばらくたち、ベンの妹のシアーシャが6歳の誕生日を迎える。シアーシャはしゃべることができない。父親のコナーは、ブロナーを失った悲しみから立ち直れずにいる。

シアーシャの誕生日

ベンやシアーシャのおばあちゃんが、シアーシャの誕生日パーティをするため灯台にやって来る。その夜、シアーシャはベンが母親からもらっていた巻貝の笛を吹く。現れた白い光が、箱にしまわれていた白いコートへとシアーシャを導く。コートを着たシアーシャは海に向かい、白いアザラシとなって海の中を泳ぎ回る。シアーシャは母親と同じセルキーだった。おばあちゃんが波打ち際にいるシアーシャを見つける。コートを見つけたコナーは、箱や鍵ごと海に投げ捨てる。

おばあちゃんの家に

灯台で子どもは育てられないと話すおばあちゃんの説得に折れたコナーは、ベンとシアーシャをおばあちゃんに預けることにする。ベンは愛犬のクーと離ればなれになることを悲しむ。おばあちゃんの家に到着したベンだったが、クーを探すために家を抜け出し、シアーシャもついてくる。シアーシャは持ってきていた巻貝の笛を吹きながら歩く。

3人の妖精

シアーシャが3人の妖精によって連れて行かれてしまい、ベンが追いかける。秘密の場所に連れられたシアーシャは、妖精たちから“セルキー”と言われ、フクロウによって石にされた仲間を助けるため、歌うように頼まれる。話を聞いたベンは、母親から聞いていたおとぎ話が本当であることを知る。そこに現れた数羽のフクロウがシアーシャを襲う。妖精たちに助けられ、シアーシャとベンは逃げる。

髪が白くなるシアーシャ

シアーシャが巻貝の笛を吹くと現れる魔法の光に導かれて進んだ先で、ベンたちは犬のクーと再会する。先を進むベンたちは、雨が降ってきたために小屋で雨宿りをしようとする。だが、体力が落ちたシアーシャは髪の一部が白くなり、うずくまって動けなくなる。ベンに背負われて小屋に入ったシアーシャは、奥にある泉に飛び込んでしまう。クーも飛び込み、クーとつなげたヒモに引っ張られたベンも泉に落ちる。

シャナキー

泉の先の洞窟で語り部のシャナキーと会ったベンは、マカが巨人マクリルの涙を止めるために悲しみをビンに閉じ込め、マクリルが石になった物語を聞く。また、シアーシャがマカに捕らえられており、夜が明けるまでにコートを手に入れてシアーシャが歌わなければ、妖精は終わりを迎えることを聞く。先を進んだベンは、母親がシアーシャを生んだ時に海に消えたイメージを見る。

マカの家

洞窟から外に出たベンは、魔女のマカの住む家に向かう。マカは人の悲しみを吸い取ってビンに閉じ込める代わりに、悲しみを吸い取られた者は石になってしまうのだった。悲しみを吸い取られて弱ったシアーシャを屋根裏で見つけたベンは、これまで冷たくしてきたことを謝る。そしてシアーシャが巻貝の笛を吹けるように横で歌ってやる。シアーシャが巻貝の笛を吹くと、悲しみを閉じ込めていたビンがすべて割れる。自分がしてきたことを反省したマカは、シアーシャを助けるには白いコートが必要であることを話し、ベンやシアーシャを背中に乗せたクーを高速で駆けさせ、コートのある灯台に向かわせる。

シアーシャの歌

灯台に戻ってきたシアーシャが弱っているのを見たコナーは、ボートにシアーシャを乗せて医者の元に向かおうとする。コナーがコートを海に捨てたことを知ったベンが海に飛び込むと、アザラシがベンをコートの元に連れて行ってくれる。コートをかけられたシアーシャは、初めて言葉を口にし、歌い始める。すると、石になっていた妖精たちは命を取り戻す。

姿を現したブロナー

シアーシャやベンたちの前に1匹の白いアザラシが現れる。アザラシは、人間の姿をしたブロナーとなる。ブロナーは、半分は人間のシアーシャは、人間として生きることもできると話す。シアーシャは人間として生きる道を選ぶ。ブロナーはコナーにキスをし、ベンに愛を告げ、海へと帰っていく。残されたコナー、ベン、シアーシャは、再び家族としての生活を始める。