重度の潔癖症の青年ボーチン。家では隅々まで徹底的に掃除し、自身も何度も手を洗いシャワーを浴びる毎日。外出する時は、防塵服を着て手袋とマスクをするほどの完全武装。そのため彼は一般的な社会生活が送れない。ある日、いつもの完全武装で電車に乗っていると、同じ車両に同じような完全武装をした女性ジンを発見。ふたりは運命的な出会いを果たす。彼女も重度の潔癖症で、さらに屋外に4時間以上いると肌に発疹が出るアレルギー体質の上、スーパーマーケットで万引きを重ねてしまう窃盗症まで持ち合わせている。「自分は一生、他人と隔絶してひとりぼっちで生きていくのだ」と運命に縛られていたふたりが、天の采配で出会い、清らかな恋愛がスタートする。それは「他人から疎外される」という恐れのない安心感に満ちた唯一無二の関係。何の希望もない暗黒の日々が次第に色づいていく。だが、ボーチンからこの厄介な症状が消えてしまい、この運命的な関係は突然破綻を迎える。永遠にこの関係は続くと信じ合えていたふたりだったが、次第にすれ違っていく。