ストーリー・あらすじ紹介　悪の教典

カンニング問題

晨光学院高校では携帯電話のメールを使ったカンニングが問題となっている。生徒に人気のある英語教師の蓮実聖司は、妨害電波を使って防ぐ方法を提案するが、電波法に違反することから他の教師の同意を得られない。カンニングの中心の生徒である早水圭介は、仲の良い片桐怜花と夏越雄一郎から心配されている。

美弥と柴原

蓮実は、担任を務めるクラスの生徒である安原美彌が、体育教師の柴原から、美彌の万引の口止めとして体を求められていることを聞く。美彌は、蓮実に言われて、淫行条例に引っかかるとの脅迫メールを柴原に送る。テストの日、妨害電波が発せられ、圭介のカンニングは失敗に終わる。圭介は、アマチュア無線部の顧問である釣井にしわざと考えるが、その話を聞いた釣井は否定する。

梨奈の父親

緊急時の訓練が行われ、避難用のシューターやAEDの使い方を生徒が教わる。蓮実は、担任を務めるクラスの生徒である清田梨奈の父親から、クラスでいじめがあると言われる。梨奈の父親は高圧的な態度で蓮実を罵倒する。ある日、美彌が蓮実を屋上に呼び出し、蓮実にキスをする。蓮実もキスを返す。その姿を、蓮実のクラスの不良である蓼沼将大が目撃する。

火事

梨奈の家が火事になり、梨奈の父親が死亡する。梨奈の自宅の周りに置かれていたペットボトルの水が灯油にすり替えられており、梨奈の父親がポイ捨てしたタバコの火が引火したことが分かる。捜査で高校にやってきた刑事に、蓮実について調べていた釣井が、蓮実が以前都立北原高校にいたことを教える。男子生徒の前島雅彦と同性愛の関係を結んでいる美術教師の久米剛毅は、盗聴していた蓮実に雅彦との関係を知られる。

蓼沼を殺害

久米の豪華な自宅を借りて美彌と関係を持つ蓮実。蓮実が以前に都立北原高校の教師だったことを釣井から聞いた圭介は、北原高校で連続自殺事件が起きていたことを知る。そんな圭介に、怜花はこれ以上調べないように頼む。ある日、インターネット上の裏掲示板で放火犯と名指しされた蓼沼が、学校で暴れる。美彌は、蓮実が裏掲示板について聞いてきたことを思い出す。蓼沼を酒に誘った蓮実は、蓼沼を殺害する。

蓮実の経歴

圭介は、蓮実の経歴を釣井から聞く。蓮実は、京都大学を中退してハーバード大学に入学、卒業後は名門投資銀行のモルゲンシュテインに入社も2年で退職し、日本で教師になっていた。また、中学の時に両親が殺害され、中学1年の時の担任教師も殺害されていた。2人の会話を、しかけていた盗聴器で聞いた蓮実は、釣井を自殺に見せかけて電車内で殺害する。

圭介を殺害

蓮実が釣井を殺害したことに気づいた圭介を拉致する。圭介を拷問し、他に知っている人物がいないかを聞き出そうとする蓮実だったが、圭介は口を割らないまま殺される。蓮実はアメリカでの過去を思い出す。蓮実はアメリカで、猟奇殺人犯のクレイとパートナーとなったあと、クレイを殺害。投資銀行の社員も殺し、日本に追放されたのだった。

文化祭前夜

美彌に蓼沼の携帯電話を見られた蓮実は、美彌を自殺に見せかけて殺害することに決める。文化祭の前夜、蓮実が担当するクラスの生徒たちは、お化け屋敷の準備で学校に泊まり込む。屋上に美彌を呼び出した蓮実は、美彌の頭を殴って屋上から落とす。美彌を探しに屋上にやって来た女子生徒も殺害する。

計画変更

計画が狂った蓮実は、猟銃で生徒全員を撃ち殺し、久米に罪を負わせることにする。電話で久米を学校に呼び出し、殴って気絶させる。さらに、妨害電波を出して、生徒たちの携帯電話がつながらないようにする。そして、猟銃を持った不審者が侵入したため、屋上に逃げるように校内放送を流す。蓮実を信用できない怜花たちは、屋上に向かわない。

皆殺し

蓮実は生徒たちをショットガンで次々に殺害していく。一方、屋上に向かわなかった生徒たちは、廊下にバリケードを作る。また、アーチェリー部のエースである高木翔は、部室からアーチェリーを持ち出す。屋上に向かっていた生徒たちは、蓮実によってショットガンの餌食となる。蓮実の頭の中には、「マック・ザ・ナイフ」のメロディーが流れている。

ショットガンとアーチェリー

学校から抜け出した翔は、バス停にいるサラリーマンに警察を呼ぶように頼み、自分は両思いの白井さとみを助けに学校に戻る。一方、さとみも翔を迎えにロープで教室からグラウンドに降りる。さとみを見つけた翔は大声で名前を叫んでしまう。声に気づいた蓮実は、翔とさとみを射殺する。そして蓮実は、さとみが使ったロープを登って、生き残った生徒たちのいる教室に姿を現す。

工作

生徒たちは次々に蓮実に殺害され、残ったのは怜花と雄一郎だけになる。避難用のシューターが使われていることに気づいた蓮実は、ショットガンで撃つ。生徒全員を殺したと考えた蓮実は、久米が雅彦と無理心中を図ろうとして生徒全員を道連れにしたと、警察に思わせるように細工する。さらに、久米がショットガンで自殺したように見せかけ、自分に手錠をかける。

逮捕

警察が到着し、生きていた怜花と雄一郎が発見される。シューターに生徒の死体を入れて、蓮実の目を欺いたのだった。さらに、AEDが録音していた音声が証拠となり、蓮実は警察に逮捕される。連行される時に、「神の意志によって実行した」と怜花に語る蓮実。その姿を見た怜花は、蓮実が次のゲームをすでに開始していると感じ取る。