戦艦ポチョムキン

公開年: 1925年
製作国: ソ連
監督: セルゲイ・エイゼンシュテイン
出演: アレクサンドル・アントノフ、ウラジミール・バルスキー、グリゴリー・アレクサンドロフ

「戦艦ポチョムキン」は、ロシア第一革命20周年記念作品として制作された。当初は1905年に起こったロシア第一革命の全体を描く予定だったが、あらかじめ決まっていた公開日（1925年12月24日）に間に合わせるため、戦艦ポチョムキンの反乱のみの内容となった。エイゼンシュテインが提唱していたモンタージュ論が確立された作品としても知られる。

映画史上の重要作品として評価されており、1958年にブリュッセル万国博覧会で発表された「世界映画史上の傑作12選」では1位に選ばれた。1952年にイギリス映画協会の機関誌「Sight&Sound」が発表した「映画批評家が選ぶベストテン」では第4位に選ばれ、2012年の発表でも11位に選ばれている。

人間とウジ虫

第1幕　人間とウジ虫
黒海のオデッサ沖を航行する戦艦ポチョムキン号。船室で眠る若い乗組員が士官にムチで打たれる仕打ちを受ける。翌朝、乗組員たちは、ウジ虫のわいている腐った肉を食事に出されることに不満をもらす。だが、船医のスミルノフは、ウジ虫ではなく死んだハエの幼虫であり、食べるのに問題がないと主張する。船員たちは不平を抱き、食事のスープをボイコットする。

甲板上のドラマ

第2幕　甲板上のドラマ
ボイコットを知った艦長は、乗組員を甲板に集める。スープに満足の者は2歩前に出るように話す艦長は、不満を持つ者は帆桁からつるすと宣言する。前に出なかった者のうち十数名に対し、艦長は銃殺命令を出す。防水シートが十数名の上にかけられ、兵士たちが銃を構える。艦長は発砲を指示するが、兵士たちは撃てない。

反乱

乗組員の1人であるヴァクレンチュクが、銃を構える兵士たちに呼びかけ、兵士たちは銃を下ろす。ヴァクレンチュクを先頭に反乱が起こる。士官たちや船医は船から放り出される。だが、ヴァクレンチュクは士官のギリアロフスキーに撃たれて死亡する。ヴァクレンチュクの遺体は、オデッサの港に立てられたテントに安置される。