不眠症
銃を口に突っ込まれた語り手の男が、過去を振り返る。6カ月前、自動車会社のリコール調査部門で働き、IKEAの家具を買う生活をしていた語り手は、不眠症に悩まされている。絶望的な気持ちを打ち明けた医者に、「がん患者の会に出席している人々こそが絶望を感じている」と聞かされた語り手は、睾丸がん患者の会に行く。そこで、ホルモン治療の影響で胸が大きくなったロバート・ポールセンに抱きしめられた語り手は、涙を流し、自由を感じる。
マーラという女
くせになった語り手は、あらゆる病気の患者の会に出席するようになる。語り手は、自分と同じようにあらゆる患者の会に出席するマーラ・シンガーという女性に気づく。マーラの姿を見ると、語り手の心の平穏は乱され、再び眠れなくなる。ある日、語り手はマーラを呼び出して、顔を合わせないようにするため、それぞれが出席する会を決める。
タイラーという男
世界中を飛び回って交通事故の調査を行う語り手は、ある時飛行機でタイラー・ダーデンという男と出会う。タイラーは石鹸のセールスをする男だった。タイラーと出会ったフライトの後、自宅のマンションに戻ると、自分の部屋で爆発が起こり、持っていたものがすべてダメになったことを知る。途方にくれた語り手は、タイラーの名刺に書かれた番号に電話をする
殴り合い
語り手とタイラーは酒場で酒を飲む。酒場を出たタイラーは、語り手に自分を思い切り殴るように頼む。2人は殴り合い、爽快感を感じる。オンボロで周囲に誰も住んでいない巨大なタイラーの家に住むようになる語り手。また、酒場の駐車場で殴り合いを続けているうちに、それを見た男たちが参加してくるようになる。
シーン 1
物質的に充足した生活を送っているものの、不眠症に悩まされている語り手の男。ある日・・・ 、タイラー・ダーデンという男と、飛行機で隣の席になる。飛行機を降りた語り手は、自宅のマンションが爆発事故で吹き飛んだことを知る。
困った語り手の男は、飛行機で出会ったばかりのタイラー・ダーデンに電話をする。酒場で酒を飲む語り手とタイラー。・・・
マーラからの電話
殴り合いは「ファイト・クラブ」と呼ばれるようになり、酒場の地下に場所を変え、参加者はどんどん増えていく。語り手も他の男たちも、戦っている時には救われている感覚を持つ。ある夜、語り手はマーラからの電話を受ける。睡眠薬を大量に飲んだというマーラの言葉を無視して、語り手は出かける。翌朝、家にマーラがいることに語り手は驚く。電話でマーラの自殺を聞いたタイラーは、マーラを助け出し、家に連れてセックスをしたのだった。
シーン 2
定期的に酒場の庭で殴り合うタイラーと語り手。その様子を見た男たちが集まってくる。・・・ 集まった男たちも殴り合いに参加するようになる。参加する男たちの数は増えていき、酒場の主人の協力で、地下を舞台に殴り合いが繰り広げられるようになる。
いつしか殴り合いの会は「ファイト・クラブ」と名づけられ、タイラー・ダーデンがリーダーとなる・・・
マーラとタイラーのセックス
マーラとタイラーはセックスを続け、語り手をいらつかせる。タイラーは語り手に、タイラーについてのことをマーラに絶対に話さないように厳命する。一方、語り手の元に警察から電話があり、家の爆発は事故ではなくダイナマイトによる爆破によるものであると聞かされる。ある日、語り手は、起きてきたマーラに冷たい態度を取る。マーラは怒って家を出ていってしまう。
石鹸の秘密
タイラーと語り手は、痩身クリニックに捨てられた人間の脂肪を手に入れ、石鹸を作る。脂肪はダイナマイトの原料にもなると、タイラーは語る。ファイト・クラブのルールの書いた紙を見つけた語り手の上司に対し、語り手は口外にしないように話す。路上でロバート・ポールセンと再会した語り手は、ロバートもファイト・クラブのメンバーであることを知る。
シーン 3
石鹸の販売を仕事にしていると話していたタイラー。タイラーの石鹸には秘密があった。・・・ 痩身クリニックから盗み出した人間の脂肪が原料なのだった。人間の脂肪を盗み出したタイラーと語り手は、自宅に戻って石鹸を製造する。突然、タイラーは語り手の手をつかみ、手の甲にキスをし、そこに薬品を振りかける。薬品によって手の甲は焼け、語り手は痛・・・
上司との交渉
酒場の地下に、酒場のオーナーのルーが現れて、ファイト・クラブのメンバー全員に出ていくように話す。反抗するタイラーを殴るルー。タイラーは頭から流れる血をルーに浴びせて脅し、地下を使う許可をもらう。また、タイラーはメンバーに、見知らぬ他人とケンカしてわざと負けるように宿題を出す。語り手は、上司の元を訪れ、会社が危険を認識している車を放置していることを黙っている代わりに、口止め料を要求する。断る上司の前で、語り手は自分自身を殴り、上司に殴られたようにみせかける。語り手は、口止め料を手に入れる。
シーン 4
自動車会社のリコール調査部門で働く語り手は、上司の元を訪れる。上司に対して、重要・・・ な欠陥を認識しつつ販売を続けていることを秘密にして欲しければ、自分を社外コンサルタントにして金を払うように要求する。
語り手の仕事ぶりに不満を感じていた上司は、語り手にクビを命じて警備員を呼ぶ。語り手は自分で自分を殴り始める。自分で自分を・・・
タイラー軍団
タイラーのメンバーへの宿題はエスカレートしていく。一方、マーラが再びやって来るが、語り手の態度に愛想をつかしてまた出ていく。タイラーは、地下にベッドを起き、志願者を受け入れ始める。志願者は次々に増えていき、タイラーの軍団が作られていく。その中には、ロバート・ポールセンや、「エンジェル・フェイス」と呼ばれるハンサムな若い男の姿もある。
騒乱計画
タイラーの軍団は、タイラーが「騒乱計画(プロジェクト・メイヘム)」と名づけた破壊行動を実行していく。計画を邪魔しようとする警察幹部をおどすタイラーたち。計画の内容を聞かされていない語り手は、自分が疎外されているように感じ、「美しいものを破壊したい」という衝動から、エンジェル・フェイスをボコボコにする。タイラーは語り手を乗せて車に乗り、ハンドルから手を離してわざと交通事故を起こす。死を身近に感じさせることで、タイラーは語り手に新たな人生を迎えさせる。
いなくなったタイラー
眠りから目覚めた語り手は、タイラーがいなくなっていることに気づく。家にいる男たちの数は増えている。そんな中、ロバート・ポールセンが作戦中に警官に撃たれて死ぬ。組織を解散させようと考えた語り手は、全国各地にタイラーを探しに向かう。どの場所でもすぐにファイト・クラブの場所を見つけることができるが、タイラーを見つけられない。
タイラーの正体
あるバーのバーテンダーから、自分がタイラー・ダーデンであることを告げられた語り手は、ホテルの部屋からマーラに電話をし、自分とセックスをしたことを確認する。語り手の目の前にタイラーが現れ、タイラーは語り手が思い描いた理想像で、語り手と同一人物であることが分かる。不眠症の語り手が眠っている時は、タイラーとして行動していたのだった。マーラの命が危ないことに気づいた語り手は、マーラを町の外に逃げさせる。
シーン 5
消えたタイラー・ダーデンを探して、アメリカ中を飛び回る語り手。あるバーのバーテン・・・ ダーに「タイラー・ダーデン」の名前で呼ばれて驚いた語り手は、マーラに電話をして自分の名前を聞くと、「タイラー・ダーデン」と言われる。
動揺する語り手の前に、タイラー・ダーデンが姿を現す。どういうことかをタイラーに聞く語り手の頭に、これまで・・・
爆弾の解除
警察に駆け込んだ語り手は、ビルを爆破する犯行計画について話す。だが、警官たちもファイト・クラブの一員だった。警官の銃を奪って逃げた語り手は、爆弾がしかけられたビルに向かう。地下駐車場のバンに積まれたダイナマイトを見つけた語り手は、爆弾を解除する。だが、姿を現したタイラーによって襲われ、気絶してしまう。
ビルの崩壊
ビルの高層階で目を覚ました語り手は、タイラーが自分に銃を突きつけていることに気づく。タイラーは、窓から見えるビルが、間もなく爆発によって崩壊すると話す。タイラーは幻影であり、銃は自分が持っていることに気づく語り手。語り手は自分の口に銃を突っ込んで発砲する。幻影のタイラーは頭を撃たれて死ぬが、語り手は生き残る。ファイト・クラブのメンバーが連れてきたマーラと語り手は、ビルが爆発によって崩壊していく様子を、手をつないで見つめる。
シーン 1
ファイト・クラブ
物質的に充足した生活を送っているものの、不眠症に悩まされている語り手の男。ある日・・・ 、タイラー・ダーデンという男と、飛行機で隣の席になる。飛行機を降りた語り手は、自宅のマンションが爆発事故で吹き飛んだことを知る。
困った語り手の男は、飛行機で出会ったばかりのタイラー・ダーデンに電話をする。酒場で酒を飲む語り手とタイラー。・・・
シーン 2
ファイト・クラブ
定期的に酒場の庭で殴り合うタイラーと語り手。その様子を見た男たちが集まってくる。・・・ 集まった男たちも殴り合いに参加するようになる。参加する男たちの数は増えていき、酒場の主人の協力で、地下を舞台に殴り合いが繰り広げられるようになる。
いつしか殴り合いの会は「ファイト・クラブ」と名づけられ、タイラー・ダーデンがリーダーとなる・・・
シーン 3
ファイト・クラブ
石鹸の販売を仕事にしていると話していたタイラー。タイラーの石鹸には秘密があった。・・・ 痩身クリニックから盗み出した人間の脂肪が原料なのだった。人間の脂肪を盗み出したタイラーと語り手は、自宅に戻って石鹸を製造する。突然、タイラーは語り手の手をつかみ、手の甲にキスをし、そこに薬品を振りかける。薬品によって手の甲は焼け、語り手は痛・・・
人物 1
ファイト・クラブ
俳優:エドワード・ノートン
語り手(ナレーター)は、映画「ファイト・クラブ」の登場人物。大手自動車会社のリコ・・・ ール調査部門に勤務し、IKEAの家具を買うなど物質的には充足した生活を送っている。だが、不眠症に悩まされている。自分が6歳の時に、父が女性と家を出てしまった過去がある。
不眠症で苦しんでいるところを、医者から睾丸がん患者の方が苦しんでいる・・・
人物 2
ファイト・クラブ
俳優:ブラッド・ピット
タイラー・ダーデンは、主人公の語り手の前に現れる謎の男である、映画「ファイト・ク・・・ ラブ」の登場人物。ハンサムでたくましい体つきをしており、セックスも強い。
主人公の語り手が飛行機に乗った時に、隣の席となる。仕事は石鹸販売と語り、ブリーフケースにも石鹸をつめている。他にも映画館の映写技師の仕事をしており、ファミリー向けの・・・
人物 3
ファイト・クラブ
俳優:ヘレナ・ボナム=カーター
マーラ・シンガーは、語り手とタイラー・ダーデンに翻弄される女性である、映画「ファ・・・ イト・クラブ」の登場人物。「死は目の前にある」というのが人生哲学で、「悲劇なのは、自分が死んでいないこと」と考えている。一方で、胸にしこりができた時には、心配になって語り手に電話をかける面がある。ヘビー・スモーカー。他人のコインランドリーの・・・
セリフ・名言 1
ファイト・クラブ
0:04:00頃
物質的には充足した人生を送る語り手だったが、不眠症に悩まされて・・・ いた。そんな語り手が不眠症について語る言葉。オフィスを眺める語り手の視界に、一瞬だけタイラー・ダーデンの姿がサブリミナルで映し出される。・・・
セリフ・名言 2
ファイト・クラブ
0:04:10頃
物質的には充足した人生を送っているが、不眠症に悩まされている語・・・ り手が、企業によって支配されている社会状況について語る言葉。・・・
セリフ・名言 3
ファイト・クラブ
0:09:00頃
不眠症に苦しむ語り手の男は、「睾丸がん患者の会に出席すれば本当・・・ の苦しみがわかる」と医者から言われる。患者の会に出席した語り手は、治療の副作用で胸が大きくなったロバート・ポールセンに抱きしめられた時の言葉。その夜、語り手は久しぶりに熟睡する。・・・
音楽 1
ファイト・クラブ
「Goin' Out West」は、アメリカのミュージシャンであるトム・ウェイツ・・・ による楽曲。「ファイト・クラブ」では、ルーの酒場で流れている(0:41:45頃)。・・・
音楽 2
ファイト・クラブ
「Where Is My Mind」は、アメリカのロックバンド「ピクシーズ」によ・・・ る楽曲。1988年にリリースされた、ピクシーズ」のファーストアルバムに収録されている。「ファイト・クラブ」では、ビルの爆破を語り手とマーラが眺めるクライマックスシーンからエンドロールにかけて使われている(2:15:30頃)。「ファイト・クラ・・・
音楽 3
ファイト・クラブ
「ファイト・クラブ」の音楽を担当したのは、アメリカの音楽集団であるダスト・ブラザ・・・ ース。発売されているサントラ(サウンドトラック)には以下の曲が収録されている。
1.フー・イズ・タイラー・ダーデン?
2.ホームワーク
3.ホワット・イズ・ファイト・クラブ?
4.シングル・サーヴィング・ジャック
5.コーポレート・ワール・・・
キーワード 1
ファイト・クラブ
「ファイト・クラブ」は大きな話題を呼んだものの、評論家からの評価は高いものとは言・・・ えなかった。興行的には失敗に終わり、製作した20世紀フォックスの重役が何人も解雇されたという。だが、2008年にイギリスの雑誌「エンパイア」が実施したアンケートによって選出された「歴代最高の映画ランキング500」では10位に選出されるなど、・・・
キーワード 2
ファイト・クラブ
「ファイト・クラブ」は、アメリカの小説家であるチャック・パラニュークの同名小説を・・・ 映画化したものである。小説はベストセラーとはならなかったが、映画化作品によって注目を集め、パラニュークはカルト的なファンを多く集めた。・・・
キーワード 3
ファイト・クラブ
主人公の語り手の男性は、物質的には恵まれた生活をしているものの、不眠症に悩まされ・・・ ている。医者に相談して苦しみを訴えるものの、医者からは「睾丸がん患者の会に行ってみろ。あそこにあるのが本当の苦しみだ」と言われる。睾丸がん患者の会に出席した語り手は、ホルモン治療で胸が大きくなったロバート・ポールセンという男性の大きな胸に抱・・・