ストーリー・あらすじ紹介　メメント

直近の記憶を失う男

頭に負った外傷の影響で、直近の記憶が失われる男レナード・シェルビー。レナードが覚えていることの1つは、妻を殺害した犯人に復讐するということだった。レナードは、記憶を失う症状に対応するために、大事なことは体に刺青として残し、インスタント写真にメモを書いていた。映画は、時間軸をさかのぼって進行するのと並行して、過去からの物語が時間軸に沿って展開される。

テディを殺害

【現在】モーテルのフロントで、テディという男から話しかけられるレナード。2人は車で町から離れたところにあるさびれた建物に向かう。インスタント写真に書かれたメモに従い、レナードはテディを撃ち殺す。（少し前）モーテルの部屋から出たレナードはフロントのバートと話をする。記憶障害の話をするレナードだったが、その話はすでに何度かしていた。そこに、テディがやって来る。（少し前）レストランから写真に映ったモーテルに戻るレナード。封筒からジョン・ギャメルの免許証の情報と、テディと書かれた免許証と同じ男の写真を取り出したレナードは、テディが妻を殺した犯人と確信し、写真にテディを殺すように書き込む。（少し前）ナタリーとの約束のメモを見たレナードは、レストランにやって来る。ナタリーのメモには協力者であることが書かれている。ナタリーから封筒を受け取るレナード。封筒にはギャメルの免許証情報のほか、さびれた建物の住所も入れておいたという。

ジャンキスの話

【過去】平凡なモーテルの部屋で目覚めたレナードは、太ももに貼られたメモに従い、太ももの毛を剃ろうとする。そこにかかってきた電話に出るレナード。相手が誰か分からないレナードだったが、サミュエル・ジャンキスの話をする。かつて保険の調査をしていたレナードにとって、最初の調査相手がジャンキスだったという。

協力者ナタリー

【現在】（少し前）声をかけてきたテディと食事をしたレナードは、モーテルの鍵がないことに気づく。モーテルのフロントのバートに話し、部屋に案内されるが、覚えていないことをいいことに2つの部屋を貸されていたことを知る。ポケットに入れていたナタリーの写真を見て、約束をしていることに気づく。（少し前）ベッドで目覚め、隣には女性が寝ているが誰かわからない。写真を確認し、ナタリーという名の協力者であることを知る。ジョン・Gについて調査をしてくれるというナタリーから、次の待ち合わせの約束のメモをもらう。外に出たレナードの前にテディが現れる。（少し前）ナタリーの家を訪れるレナードは、トッドと書かれた写真を見せ、自分に何をさせたかを聞く。アザのあるナタリーの顔を見たレナードが助けてくれたと説明するナタリー。さらにナタリーは、恋人のジミーがトッドに会いに行ったまま帰ってこないことを話す。ジョン・Gを見つけたら殺すとレナードから聞いたナタリーは、協力を約束する。レナードはナタリーの写真に協力者であることを書き込む。

ジャンキスの話2

【過去】電話相手にジャンキスの話をするレナード。ジャンキスは交通事故のあと、直近の記憶を失うようになってしまった。医療費の保険が請求されたため、レナードが調査を担当することになった。何度か面談したレナードは、ジャンキスは芝居をしていると考えた。また、ジャンキスにテストを行い、身体的な問題ではなく心理的な問題と結論づけ、保険金は支払われないことになった。心理的な問題と聞いたジャンキスの妻は、ジャンキスを治そうと努力したがよくならなかった。

ドッドという男

【現在】（少し前）モーテルで目を覚ましたレナードは、クローゼットに男が閉じ込められていることに気づく。そこに、レナードが呼んだというテディがやって来る。テディに男を見せ、男がドッドだと知る。ドッドの写真には、「ナタリーに聞け」と書かれている。ドッドを解放したレナードは、ナタリーの元に向かう。（少し前）バスルームで目を覚ましたレナードはシャワーを浴びる。そこにやってきた男を酒瓶で殴って気絶させ、クローゼットに閉じ込め、写真を撮る。自分のメモには、男の名前はドッドでナタリーが知っていること、男を消すことが書かれている。レナードはドッドの写真にメモの内容を書き、電話でテディを呼ぶ。（少し前）ドッドに追われるレナードは、車で逃げ出す。メモに書かれたドッドのモーテルの部屋に入り込む、バスルームで待つ。（少し前）車に乗るレナードは、別の車に乗る男に止められる。車に乗り込んできた男から、レナードは走って逃げる。（少し前）夜。たき火をするレナードは、妻との思い出であるクマのぬいぐるみ、クシ、妻がよく読んでいた本、置き時計を燃やす。朝になり、車に乗って出発する。（少し前）ベッドで目を覚ましたレナードは、バスルームで見知らぬ女性が麻薬を吸っているのを見つけ、出ていくように話す。その後、妻の思い出の物を持って車に乗り込む。

麻薬の売人

【過去】レナードは電話相手にかけ直すように話し、電話を切る。毛を剃った太ももに「事実5　麻薬に接触」と刺青を入れようとしたところで、電話が鳴る。電話相手から、妻を殺した犯人についての情報を聞く。レナードは、入手していた警察の資料に事実をメモしていたが、資料は数ページ抜けていた。電話相手からの情報と警察の資料から、犯人は麻薬のディーラーと考えたレナードは、太ももに「事実5　麻薬の売人」と刺青を入れることにする。

ナタリーの正体

【現在】（少し前）モーテル「ディスカウント・イン」の看板の写真を撮るレナード。部屋でデート・クラブに電話をする。部屋にやって来た女性に、寝ている間にバスルームに入るように頼み、レナードは眠りにつく。レナードが寝たのを確認した女性は、バスルームに入る。（少し前）車に乗ったレナードをテッドが待っている。テッドは、ナタリーが麻薬にかかわっており、付き合っている男は売人だと言い、信用しないように話し、レナードにメモをさせる。だが、テッドの写真に「信用するな」と書いているのを見たレナードは、ナタリーについてのメモを消し、テディが教えてくれた「ディスカウント・イン」に向かう。（少し前）ナタリーの家で筆記用具を探すレナード。そこに顔に傷のあるナタリーが帰ってくる。ナタリーは、「麻薬も金も持っていない。テディが持っていった」とドッドに話したところ殴られたと話す。ドッドの特徴を紙に書かせたレナードは、ドッドの元に向かうために車に乗り込む。（少し前）ナタリーの家にいるレナード。ナタリーが帰ってきて筆記用具を隠す。付き合っているジミーがテディと大金を持って姿を消し、ドッドに自分が金を持っていると疑われていることを話すナタリー。ドッドを殺すように頼まれたレナードがだが、断る。さらにレナードの妻を侮辱したナタリーを、レナードが殴る。だが、記憶を失うことを知っているナタリーは、外に出て車の中で待つ。レナードはメモするために筆記用具を探すが見つからない。（少し前）レナードとナタリーが、ナタリーの家にやって来る。レナードは、妻が襲われた時に2人の男がいたが、警察は信じてくれなかったと話す。レナードは、仕事に戻るために家を出るナタリーの写真を撮る。

「電話には出るな」

【過去】電話相手に再びジャンキスの話をするレナード。ジャンキスを元に戻すことを諦められないジャンキスの妻がレナードを訪ねてきた。妻はレナードに意見を聞き、心理的な要因によるものだという公式の見解を話した。その時、右腕に「電話には出るな」と刺青が彫られていることに気づいたレナードは、相手の名前を聞くと、電話が切れる。再び電話が鳴るがレナードは出ず、フロントに電話をつながないように頼む。フロントのバートが部屋に来て、警官が来ていると話すが、レナードは会うのを断る。

ナタリーとの出会い

【現在】（少し前）バーでナタリーから渡されたビールを飲むレナードを見て、他の客が笑っている。ナタリーから最後の記憶を聞いたレナードは、「妻が死ぬところ」と答える。（少し）バーのコースターの裏に書かれた「あとで来て」というナタリーのメモを見たレナード。バーに現れたレナードに、テディやジミーについて聞くナタリーだったが、レナードは覚えていない。疑うナタリーは、ビールに客やレナードのつばを入れて混ぜる。少しあとに、ナタリーはレナードにつばの入ったビールを出す。（少し前）刺青店にやってきたレナードは、「事実6」として車のナンバーを彫ってもらう。そこに現れたテディから、レナードに麻薬の売人であるジミー・Gの話を吹き込んだ警官が、レナードを追っていると話す。着替えて逃げるように服を渡されたレナードだが、テッドの写真に書かれた「信じるな」というメモを見て逃げる。さらに、上着のポケットに入っているコースターに気づく。

ジミーを殺害

電話が鳴るものの出ないレナード。ドアの下から封筒が入れられる。封筒に「電話に出ろ」と書かれており、封筒の中には笑顔のレナードの写真が入っている。電話に出たレナードは、再びジャンキスの話をする。ジャンキスの妻は、夫にインシュリンの注射をしてもらっていた。妻は夫を試すために、時計を戻して注射の時間が来たと話し、続いて何度も注射させた。許容量を超えたインシュリンを注射されたジャンキスの妻は亡くなったが、ジャンキスは妻の死の記憶がない状態で今も生きているという。レナードは電話の相手の刑事から麻薬の売人のジミーの話を聞き、刑事のいるロビーに向かう。ロビーで待っていたのはテディである。レナードはテディの写真を撮る。テディは本名のギャメルではなくテディと写真に書かせる。2人は車でさびれた建物に向かう。建物で1人となったレナードの前に、テディを探すジミーが現れる。レナードはジミーを殴り、服を脱がせる。ジミーが妻を殺したと考えているレナードは、ジミーを絞め殺し、死体の写真を撮り、ジミーの服に着替える。

真実

テディがやって来るが、レナードはテディのことを忘れている。レナードはテディに銃を突きつけ、ジミーがレナードの探している男であること、麻薬を売ると言って呼び出したこと、そのためジミーの車に20万ドルがあることを聞き出す。さらにテディは、レナードの妻は生き残り、ジャンキスの話としてレナードが話していた物語は、レナード自身の話だと告げる。そして、妻を襲ったジョン・Gは、テディのお膳立てによってすでにレナードが殺していたが、レナードは忘れてしまっていると話す。テディは、ジミーから金を巻き上げるために、レナードがジミーを殺すように仕向けたのだった。

新たな真実

レナードは、テディが話した事実を受け入れないことに決める。テディの写真に「信じるな」とメモを残し、ジミーの死体の写真を燃やす。新しいジョンG探しをするために、テディの車のナンバーを刺青として体に彫ることにする。さらに、ジミーの車の写真を撮り、記憶をなくした時に自分の車だと思うようにする。こうして、レナードは新たにテディを追い始める。再び記憶を失ったレナードは、刺青店の前にいる。