名シーン紹介　少林サッカー

太極拳で饅頭作り

重要な部分に触れている場合があります。

時間：　0:14:55頃

見どころ
・ムイの巧みな手さばき、身のこなし
・思わず歌にせずにはいられないシンの感動
・サッカーボール大の饅頭の生地

少林拳の素晴らしさを世間に広めようと思っているシンは、太極拳で饅頭を作る女性ムイを見かける。ムイは滑らかな手の動きで饅頭の生地をこね上げる。さらには、”柔よく剛を制す”ともいえる身のこなしで、2階から飛んでくる鍋を受け止める。そんなムイを見たシンは驚嘆し、熱い思いを歌にしてムイに伝える。

ムイが達人であることの証明は、体の動き以外でも表現されている。水と粉を混ぜてとろみが出た部分には、「陰陽太極図」が浮かび上がる。丸めた饅頭の生地を、空中に飛ばして、高速度で回転させる。生地は、こねるための台の上でも回転を続け、横に置かれていた卵が引き寄せられて、最後には立つ。隣の建物の2階に住む男がムイに投げた鍋の中に入った硬貨は、ムイが受け止める時に回転したことによって、遠心力で鍋の内側をグルグルと回る。

そんなムイのすごい技を見たシンは、思いを歌にして伝えずにはいられない。シンが歌で伝えなければならない必然性はない。だが、この後に、近くにいた男を始めとして、シンの歌に感化された通りがかりの人たちによる、（若干ショボい）ミュージカル・シーンにつながっていく。その意味では、必然性がある。

と、饅頭作りに見られるような大げささと、ストーリー的には必然性がないが、面白さを求めるためには必要なシーンの連続が、「少林サッカー」のすべてだ。

ムイが吹き出物だらけの顔なのも、「少林サッカー」の特徴である”大げさ”な部分の1つだ。1つ間違うとどこかからクレームが来そうなほど、ムイの顔は吹き出物でいっぱいだ。さらに、ムイの見た目は大胆に変化していくが、決して世間一般の美の観点に合致したものはない。そこには、「おもしろければOK」という精神がみなぎっている。

ちなみに、ムイが巧みな手さばきで空中に飛ばし、台の上で回転する生地の大きさが、サッカーボールと同じくらいであることに注目。これは、クライマックスでのムイの活躍の伏線になっている。

登場人物・キャスト

IMDb

人物 1 少林サッカー

シン

俳優：チャウ・シンチーシンは、少林拳を世に広めることを目的にしている男。サッカーの大会に出場して少林拳・・・を広めることを思いつき、かつて「黄金の右脚」と言われたファンにコーチになってもらい、サッカーチームを結成する。兄弟弟子に声を掛けに行くも、当初は色よい返事をもらえない。だが、考え直した兄弟弟子たちと「チーム少林拳」を結成する。サッカーは・・・

IMDb

人物 4 少林サッカー

ムイ

俳優：ヴィッキー・チャオムイは、饅頭屋の店員で、太極拳の達人。太極拳の技を使って、アクロバティックに饅頭・・・をこねる。顔が吹き出物だらけのため、髪を垂らして顔を隠しているが、シンに「きれいだ」と誉められたことで勇気をもらい、シン好意を抱く。シンに気に入られようと、美容整形をし、化粧も濃くし、派手な服を着てシンに告白するが、あっさりと拒否されて・・・