シッポ

11月3日8時30分頃、無人で漂流するプレジャーボートが東京湾で発見される。東京湾の羽田沖では大量の水蒸気が噴出し、東京湾アクアラインでトンネル崩落事故が起こる。政府が原因究明と対応を協議中に、巨大な生物のシッポが姿を現す。政府は巨大不明生物の正体の調査と、対応の検討を始める。

武力行使命令

巨大不明生物は多摩川から呑川をはいつくばって進み、被害が拡大していく。やがて川から上陸し、建物を壊しながら大田区から品川区へと進んでいく。東京都は住民への自主避難を命じる。政府は巨大不明生物の駆除を決定。災害緊急事態の布告を宣言し、超法規的措置として戦後初の武力行使命令が発動される。

中止される攻撃

巨大不明生物は急激に巨大化し、二足歩行が可能な状態となる。出動した自衛隊のヘリコプターが巨大不明生物に狙いを定めるが、逃げ遅れた住民の姿が発見されたため、総理は攻撃を中止する。巨大不明生物は東京湾へと消えていく。内閣官房副長官の矢口は、初期対応が至らずに被害を拡大したと悔やむ。

巨災対

巨大不明生物の再上陸に備え、矢口をトップとした「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)が設置される。矢口は、アメリカの特使であるカヨコと面会し、学者である牧悟郎の足取りを調べるように頼まれる。牧が無人のプレジャーボートを残して行方不明となったことをカヨコに伝えた矢口は、牧が巨大不明生物を「ゴジラ」と名づけていたこと知る。以後、巨大不明生物は「ゴジラ」と呼ばれるようになる。

ゴジラの正体

カヨコからの情報提供により、ゴジラが海洋不法投棄された放射性廃棄物を食べて変異したことが分かる。さらに、ゴジラの体内には未知の新元素が存在し、DNAの情報量は人類の8倍もあることがわかる。巨災対のメンバーは、ゴジラが大量のエネルギーを血液循環によって冷却していると考え、血液凝固剤を経口投与して凍結させる作戦の検討を始める。

再上陸

再び姿を現したゴジラが鎌倉から上陸する。以前よりもさらに巨大化したゴジラは、川崎に向かう。政府は多摩川を最終防衛ラインとした武力攻撃を命じる。「タバ作戦」と命名された作戦が実行され、自衛隊の総力を尽くした攻撃が行われるものの、ゴジラは止められない。大使館防衛のためにグアムから米軍機が出撃したとの連絡を受け、政府は日米安保条約に基づく支援を正式にアメリカに要請する。

東京消失

ゴジラが都心に現れ、夜の東京は大混乱となる。政府機能を立川に移すことになり、大河内総理大臣らはヘリコプターで向かうことになる。米軍のゴジラ攻撃が始まる。ゴジラは口や背中から炎や紫色の光線を放ち、東京を破壊する。総理が乗り込んだヘリが撃ち落とされ、総理をはじめ11名の閣僚が死亡する。ゴジラの攻撃は急にストップし、東京駅構内で動かなくなる。

立川

政府機能は立川に移され、総理大臣臨時代理に里見が就任する。巨災対は凝固剤によるゴジラ阻止の準備を進めるが、ゴジラの無性生殖による群体化や進化による有翼化の可能性が判明。アメリカは国連安保理に働きかけ、ゴジラへの核兵器使用の容認が決議される。帰国命令が出されたカヨコだったが、日本にとどまる決意をする。

核攻撃が決定

ゴジラが15日後に再び動き出す予測から、2週間後の東京への核攻撃が決定する。東京近辺から360万人の集団疎開が実行される。血液凝固剤プランの実行を進める巨災対では、ゴジラは元素変換能力を持ち、水と空気があれば生きられる存在であることが分かると同時に、血液凝固剤が効かない可能性が出てくる。だが、ゴジラの分子構造を解析した結果、微生物を一緒に投与することで問題は解決される。

攻撃延期

凝固剤の投与に時間がかかるため、東京への核攻撃を1日遅らせる必要が出てくる。政府はフランスに働きかけ、安保理での攻撃延期の決定に成功する。ゴジラへの血液凝固剤投与作戦=「ヤシオリ作戦」の実行が政府によって決定され、アメリカ軍も協力することになる。矢口は現場で作戦を実行する自衛隊員を鼓舞するスピーチをする。

ヤシオリ作戦

ヤシオリ作戦がスタートする。無人の新幹線に爆弾を積んでゴジラに衝突させ、覚醒したゴジラのエネルギーを消費させるために無人航空機を光線で攻撃させる。光線が出なくなったところで、ビルを爆破・倒壊させてゴジラを押しつぶして動けなくし、血液凝固剤を口から投与する。ゴジラは立ち上がり、咆哮するものの、その状態で凍結する。ヤシオリ作戦は成功する。

決意

ゴジラが発した放射性物質の半減期は非常に短く、2,3年で東京は人が住める場所となることが明らかになる。一方、ゴジラが再び動き出した場合、1時間後には核攻撃が行われることとなる。凍結したまま動かないゴジラを見ながら、矢口は事態の収束への決意を新たにする。凍結したゴジラのシッポには、次の形態である人型の生物が誕生しかけていたことが描かれる。

人物 1 シン・ゴジラ

矢口蘭堂

俳優:長谷川博己 矢口蘭堂(やぐち らんどう)は、内閣官房副長官(政務担当)である、映画「シン・ゴ・・・ジラ」の登場人物。代々政治家の家系。理想主義的な面を持ち、自分の意見をはっきりと表明する。内閣総理大臣補佐官の赤坂からは言動をたしなめられたりもする。同期の泉政調副会長とは盟友。 アクアラインのトンネル崩落事故の発生時には、巨大生物の可能・・・
人物 2 シン・ゴジラ

赤坂秀樹

俳優:竹野内豊 赤坂秀樹(あかさか ひでき)は、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)である、映・・・画「シン・ゴジラ」の登場人物。自分の意見をはっきりと口にする矢口に対して、たびたび苦言を呈する。ゴジラの攻撃で総理大臣らが亡くなった後には、臨時政府の内閣官房長官代理に就任する。 現実的な考え方の持ち主で、国連安保理の決議に基づくゴジラへ・・・
人物 3 シン・ゴジラ

カヨコ・アン・パタースン

俳優:石原さとみ カヨコ・アン・パタースンは、アメリカの特使である、映画「シン・ゴジラ」の登場人物・・・。日系三世で、祖母が原爆で被爆したことが語られる。日本語が堪能だが敬語は苦手。父は有力な政治家で、パタースンの名前はアメリカの政治家の中では一目置かれている。40代で大統領となる野心を持っており、日本政府には自分の経歴に汚点が残らないように・・・
セリフ・名言 1 シン・ゴジラ

柳原国土交通大臣「えっ、そうなのか?なら早く言え!」

0:04:30頃 アクアラインのトンネルで崩落事故が発生し、事故現場の海上に水蒸・・・気が噴出する。首相官邸では関係閣僚による会議が開かれる。結論を急ぐ柳原国土交通大臣だったが、気象庁の官僚から否定されていら立ちを見せる。 ・・・
セリフ・名言 2 シン・ゴジラ

大河内総理大臣「議事録が残るんだ。政府に恥をかかせる気か。そんなものがいるわけがないだろう」

0:07:35頃 アクアラインのトンネルで崩落事故が発生し、事故現場の海上に水蒸・・・気が噴出する。原因が不明の中、閣議が開かれる。ネットの動画などから巨大不明生物の存在を疑う矢口だったが、矢口の意見は否定される。 ・・・
セリフ・名言 3 シン・ゴジラ

平岡内閣官房副長官補「それ、どこの役所に言ったんですか?」

0:10:20頃 矢口の考えていたとおり、東京湾に起こった異変は巨大不明生物によ・・・るものと明らかになる。矢口は集められた官僚たちに指示を出すが、どの官庁の官僚に言ったのかが分からず官僚たちは戸惑う姿を見せる。巨大不明生物の出現は想定されておらず、監督官庁が決まっていなかった。 ・・・
音楽 1 シン・ゴジラ

音楽、サウンドトラック

音楽としてクレジットされているのは鷺巣詩郎と伊福部昭。伊福部昭は「ゴジラ」(19・・・54)シリーズの音楽を担当した人物で、「ゴジラ」(1954)などの音楽がゴジラの登場や「ヤシオリ作戦」の遂行の際などで使用されている。鷺巣詩郎は総監督である庵野秀明によるアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の音楽も担当した人物。発売されているサ・・・
キーワード 1 シン・ゴジラ

評価、興行収入

「シン・ゴジラ」には、日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀撮影賞・・・、最優秀照明賞、最優秀美術賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞を受賞したほか、優秀主演男優賞(長谷川博己)、優秀助演女優賞(市川実日子、石原さとみ)に選ばれるなどの評価を受けた。興行的にも82.5億円の興行収入をあげる大ヒットとなり、2016年の・・・
キーワード 2 シン・ゴジラ

ゴジラ、野村萬斎

突如東京湾に現れた巨大不明生物は、研究していた牧が故郷の大戸島に伝わる怪物「呉爾・・・羅」と名づけていたことから「ゴジラ」と呼ばれるようになる。英語では「Godzilla」と呼ばれる。ゴジラの動きは、モーションキャプチャーによって狂言師の野村萬斎の動きが取り入れられている。 第一形態から第四形態までのゴジラが登場する。第一・・・
キーワード 3 シン・ゴジラ

首相官邸、緊急災害対策本部、政府、立川

巨大不明生物の登場によって、政府に緊急災害対策本部が設置され、大河内総理大臣が指・・・揮を取る。関係閣僚が集められて協議が重ねられ、防衛出動などが決定される様子が描かれている。ゴジラが首相官邸に近づいたことから、官邸機能を立川に移すことが決定されるが、立川に移動するヘリに搭乗した大河内総理大臣を始めとする多くの閣僚がゴジラの・・・
作品一覧