新編集局長マーティ・バロン

1976年、マサチューセッツ州ボストン。ゲーガン神父が子どもへの性的虐待で逮捕される。弁護士が迎えに現れ、警官たちは「事件が裁判になることはない」と話している。2001年7月。新聞「ボストン・グローブ」に、マイアミから新しい編集局長のマーティ・バロンが転任してくる。最初の編集会議でバロンは、ゲーガンという神父が30年にわたって幼児への性的虐待を繰り返しており、そのことを教会や枢機卿が隠蔽している可能性を調べるように命じる。

「スポットライト」チーム

ボストン・グローブの調査報道コーナーである「スポットライト」のメンバーが、ゲーガン事件の調査を行うことになる。「スポットライト」の記者は、リーダーのロビーのほか、マイク、サーシャ、マットの4人で、統括責任者はベンである。ロビーとサーシャは被害者と教会の示談を担当したことのある弁護士のマクリーシュに取材に行く。マイクは被害者側の弁護士であるガラベディアンに会いに行く。ガラベディアンは話をしないと語るが、マイクは被害者と会わせてくれるように頼む。

枢機卿へのあいさつ

性的虐待が判明した神父は、別の教区に異動となっていることがわかる。また、ロビーの友人の弁護士であるジム・サリヴァンが、教会側に立って弁護をした事件があったことがわかる。ロビーをジムに事件のことを聞くが、何も話せないと言われる。バロンは枢機卿に着任のあいさつに行く。枢機卿は協力を申し出るが、バロンは新聞社の独立の重要性を語る。

被害者の会「SNAP」

記者たちは、被害者の会「SNAP」のサヴィアノから話を聞く。サヴィアノは問題のある神父の療養施設の療法士であるサイプのことを教えてくれる。一方で、以前に資料をボストン・グローブに送った時には無視されたことを責める。サーシャはサヴィアノが紹介してくれた被害者から、マイクはガラベディアンが弁護を担当した被害者から、それぞれ話を聞く。

年鑑の記載

被害者が弁護士のマクリーシュに相談したことを聞いたサーシャは、マクリーシュの担当した裁判記録が消えていることに気づく。一方マイクの元にサイプから電話で連絡があり、考えられているよりも多くの神父が事件を起こしている可能性を聞く。教会の年鑑を調べたマットは、問題のある神父には「病気療養」などの記載があることに気づく。

サイプの情報

ロビーとサーシャはマクリーシュと会うが、マクリーシュは機密保持契約を理由に教会との示談内容について口を開かない。またロビーはジムに何人の神父の弁護をしたかを聞くが、ジムも口を開かない。スポットライトのメンバーはサイプと電話で話し、ロビーたちが13人と考えていた加害者は、統計的に90人いること、教会が事態を認識していながら隠蔽してきたことを聞く。

マクリーシュ

スポットライトのメンバーは、教会の年鑑に「病気療養」などの記載のある神父を調べ上げ、その数は87人にのぼる。「性的虐待で稼いでいる記事を書く」とマクリーシュを脅して人数を聞き出そうとするロビーだったが、マクリーシュは以前に神父のリストをボストン・グローブに送ったが黙殺されたと話す。マクリーシュは示談にした45人の神父のリストを提供する。

狙いは教会のシステム

バロンは、45人の神父について記事にするのではなく、事件を隠蔽してきた教会のシステムについて調べるように命じる。サーシャとマットは被害者や関係者に話を聞いていく。ボストン・グローブがゲーガン事件の記録の封印解除を求めて起こした裁判が始まる。ガラベディアンはマイクに、裁判で争われている記録は、ガラベディアンが以前に裁判で証拠として提出したため、本来ならば誰でも見られる状態にあるが、教会の圧力で保管庫に記録がないことを話す。また、ボストン・グローブの裁判でガラベディアンが証拠を再提出すれば誰でも見られる状態となることがわかる。
シーン 1

追うのは教会組織のシステム

聖職者による性的虐待について調べることになったボストン・グローブの「スポットライ・・・ト」チーム。被害者や関係者への取材を続けるうちに、当初から分かっていた13人の神父だけではなく、87人もの神父が加害者である可能性が判明する。被害者と教会の示談を行ってきた弁護士のマクリーシュは、ロビーから示談を行った神父の名前を教えるよう・・・
シーン 2

教会がすべてをコントロール

聖職者による性的虐待について調べるボストン・グローブの「スポットライト」チーム。・・・被害者や関係者への取材を続けるうちに、当初から分かっていた13人の神父だけではなく、87人もの神父が加害者である可能性が判明する。編集局長のバロンは、加害者である聖職者個人ではなく、事件を隠蔽してきた教会組織のシステムについて調べるように命・・・

同時多発テロ

2001年9月11日、同時多発テロが起こり、「スポットライト」チームの全員が教会の取材を中断してテロの取材にあたることになる。マイクはガラベディアンに証拠の再提出を待つように頼み、サーシャはサヴィアノに記事の掲載が先になることを説明する。だがガラベディアンが証拠を再提出したために、マイクは取材先のフロリダから急いでボストンに戻る。

証拠入手

ロビーは母校の高校で過去に起こっていた神父による性的虐待の犠牲者から話を聞き、サーシャとロビーの母校に取材に行く。その場には、ロビーの同窓生であるピートも立ち会う。ボストンに戻ったマイクは、ゲーガン事件の証拠のコピーを手に入れる。証拠によって、教会や枢機卿が事件を知っていたことが明らかになる。すぐに記事にするべきと主張するマイクだったが、ロビーは「まだその時ではない」とマイクを説得する。
シーン 3

「今がその時だ!」

聖職者による性的虐待について調べるボストン・グローブの「スポットライト」チームは・・・、87人もの神父が加害者である可能性を突き止める。編集局長のバロンは、加害者である聖職者個人ではなく、事件を隠蔽してきた教会組織のシステムについて調べるように命じ、教会が事件を知っていたことを裏づける裁判記録をマイクが手に入れる。 すぐに・・・

裏取り

6週間後の1月中旬ごろに記事を掲載することが決まる。ピートに呼ばれたロビーは、記事を書かないように脅される。記事にする神父が虐待をしていたことの裏を取るため、ロビーは教会側の弁護士で友人のジムにリストを確認してもらう。最初はロビーを追い返したジムだったが、考えを変えてリストに記載された全員の名前に大きく丸をつける。
シーン 4

記事にしないようにロビーを説得するピート

聖職者による性的虐待について調べたボストン・グローブの「スポットライト」チームは・・・、87人もの神父が加害者である可能性を突き止める。さらに、教会が事件を把握した上で隠蔽工作を行っていたことを裏づける裁判記録をマイクが手に入れる。だがロビーはもっと大きな全体像を調べ上げてから記事にすべきと考えていた。 母校でもあるボスト・・・
シーン 5

リストの確認をジムに頼むロビー

聖職者による性的虐待について調べたボストン・グローブの「スポットライト」チームは・・・、87人もの神父が加害者である可能性を突き止める。さらに、教会が事件を把握した上で隠蔽工作を行っていたことを裏づける裁判記録も手に入れる。 ロビーは、かねてからの知り合いである弁護士のジム・サリヴァンを訪れる。ジムは教会の弁護士であり、こ・・・

掲載の朝

聖職者による性的虐待の記事が掲載された新聞が、ついに発行されることになる。これまでにも大きく取り上げる機会はあったものの、事件の重大さに気づいていなかったことを語るロビー。そんなロビーをはじめとするスポットライトのメンバーの苦労を、バロンがねぎらう。発行日の日曜の朝、多くのクレームが予想されていたが、代表番号の電話は鳴らない。だが、「スポットライト」のホットラインには、被害者や記事に肯定的な人たちからの電話が鳴り止まない。

シーン 1 スポットライト 世紀のスクープ

追うのは教会組織のシステム

聖職者による性的虐待について調べることになったボストン・グローブの「スポットライ・・・ト」チーム。被害者や関係者への取材を続けるうちに、当初から分かっていた13人の神父だけではなく、87人もの神父が加害者である可能性が判明する。被害者と教会の示談を行ってきた弁護士のマクリーシュは、ロビーから示談を行った神父の名前を教えるよう・・・
シーン 2 スポットライト 世紀のスクープ

教会がすべてをコントロール

聖職者による性的虐待について調べるボストン・グローブの「スポットライト」チーム。・・・被害者や関係者への取材を続けるうちに、当初から分かっていた13人の神父だけではなく、87人もの神父が加害者である可能性が判明する。編集局長のバロンは、加害者である聖職者個人ではなく、事件を隠蔽してきた教会組織のシステムについて調べるように命・・・
シーン 3 スポットライト 世紀のスクープ

「今がその時だ!」

聖職者による性的虐待について調べるボストン・グローブの「スポットライト」チームは・・・、87人もの神父が加害者である可能性を突き止める。編集局長のバロンは、加害者である聖職者個人ではなく、事件を隠蔽してきた教会組織のシステムについて調べるように命じ、教会が事件を知っていたことを裏づける裁判記録をマイクが手に入れる。 すぐに・・・
人物 1 スポットライト 世紀のスクープ

マイク・レゼンデス

俳優:マーク・ラファロ マイク・レゼンデスは、ボストン・グローブの記者で「スポットライト」チームの一員で・・・ある、映画「スポットライト 世紀のスクープ」の登場人物。実在の人物。カトリックの司祭による性的虐待事件を追う。ポルトガル系、元タクシー運転手。既婚だが、仕事が忙しいこともあり妻とは別居中。 被害者側の弁護士であるガラベディアンの取材を担当・・・
人物 2 スポットライト 世紀のスクープ

ウォルター・“ロビー”・ロビンソン

俳優:マイケル・キートン ウォルター・“ロビー”・ロビンソンは、ボストン・グローブ紙の調査報道チームである・・・「スポットライト」のリーダーである、映画「スポットライト 世紀のスクープ」の登場人物。実在の人物。社内の信頼を得ているのみならず、ボストンの有力者の知人も多い。有力者へも鋭く切り込み、取材の手を緩めることはない。 新しく編集局長となったバ・・・
人物 3 スポットライト 世紀のスクープ

サーシャ・ファイファー

俳優:レイチェル・マクアダムス サーシャ・ファイファーは、ボストン・グローブの記者で「スポットライト」チームの一・・・員である、映画「スポットライト 世紀のスクープ」の登場人物。実在の人物。カトリックの司祭による性的虐待事件を追う。既婚者で夫や祖母と暮らしている。祖母は敬虔なカトリック教徒で、たまに祖母とミサに行っていたが、事件の調査を進めるにしたがってミ・・・
セリフ・名言 1 スポットライト 世紀のスクープ

ベン「教会は訴えられたと考えますよ。誰もがそう考える」

0:10:50頃 ボストン・グローブの新編集局長となったバロンは、神父による性的・・・虐待について掘り下げるように編集部に命じる。方法として裁判記録の封印解除を申し立てるように話すバロン。編集部の重鎮であるベンは、バロンのやり方に懸念を示す。 ・・・
セリフ・名言 2 スポットライト 世紀のスクープ

ガラベディアン「とにかく記録はやめて欲しい。どんな方法でもだ」

0:20:35頃 聖職者による性的虐待の被害者の側に立つ弁護士であるガラベディア・・・ンは、偏屈で知られていた。話を聞きに訪れたマイクに対しても、記録をしないように求めた上で、何も話さないと語る。手こずりながらも、マイクはガラベディアンの信頼を得ていく。 ・・・
セリフ・名言 3 スポットライト 世紀のスクープ

ガラベディアン「教会は何世紀も存在してるんだぞ。君のところの新聞が勝てると?」

0:20:55頃 マイクは、聖職者による性的虐待の被害者側に立つ弁護士であるガラ・・・ベディアンに話を聞きにやって来る。何も話さないというガラベディアンだったが、マイクは食い下がる。マイクの姿に、かたくななガラベディアンの態度は徐々に変わっていく。 ・・・
音楽 1 スポットライト 世紀のスクープ

きよしこの夜(Silent Night)

「きよしこの夜(Silent Night)」は、有名なクリスマス・キャロル。「ス・・・ポットライト 世紀のスクープ」では、原稿の初稿の締め切りが近づく中、取材や原稿執筆が進められるシーンや、教会の聖歌隊である少年少女が歌う様子をマイクが見つめるシーンで使われている(1:46:00頃)。 ・・・
音楽 2 スポットライト 世紀のスクープ

音楽

「スポットライト 世紀のスクープ」の音楽を担当しているのは、カナダの作曲家である・・・ハワード・ショア。ともにアカデミー作曲賞を受賞した「ロード・オブ・ザ・リング」(2001)と「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(2003)、アカデミー作曲賞にノミネートされた「ヒューゴの不思議な発明」(2011)のほか、「セブン」(19・・・
キーワード 1 スポットライト 世紀のスクープ

評価

「スポットライト 世紀のスクープ」は高い評価を受け、アカデミーでは作品賞と脚本賞・・・の2部門を受賞し、編集賞、助演男優賞(マーク・ラファロ)、助演女優賞(レイチェル・マクアダムス)、監督賞にノミネートされたほか、多くの賞を受賞した。 ・・・
キーワード 2 スポットライト 世紀のスクープ

ボストン・グローブ、スポットライト

カトリック司祭の性的虐待事件を調査し、教会の隠蔽までを記事としたのは、「ボストン・・・・グローブ」の「スポットライト」欄である。ボストン・グローブはマサチューセッツ州ボストンで最大の発行部数の新聞で、「スポットライト」は調査報道を掲載する欄である。ボストン・グローブは、2002年の調査報道でピューリッツァー賞の公益部門賞を受・・・
キーワード 3 スポットライト 世紀のスクープ

ボストン

「スポットライト 世紀のスクープ」の舞台となるのはボストンである。ロビーはボスト・・・ン生まれで、ボストン・グローブの社屋の向かいにあるボストンカレッジ高校を卒業した。住民の半数がカトリックという土地柄で、教会が強い影響力を持っている。教会を本気で相手にしようと考えるのは、外部から来た人間であるバロンやガラベディアンであるこ・・・
作品一覧