ストーリー・あらすじ紹介　グリーンマイル

エレインとの会話

老人ホームに入所するポール・エッジコムは、小麦畑で少女の捜索をする人々の夢を見る。目を覚ましたポールは、いつもと同じようにトーストを2枚もらい、森の中にある小屋に向かう。他の入所者とテレビを見ているポールは、映画「トップ・ハット」でフレッド・アステアが歌う「Cheek to Cheek」を聞くと、涙を流して席を外す。心配する友人のエレインに、ポールは死刑囚監房の看守をしていた1935年の話を始める。

ジョン・コーフィの入所

死刑囚監房の主任を務めている若き日のポール。同僚にはブルータス、ディーン、ハリー、パーシーがいる。一方で、重度の尿路感染症に悩まされている。ある日、新しい死刑囚ジョン・コーフィーが入所する。ジョンを監房に連れてきたパーシーの不遜な態度に、ポールはパーシーに外に出るように命じる。命令が気に入らないパーシーは、にやけた表情で見ている囚人のエデュアールの指を警棒でたたいて折る。ジョンは巨体だが、暗闇におびえるおとなしい男である。

愚かなパーシー

ポールは記録を読み、ジョンは2人の少女を殺害して有罪となったことを知る。ジョンが発見された時、両腕に血まみれの少女を抱えて、「元に戻そうとしたが、遅すぎた」と言っていたという。そこに現れた所長のハル・ムーアズが、死刑囚の1人ビターバックの死刑執行命令を伝える。さらに、パーシーがおばである知事夫人に連絡をしたため、知事夫人から苦情が来たことを伝える。愚かなパーシーは看守の仕事に向いていないと考えているポールに対し、ハルはパーシーが精神病院への異動を希望しており、死刑を見れば異動するだろうと話してなだめる。また、ハルは妻メリンダの頭痛が治らず、病院で検査を受けると話す。

ネズミが登場

ブルータスが、監房でネズミを発見する。ネズミは、荷物置き場に使われている拘禁室に入っていく。ポールたちは、拘禁室の中の物をすべて出してネズミを探すが見つからない。その後、パーシーがネズミを見つけて殺そうとするが、ネズミは再び拘禁室に逃げていく。パーシーが、興奮しながら拘禁室の中の物を出してネズミを探す。パーシーが落ち着いた後、ポールは受刑者を興奮させるようなことはやめるように注意する。パーシーはコネをチラつかせて脅すが、ポールは今度同じように脅すようなことがあったら、タダではおかないとパーシーに言い放つ。

ビターバックの処刑

ビターバックの電気イスでの処刑のリハーサルが行われる。パーシーは、電気の通りをよくするために、処刑される人物の頭にぬれたスポンジを乗せることを知る。ビターバックの処刑はとどこおりなく行われる。処刑後、処刑の指揮を取らせてくれたら精神病院に異動すると、パーシーはポールに話す。一方、死刑囚のエデュアールは、ネズミにジングルズと名前をつけて飼いならし、糸車を押す芸を仕込む。

悪化する尿路感染症

所長のハルに呼び出されたポールは、新しい死刑囚ウィリアム・ウォートンが入所することや、ウォートンは問題児であることを聞く。さらに、ハルの妻が脳腫瘍だったことを知る。ハルは疲れ果てている。その夜、ポールは尿路感染症が悪化していることが分かり、病院に行く決意をする。

ジョンの癒やしの力

新しい死刑囚のウォートンが到着する。薬でうつろなフリをしていたウォートンは、看守に襲いかかり、ポールの股間を蹴り上げる。ブルータスがウォートンを殴り混乱は収まるものの、ポールは床に倒れ込んで動けなくなる。そんなポールを近くに呼び寄せたジョンは、ポールの体を引き寄せ、股間に手を添える。ポールから手を放したジョンは、苦しみながら口から黒い胞子のようなものを吐き出す。ポールの尿路感染症は治り、自宅に帰って徹夜で妻のジャンと愛し合う。

ハマースミス

翌日、ポールはジョンを弁護したハマースミスに話を聞きに行く。ジョンが無実ではないかと話すポールに対し、ハマースミスはジョンが犯人であることは間違いないと答える。ポールは妻が作ったコーンブレッドを、尿路感染症を治してくれたお礼にジョンに贈る。一方、ウォートンはたびたびトラブルを起こすために何度も拘禁室に入れられる。

ジングルズを元に戻す

エデュアールの処刑が近づく。パーシーが処刑の指揮を取ることになり、リハーサルが行われる。リハーサルの後、ウォートンに捕まり股間を触られたパーシーは、小便を漏らす。その後、ポールとブルータスが、エデュアールに処刑を告げる。ネズミのジングルズを心配するエデュアールに、ポールたちはネズミ園に連れて行くと約束をする。話をしている途中に鉄格子の外に出てしまったジングルズを、パーシーは足で踏みつぶしてしまい、エデュアールは嘆き悲しむ。ジングルズを手にとったジョンは手に包み込んで生き返させ、口から黒い胞子のようなものを吐き出す。ポールはパーシーのもとに行き、エデュアールの処刑を担当したら、精神病院に転属するように脅す。パーシーは同意する。

エデュアールの処刑

エデュアールの処刑が行われる。パーシーは、エデュアールにネズミ園などないと言ったうえに、わざと頭にぬれたスポンジを乗せずに電気を流す。エデュアールは苦しみ、果ては燃え上がる。室内にはエデュアールの絶叫がこだまし、肉が焼ける臭いが充満する。エデュアールの苦しみはジョンにも伝わり、ジングルズは逃げ出してしまう。苦しみの果て、エデュアールは息絶える。処刑後、パーシーはブルータスに殴られ、所長にはスポンジをぬらすことは知らなかったと言い訳をする。パーシーを精神病院に異動させるため、ポールはパーシーの言い訳を受け入れる。

計画変更

ポールと妻のジャンは、所長のハルの自宅を訪ね、メリンダの病状を知る。ポールは、同僚を食事に招待し、癒やしの力があるジョンをハルの自宅に連れていき、メリンダの病気を治す計画を話す。計画は実行に移され、ウォートンを睡眠薬入りの飲み物を飲ませて眠らせ、パーシーは拘禁室に入れられる。ジョンを監房から出した時、眠っていたはずのウォートンが、ジョンの腕をつかむ。腕をつかまれたジョンは、ウォートンが悪人であると分かり、苦しげな表情を浮かべる。ウォートンは再び眠りに落ちる。

メリンダを癒やす

ジョンを連れたポールたちが、ハルの家に到着する。ハルは驚きながらも、ジョンを自宅に入れる。ジョンがメリンダの口から白いモヤのようなものを吸い込むと、メリンダは元気になる。メリンダはコーフィに聖クリストファーのお守りを贈る。ジョンは前のように胞子を吐き出さず、具合が悪そうな様子のまま、刑務所に戻る。

ウォートンの正体

刑務所に戻ったポールたちは、パーシーを拘禁室から出す。パーシーを捕まえたジョンは、口から黒い胞子を吐き出し、パーシーの口の中に送り込む。パーシーは、うつろな姿でウォートンの房に近づき、パーシーをののしるウォートンを銃で撃ち殺し、口から黒い胞子を吐き出す。パーシーに胞子を送り込んだ理由を聞くポールに、ジョンはウォートンとパーシーが悪い人間だからと答える。ウォートンがジョンの腕を握った時、ジョンが殺したとされている少女たちを殺したのはウォートンだったとわかったのだった。ジョンの手を握ったポールにも、そのことが伝わる。

「トップ・ハット」

ジョンの無実が分かったポールだが、ジョンのために何もできないことに苦悩する。ポールと話をしたジョンは、世界中の苦しみを感じることに疲れたため、処刑は親切な行為になると話す。最後の望みとして、映画を見たことがないジョンに、ポールはフレッド・アステア主演の映画「トップ・ハット」を見せる。

ジョンの処刑

ジョンの処刑の日になる。見物人の憎悪におびえるジョンに、ブルータスは自分たちを感じるように話して落ち着かせる。暗闇が怖いジョンは、フードをかぶせないようにポールに頼む。執行をためらうポールだったが、ジョンと握手をして執行を宣言する。ジョンは処刑される。処刑後、ポールとブルータスは、少年更生施設に異動する。

長いグリーンマイル

話を終えた老人のポールに、エレインはポールの年齢が合わないことを指摘する。ポールはエレインを森の小屋に連れていき、高齢のジングルズを紹介する。ジングルズはエデュアールが処刑された時に、ポールはジョンに腕をつかまれた時に、ジョンから長寿を授かっていたのだった。ポールはその時すでに108歳だった。妻や息子たちの死を見届けてきたポールは、エレインの死も見届ける。ポールは人生をあまりにも長く感じながら、眠りにつく。