ストーリー・あらすじ紹介　イミテーション・ゲーム／エニグマと天才数学者の秘密

泥棒

イギリス、マンチェスター。1951年。ケンブリッジ大学の教授であるアラン・チューリングの自宅に泥棒が入る。ロバート・ノック刑事が捜査に訪れるが、チューリングは「何も盗まれていない」と話して追い返す。ノック刑事は、チューリングが何かを隠していると考える。一方、秘密情報組織であるMI6のスチュアート・ミンギスの元に、チューリング宅の泥棒の件が報告される。

ブレッチリー・パーク

1939年のロンドン。イギリスとドイツが開戦する。27歳でケンブリッジ大学のフェローとなっているチューリングが、デニストン中佐が指揮するブリッチリー・パークの研究所に呼ばれる。チューリングはヒュー・アレクザンダーをリーダーとする、ドイツの暗号機エニグマの解読チームに加わる。だがチューリングは、他のメンバーとは距離を置き、1人でエニグマを解読するための機械を作り始める。

ジョーン・クラークの採用

1951年。チューリングについて調べるノック刑事は、チューリングの軍歴が機密扱いであることを知る。1939年。チューリングは暗号解読機のための予算が認められなかったため、チャーチルに直訴の手紙を書く。その結果、チューリングはチームのリーダーとなる。2人をクビにしたチューリングは、補充のためにクロスワードが得意な人々をテストし、女性のジョーン・クラークが採用される。

クリストファー

1929年。学生時代にいじめられていたチューリングは、友人のクリストファーに助けられる。2人は親しくなっていき、クリストファーはチューリングに暗号についての本を勧める。2人はやがて愛し合うようになる。1940年。両親に反対されたジョーンが採用を辞退する。チューリングはジョーンの実家に向かい、女性たちと一緒の職場であるとウソをついて、両親を納得させる。

チューリングのジョーク

チューリングの暗号解読機は成功せず、チームのメンバーはいら立つ。チューリングは持ち出し禁止の資料をひそかにジョーンに渡して、ヒントをもらおうとする。そんな中、ソ連のスパイが内部にいるという疑惑が持ち上がる。チューリングが疑われるが、調べられても何も出てこない。チューリングは、研究を進めるためにもチームのメンバーと親しくするように、ジョーンからアドバイスを受ける。チューリングは、チームのメンバーにリンゴをプレゼントし、ジョークを言う。

開発中止の危機

1941年。ヒューのアイデアもあり、暗号解読機が完成される。解読機は動くものの、時間がかかりすぎる。そのことを知ったデニストン中佐は、解読機の開発を中止してチューリングをクビにしようとするが、ヒューたちが自分たちも一緒にクビにするようにデニストン中佐に迫り、1カ月の猶予が与えられる。1951年。警察はチューリングが男娼と関係を持っており、泥棒に入ったのは男娼だったことを突き止める。

婚約

1941年。未婚のジョーンを心配する両親の命令で、ジョーンは研究所をやめることになる。そのことを知ったチューリングは、ジョーンに結婚を申し込む。だが、チューリングはチームのメンバーであるジョン・ケアンクロスに同性愛であることを打ち明ける。同性愛は違法であり、ジョーンには秘密にしておくようにアドバイスされる。1951年。同性愛の罪で逮捕されたチューリングを、ノック刑事が尋問する。チューリングは戦時中の出来事を話し始める。

ついに解読に成功

解読機を高速化できずに悩むチューリングは、ジョーンの友人のヘレンから、メッセージの最初に必ず恋人の名前を入れるドイツ兵の話を聞く。そのことから暗号文に必ず入る言葉をあらかじめ指定することで、計算速度を短縮することを思いつく。「天気」と「ハイル・ヒットラー」の文字をあらかじめ指定することで、ついに解読機は解読に成功する。

暗号の扱い

解読がドイツに知れると暗号を変えられてしまうため、チューリングたちはMI6のミンギスに相談し、暗号解読は軍にも秘密にされることになる。MI6は、ドイツ軍に知られないようにしながら効果的に攻撃を行うために情報を整理し、エニグマとは別の情報源を発表する。一方、チームのジョンがソ連のスパイであることに気づいたチューリングだが、ジョンにチューリングが同性愛者であることをネタに、スパイのことを秘密にするように脅される。

婚約解消

自分が監視されていると感じるようになったチューリングは、ある日ミンギスと話をする。ミンギスはジョンがソ連のスパイと知りながら、ソ連に情報を流すためにそのままにしていたことを明かす。さらに、アランにこれまで同様に協力を求め、協力しなければジョーンが傷つくことをほのめかす。危険を感じたチューリングは、ジョーンに自分が同性愛であることを告白し、婚約破棄を告げる。ブレッチリーから去るように話すチューリングだったが、ジョーンは仕事を絶対にやめないと反論する。やがて、戦争が終結する。