滝藤賢一「人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りに」 武正晴らも 「トゥルーノース」鑑賞コメント

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滝藤賢一「人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りに」 武正晴らも 「トゥルーノース」鑑賞コメント

 生存者証言を参考に北朝鮮強制収容所の内情を3Dアニメーションで描いた映画「トゥルーノース」が、6月4日から劇場公開される。このたび、一足先に本作を鑑賞した著名人によるコメントが公開された。

 俳優の滝藤賢一は「この理不尽極まりない地獄から 人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りにしてくる。人間は素晴らしいよ!」とコメント。「アンダードッグ」「百円の恋」の武正晴監督は「誤った国家による被害者が加害者となっていく描写に身震いした。少年少女達の収容所での成長譚に救われた。映画とは人を救うために創られることを再認識した。清水ハン栄治監督の偉業は余りにも尊い」と称賛。「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」の豊島圭介監督は「監督は北朝鮮の強制収容所にいる12万人を本気で救おうとしている。そのために彼が選んだのは『超一流のエンターテイメントを作る』という方法だった。心を揺さぶられまくりました」と熱い感想を寄せている。

 「トゥルーノース」は、ドキュメンタリー映画「happy - しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーを務めた清水ハン栄治の初監督作品。在日コリアン4世の清水監督が、実際に収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い、10年もの歳月をかけて作り上げた。強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆やユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが描かれている。アニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威あるアヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネートされるなど、海外の映画祭で高く評価された。

【コメント】 ※敬称略・順不同

■滝藤賢一(俳優)"
ずば抜けた映画だ。
この理不尽極まりない地獄から 人間がいかに神秘的な生物か 浮き彫りにしてくる。人間は素晴らしいよ! 

■武正晴(映画監督)
誤った国家による被害者が加害者となっていく描写に身震いした。少年少女達の収容所での成長譚に救われた。
映画とは人を救うために創られることを再認識した。清水ハン栄治監督の偉業は余りにも尊い。
どうかお子さんを連れて劇場で家族と観て頂きたい。

■熊切和嘉(映画監督)
苛烈の隙間に見えた満天の星空と、壁に貼られた花びらの鮮やかさ。
自分がいかに大切なことから目を逸らして生きているかを思い知らされた。 

■李闘士男(映画監督)
この映画からは、ミステリーや感動や笑いなどは味わえないだろう。
ただ、ただ心が震えるに違いない  

■深作健太(映画監督・演出家)
アウシュヴィッツへ行った。 カンボジアのトゥールスレンでも同じ光景を見た。 
〈国家〉という言葉の愛おしさと恐ろしさを、僕たちは考え続けなくてはならない。

■豊島圭介(映画監督)
監督は北朝鮮の強制収容所にいる12万人を本気で救おうとしている。
真実を伝え、人々を動かそうとしている。そのために彼が選んだのは「超一流のエンターテイメントを作る」という方法だった。
心を揺さぶられまくりました。  

■石丸次郎 (ジャーナリスト)
「夕焼け小焼けの赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か…」
北朝鮮で、それも収容所の中で日本語の歌なんて? いえいえ、十分あり得ることなのです。 

■藤津亮太(アニメ評論家)
取材を踏まえた「重さ」と物語の「力強さ」がしっかりと組み合わさって、現実の冷酷さとその先の光を描き出した一作だ。

■佐々木俊尚(ジャーナリスト)
凄惨きわまりない状況を描く圧倒的なリアリティ。しかし、それでも人間性を最後に信じていこうという希望。
そのふたつが両立している稀有な作品でした。

■尾原和啓(IT批評家)
本当にあるなんてと信じられないほど過酷な現実だからこそ、没入を誘うヒューマニティあふれるストーリーが観客を主体者にかえていく 

■中山治美(映画ジャーナリスト)
「愛の不時着」にハマった人は必見!
あの世界をより深く理解するためにも、知らねばならない真実がここにある。 

■矢田部吉彦(元映画祭ディレクター)    
知られざる凄惨な現実を前向きなエンターテイメントに昇華させた、実に貴重な作品だ。
伝えねば!という監督の強い思いが胸に突き刺さる。

【作品情報】 
トゥルーノース
2021年6月4日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
配給:東映ビデオ
(C)2020 sumimasen

  • 作品

トゥルーノース

公開年 2020年
製作国 日本、インドネシア
監督  清水ハン栄治
出演  (声)ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス、エミリー・ヘレス
作品一覧