四肢軟骨無形成症の青年が遺した性の記録 「愛について語るときにイケダの語ること」劇場公開決定

映画スクエア

四肢軟骨無形成症の青年が遺した性の記録 「愛について語るときにイケダの語ること」劇場公開決定

 四肢軟骨無形成症(ししなんこつむけいせいしょう)の青年、池田英彦の初主演・初監督にして遺作となった「愛について語るときにイケダの語ること」が、6月25日より劇場公開されることが決まった。

 「愛について語るときにイケダの語ること」は、四肢軟骨無形成症で身長100センチの池田英彦について描かれた作品。スキルス性胃がんのステージ4の宣告を受けた池田は、生きているうちにセックスをたくさんしたいと考え、その過程でカメラを回し始める。撮影の楽しみを覚えた池田は、自分の姿を映画することを考え、20年来の親友である脚本家・真野勝成を巻き込み、虚実入り乱れた映画の撮影を始めた。池田は2年間の闘病後に永眠。あとには  池田が「作品」と呼んだ、不特定多数の女性とのセックスを記録した映像をはじめとする、60時間を超す素材が遺された。

 「僕が死んだら必ず映画館で上映してほしい」と語っていた池田の遺志を受け継いで映画を完成させたのは、池田の親友で、「相棒」などの脚本を手掛ける真野勝成。「ナイトクルージング」などのの監督作がある佐々木誠が編集を手掛け、断片的な素材を58分にまとめあげた。

 公開決定にあわせて、脳性麻痺患者の姿を赤裸々に捉えた「さようならCP」などのドキュメンタリーを手掛けてきた原一男と、エッセイスト/漫画家の能町みね子からのコメントも公開された。原は「一見スキャンダラスに見えるが、実は優れて知的冒険心に満ち、精神の働きの充実さを示す、生きた証なのである」とコメント。能町は「いかんともしがたい醜さやかわいさが体というものから濃密に匂ってくる」と本作について語っている。

【コメント全文】

■原一男(映画監督)

主人公は四肢軟骨不形成症、いわゆるコビト。
その彼が自らのセックスを我が身を晒して撮ると決める。
一見スキャンダラスに見えるが、実は優れて知的冒険心に満ち、精神の働きの充実さを示す、生きた証なのである。

■能町みね子(エッセイスト/漫画家)

いかんともしがたい醜さやかわいさが体というものから濃密に匂ってくる。
心と体を分けて、体はただの入れものだとするという考え方、私は最近あまり好きじゃない。厄介な奴だけど、体は切り離せない自分の一部である。

■真野勝成(本作プロデューサー/脚本家)

本作の監督・主演の池田英彦は2015年10月25日に他界しています。
生来、四肢軟骨無形成症(通称コビト症)という障害を持っていた池田は最後に何を遺したかったのか? 映画の内容はセックスと愛をめぐるものです。
なぜ自分の性愛を映画にしたのか?池田は自分に対する人の優しさに対して、どこか苛立っていたようです。善意と偽善の境界線は曖昧で、池田はそれを問い詰めたりしたことはありませんが、自分を「善なるもの」に押し込めようとする何かに対して、自分の闇を叩きつけたいという衝動が人生の最後に爆発したのだと思います。奇しくも東京パラリンピックとほぼ同時期に公開になった本作は「こんな奴も生きていた」という本当の意味の多様性を見せてくれる作品だと思います。

【作品情報】
愛について語るときにイケダの語ること
2021年6月25日(金)よりアップリンク吉祥寺にてロードショー!
配給:ブライトホース・フィルム
©2021 愛について語る時にイケダが語ること

新着コンテンツ