カナダの人里離れた森 世捨て人の老人たち描く 「やすらぎの森」監督メッセージ&本編映像公開

映画スクエア

 80代の男女を主人公に、人生の晩年の生き方をテーマにした映画「やすらぎの森」から、ケベックを拠点に活躍するジョスリーヌ・ソシエの原作小説に感銘を受け、繊細な世界観を映画として作り上げたルイーズ・アルシャンボー監督のメッセージ映像と、本編映像が公開された。

 メッセージ映像でアルシャンボー監督は、「こんにちは」とにこやかに日本語であいさつ。撮影について「電気も水道もない森の中で映画を作ることはかなり冒険だった」「今までで最も美しく愛すべき経験のひとつ」と振り返っている。また、本作が遺作となったマリー・デネージュ役のアンドレ・ラシャペルについても触れ、ラシャペルが「この映画に出演したことで若返り、生き返った」と語っていたことを明かしている。最後は、「ケベックの森に入って、少し奇妙で人間的な人々に会ってください」と、日本の観客にメッセージを寄せている。

 あわせて公開された本編映像では、「みなさん、さようなら」に主演したレミー・ジラール演じる世捨て人のトムが、カナダを代表するシンガーソングライターであるレナード・コーエンの「バード・オン・ザ・ワイヤー」の弾き語りする姿が収められている。親友のチャーリーと衝突したあとに続くこのシーンで、少し気性の荒いトムの感情と歌詞がリンクしている。

 「やすらぎの森」は、カナダ・ケベック州の人里離れた深い森を舞台にした作品。湖のほとりにたたずむ小屋で暮らす年老いた世捨て人たちの元に、80歳の女性ジェルトルードが訪れる。少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていたジェルトルード。マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出すジェルトルードだったが、森の日常を揺るがす出来事が起こる。

カナダの人里離れた森 世捨て人の老人たち描く 「やすらぎの森」監督メッセージ&本編映像公開

【作品情報】
やすらぎの森
2021年5月21日(金)、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
配給:エスパース・サロウ
© 2019 les films insiders inc. une filiale des films OUTSIDERS inc.

  • 作品

やすらぎの森

公開年 2019年
製作国 カナダ
監督  ルイーズ・アルシャンボー
出演  アンドレ・ラシャペル、ジルベール・スィコット、レミー・ジラール
作品一覧