ストーリー・あらすじ紹介　時計じかけのオレンジ

ミルクバー

麻薬の入ったミルクを飲みながら、ミルクバーで今夜の計画を考えているアレックス。夜になり、仲間のジョージー、ディム、ピートと出かけ、ホームレスの老人に暴力を振るう。その後、使われなくなった劇場で、女性を暴行しようとしている、ライバルのビリーボーイの一味と大乱闘になる。パトカーの音が聞こえてきたことから、スポーツカーのデュランゴ95に乗って、田舎への道を暴走する。

暴行

田舎の家に住む作家夫婦の家に入り込んだアレックスたち。仮面をつけたアレックスは、「雨に唄えば」を歌いながら、作家のアレグザンダーを暴行する。さらに、アレグザンダーを縛りつけ、作家の妻をレイプする様子を見せつける。クタクタの状態でミルクバーに戻ったアレックスたちは、女性がベートーベンの第九を歌うのを聞く。バカにするディムをツエで打ちつけて黙らせるアレックス。アレックスはベートーベンのファンだった。自宅に帰ったアレックスは、再び第九を聞きながら、暴力的な映像を頭に思い浮かべ、うっとりとする。

ナンパ

翌日、頭痛がするとして学校をズル休みするアレックス。両親は、アレックスに対して口を出さない。ようやく起きたアレックスの元に、監察官のデルトイドがやってくる。アレックスが悪さをしていると疑うデルトイドは、アレックスに警告する。レコード店で2人の女性をナンパしたアレックスは、2人と自宅で繰り返しセックスをする。

逮捕

ジョージーたちが自分に不満を持っていることに気づいたアレックス。ジョージーを殴りつけ、ディムの手をナイフで切り、再び自分がリーダーであることを思い知らせる。ジョージーの提案で、ヘルス・ファームに一人でいる金持ちの女性を襲うことにしたアレックスたち。夜、家に1人で侵入したアレックスは、女性の家に置かれた巨大なペニス型の彫刻で女性の頭をつぶす。外に出たアレックスは、ディムによってミルクボトルで殴られてうずくまる。そこに現れた警官に逮捕される。

14年の刑

逮捕されたアレックスは、留置場に入れられる。警官に反抗的な態度を取るアレックスだったが、怒った警官に鼻にできた傷を押されて痛めつけられる。監察官のデルトイトがやってくる。デルトイトは、アレックスが襲った女性が死んだことを告げ、アレックスにツバを吐く。アレックスは裁判の結果、14年の刑を宣告される。

聖書

2年がたち、刑務所に入れられたアレックスは牧師の手伝いをしている。聖書を読むアレックスは牧師に気に入られていたが、アレックスは聖書の残虐なシーンやエロティックなシーンが好きなのだった。ある日、アレックスは牧師に、新しい治療法としてうわさになっている「ルドヴィゴ療法」の実験台となりたいと話す。実験台となった囚人は、刑務所から出ることができるのだった。だが、牧師はルドヴィゴ療法に懐疑的である。

内務大臣

ルドヴィゴ療法の実験台を探すために、内務大臣が刑務所を訪問する。内務大臣が囚人を視察した際に、内務大臣の意見に賛同する発言をしたアレックスは、残忍さなどから気に入られ、実験台に選ばれる。アレックスは、責任を問わないという誓約書にサインし、ルドヴィゴ療法が行われる病院に移送される。

ルドヴィゴ療法

ルドヴィゴ療法の主導者であるブロドスキー博士の命令で、アレックスは拘束着をつけられ、イスに縛りつけられたうえに、強制的に目を開いたままの状態にさせられ、暴力的な映像を見せられる。ハリウッド映画風の暴力映画や女性が繰り返しレイプされる映像を見ているうちに、アレックスは気分が悪くなる。翌日は午前と午後の2回に分けて上映が行われる。大好きなベートーベンの第九がBGMに使われていることに気づくアレックス。ナチスの映像を見せられたアレックスは再び気分が悪くなり、治ったと主張するものの、中断は認められない。治療は2週間続く。

お披露目

2週間後。治療を終えたアレックスは、結果を見守る人々の前に登場する。男に罵倒され、暴力を振るわれ、靴をなめるように言われるアレックス。反撃しようとすると吐き気がするアレックスは、男の靴をなめる。次にパンティのみを着用した女性が姿を現す。胸を触ろうとするアレックスだが、やはり吐き気がする。アレックスは更生したと宣言する内務大臣だが、刑務所の牧師は「人間としての選択能力を奪った」と反論する。アレックスは釈放される。

出所

自宅に帰ったアレックスは、自分の部屋を下宿人の男ジョーが使っていることを知る。アレックスを挑発するジョーを殴ろうとするアレックスは、吐き気に襲われる。両親がジョーを追い出すつもりがないことが分かり、アレックスは家を出る。テムズ川を眺めるアレックスに、ホームレスの老人が金を恵むように頼む。アレックスが以前に自分を暴行した男だと気づいたホームレスの老人は、仲間とともにアレックスに暴行する。2人の警官がアレックスを助ける。警官はディムとジョージーであることにアレックスは気づく。

作家の家に

ディムとジョージーは、アレックスに手錠をかけ、森に連れて行く。2人はアレックスに暴行し、水の入った水おけに顔をつけて苦しませ、去っていく。激しく雨が降り出したなか、アレックスはかつて暴行を働いた作家のアレグザンダーの家にたどりつく。アレックスに暴行されたために車イスとなっていたアレグザンダーは、屈強なジュリアンを介護人としている。アレックスは作家を見て、かつて自分が暴行した人物と気づくが、アレグザンダーは気づかない。だがアレグザンダーは、アレックスのことを新聞で知っている。反政府派のアレグザンダーは、アレックスを残酷な洗脳行為の犠牲者として活用できると気づき、興奮する。風呂を使わせてもらったアレックスは、「雨に唄えば」を歌う。歌声を聞いたアレグザンダーは、アレックスが自分や妻を襲った男であることに気づき、怒りで顔をゆがませる。

自殺未遂

夕食を取るアレックスに、アレグザンダーはワインを勧める。態度がおかしくなったアレグザンダーに怪しむアレックスだが、ワインを飲む。アレグザンダーはアレックスに、妻がレイプされたこと、その後肺炎で死んだことを話す。アレグザンダーの知人が訪れ、アレックスにインタビューをする。インタビューの途中で、アレックスは気を失う。アレックスが目覚めると、2階の部屋で軟禁されており、床下からはベートーベンの第九が大音量で聞こえてくることに気づく。第九に耐えられないアレックスは、自殺を図ろうと2階から飛び降りる。

回復

アレックスは大ケガを負うが助かり、病院に収容される。アレックスの自殺未遂により、政府は非難にさらされている。意識が戻ったアレックスは、精神科医のテストを受ける。絵の中の人物が言いそうな言葉を言うというものである。アレックスは暴力的な言葉や、性的な言葉を言う。その様子をみた精神科医は、順調に回復していると考える。

完治

内務大臣がアレックスの病室を訪れる。謝罪し、補償を申し出る内務大臣。さらに、アレックスの命を狙った作家のアレグザンダーは処置されたと話し、政府の支持率回復のために協力を頼む。アレックスは快諾し、内務大臣と握手をする様子をマスコミに取材させる。さらに、暴力的なことや性的なことを考えても吐き気を及ぼさないことに気づいたアレックスは、完全に治ったことを自覚する。