ストーリー・あらすじ紹介　踊る大捜査線　THE MOVIE

ゴルフコンペ

湾岸署の刑事である青島俊作は、署長の神田らとともにゴルフコンペに参加する警視庁の吉田副総監を車で送る。一方湾岸署では、川で発見された変死体が引き上げられ、指導員の和久平八郎と新人刑事の柏木雪乃が解剖に立ち会うことになる。コンペの賞品であるスモークボールをもらった青島は、和久にもプレゼントする。

誘拐事件と猟奇殺人

湾岸署内で青島の領収書などが盗まれ、窃盗事件として盗犯係の恩田すみれが捜査を始める。また、解剖の結果、川の死体は他殺であることが判明する。死体は素人によって腹を切られ、ぬいぐるみを胃の中に押し込まれたあとに再び縫い合わされていた。一方、吉田副総監が何者かに拉致され、湾岸署に捜査本部が作られるものの、所轄の刑事には何も情報がおりてこない。青島は、かつて「偉くなったら現場の刑事のことを考える」と約束した室井参事官に不満をもらすが、室井は「指揮をするのはもっと上の官僚だ」と答える。

窃盗事件

ミスをすると出世に響くことから、当初誘拐事件を担当していた新城が外れ、室井が現場本部長となる。誘拐事件の犯人は、副総監を隠語である「副社長」と呼んでいることから、警察内部に詳しい者の犯行と予想される。誘拐を知った和久は、猟奇殺人事件をほったらかし、マニュアル違反である現場での聞き込みを始める。イベント会場で制服を着た人物によると思われる窃盗事件が発生し、すみれは湾岸署内の窃盗と同一犯と考える。

コピー

誘拐事件の犯人から連絡があり、明日の正午に、遊園地の公衆電話まで1億円を持ってくるように言われる。番号を控えた現金は5千万しかなく、青島たちは番号を控えるように命じられる。1万円札をコピーしてしまうことを思いつくが、袴田課長に見つかって中止となる。一方、猟奇殺人の被害者がチャットを楽しんでいた殺人を取り上げたサイトが分かる。殺人に興味があるフリをした雪乃がチャットに参加し、会話した人物と明日カフェで会う約束をする。

公衆電話とカフェ

翌日、遊園地の公衆電話を多くの捜査員が見張り、室井が現場に指示を出す。一方で、室井には警視庁や警察庁の上層部から指示が与えられる。上層部の指示に、自分に任せてくれるように話す室井。公衆電話に入電があり、副総監の娘になりすました捜査員が電話を取る。一方カフェでは、昨日チャットした人物（日向真奈美）が現れ、離れた席から雪乃とチャットする。青島たちが周囲で見張る。被害者について聞く雪乃に、真奈美は「どうして知っている？」と疑問をぶつける。

姿を見せない誘拐犯

誘拐犯からの入電の連絡に青島たちが気を取られているすきに、雪乃が真奈美に手をメスで切られる。一方、誘拐事件の犯人は、警察が周囲にいることを指摘して電話を切る。警察の上層部は室井に責任を押しつけようとする。湾岸署の休憩室で青島と顔を合わせた室井は、偉くなったのに約束通り現場の刑事に捜査を任せられない現状を謝り、青島は室井を励ます。その様子を和久がひそかに見ている。誘拐犯からの電話の音声に青島が雪乃の名前を叫ぶ声が含まれていることがわかり、青島は大量の前歴者の写真をチェックするように命じられる。また、すみれは窃盗犯にたどり着き、逮捕状を取る。

真奈美と窃盗犯の逮捕

誘拐犯から、副総監の自宅の周囲に刑事がいると電話がある。刑事は和久で、ルールを破って聞き込みをしていたのだった。一方、写真のチェックを終えて疲れ切った青島がソファで横になるが、悲鳴で目が覚める。警察署にやって来た真奈美が警官から銃を奪っていることに気づく青島。真奈美が自分の頭に銃を向けて引き金を引くが、弾は出ない。近くにいた警官が襲いかかり、真奈美は逮捕される。だが警官の顔を見たすみれは、逮捕状を取った窃盗犯と気づく。窃盗犯は逮捕されるが、青島の領収書は盗んでいないと話す。

和久と副総監

和久と話をする青島。和久と吉田副総監は昔からの付き合いで、青島と室井と同様に、それぞれの立場でがんばる約束をしていた話を聞く。誘拐事件は公開捜査となり、プロファイリングで導き出された30代男性の犯人を追うことになるが、所轄は後方支援を命じられる。青島は、殺人事件に詳しい真奈美にアドバイスを聞くことを思いつく。

紫の煙

青島は、真奈美から犯人は計画性のない子どもと教えてもらう。一方で、真奈美が出入りしていた殺人についてのサイトでは、大企業の副社長誘拐の計画を立てていた者がいることが明らかになる。サイトの訪問者から、未成年の坂下始が浮かび上がる。副社長の自宅近くで、これまでに何度か見かけた男を追いかけた和久は、3人の若者に殴り倒される。縛られて焼却炉の小屋に放置された和久は、ポケットに入っていたスモークボールを火にくべる。青島は紫の煙が上がる煙突を発見し、すみれとともに急行する。

刺される青島

和久を助け出した青島は、坂下の住む団地の部屋を確認。室井に指示を仰ぐ。上層部は本庁の捜査員を向かわせるように命じるが、室井は青島に確保を命じる。坂下の部屋に踏み込み、坂下の証言から土手の小屋に隠されていた副総監が発見される。だが青島は、坂下の母親に腰部を刺されてしまう。駆けつけた室井が、青島に肩を貸して車に乗せる。

イビキ

青島を乗せた車にすみれが付き添い、室井の運転で病院に向かう。和久や警官たちが、車に敬礼する。意識を失った青島が死んだと思う室井とすみれ。だがイビキの音が聞こえ、すみれは青島が3日間寝てなかったことを思い出す。無事だった副総監は、移動中に和久の姿を見つけ、互いにうなずき合う。

リハビリ

すみれたちが青島の帰りを待つ湾岸署では、神田署長の指示で秋山副署長が刑事の領収書を破り捨てていたことが判明する。一方、青島の入院する病院に、室井と和久が見舞いにやって来る。「室井が来たら“こんなところ来るにヒマあったら偉くなれ”って追い返す」と冗談交じりに看護師に話す青島を見た室井は、青島に会わずに帰っていく。青島は、少しでも早く現場に戻れるように、リハビリを始める。