トンネルの先

小学生の少女である荻野千尋と千尋の両親は、新しい町に車で引っ越してくる。道を間違えた車は、森の中のトンネルの前に。3人はトンネルの中に入っていく。トンネルの先は町になっているが、誰もいない。おいしそうな料理を見つけた千尋の両親は、無我夢中になって食べる。だが、千尋は食べずに、両親の元を離れて町の中を探索する。湯屋の前の橋を渡ろうとすると、白い服の少年ハクから戻るように言われる。千尋は両親のもとに戻るが、両親はブタになっている。さらに、暗くなった町には黒い幽霊のようなものが現れる。恐怖に駆られた千尋は逃げ出すものの、川の水が増えて渡れなくなっていた。しかも、自分の体が透明になりかけていることに気づく。

味方のハク

川に船がつき、この世のものではない者たちが船から降りてくる。千尋は恐怖でうずくまって動けなくなる。そこにハクがやって来て、この世界のものを食べさせてくれることで、透明になりかけていた体が元通りになる。千尋とハクは橋を渡って湯屋に向かうが、途中で千尋の存在が見つかってしまう。湯屋の脇に千尋を連れて行ったハクは、千尋にボイラー室にいる釜爺と会って「仕事をさせて欲しい」と頼むように話す。仕事をしないものは、湯屋を支配する湯婆婆によって動物に変えられてしまうのだという。

釜爺

ハクと別れた千尋は、湯屋の外にある階段を降りてボイラー室に向かう。ボイラー室では6本の腕を持つ釜爺が薬湯のための薬を調合している。釜爺に「仕事をさせて欲しい」と頼む千尋。最初は断る釜爺だったが、食事を持ってきた従業員のリンに、千尋を湯婆婆の元に連れて行くように頼んでくれる。

「千」となる

エレベーターを乗り継いで、千尋は1人で湯婆婆のいる部屋にやって来る。「働かせてください」と言う千尋の要求をいったんは却下するものの、千尋の大声で湯婆婆の赤ちゃんである坊が目を覚ましてグズり出したため、湯婆婆千尋を静かにさせるために仕事をやることにする。だが、千尋は名前を「千」に変えられる。千はリンの下で働くことになる。

仕事がスタート

翌朝。眠れない千の元にハクがやって来て、両親に会わせてくれるという。着替えた千は、ハクに養豚場に連れていってもらい、ブタになった両親と会い、「必ず元に戻す」と誓う。湯屋の仕事がスタートする。水を外に捨てる時に、黒い布をかぶり白いお面をつけたカオナシを見かけた千は、カオナシのために戸を開けたままにしてあげる。

風呂桶の掃除

汚い客専門の大きな風呂桶の掃除を頼まれたリンと千。汚れが取れないので、千が薬湯の札を番台にもらいにいくが、断られる。だが、カオナシが千のために札を渡してやる。風呂場に戻った千の前に再びカオナシが現れ、たくさんの札を持ってくるが、千に「そんなにいらない」と言われて悲しげな表情を浮かべる。

オクサレ様

湯屋に、悪臭を放つドロの塊であるオクサレ様がやって来て、千が面倒を見るように命じられる。湯船に入ったオクサレ様に大量の足し湯をする千は、何かが刺さっているのに気づく。湯婆婆は、ロープで刺さったものを結ばせ、湯屋の従業員全員に引っ張らせる。すると、刺さっていると思われたものは自転車のハンドルで、一緒に大量のゴミが引っ張り出される。オクサレ様と思われたのは、実は河の神だった。河の神は千に苦団子をあげ、満足して帰っていく。河の神が帰った後には砂金が残される。従業員たちが砂金をかき集めるが、湯婆婆がすべて取り上げる。

傷ついた龍の姿のハク

夜、青蛙が砂金を探しに浴場にやって来る。そこにいたカオナシが現れ、砂金を見せておびき寄せた青蛙を食べてしまう。話すことができるようになったカオナシは、手から砂金を出してばらまき、従業員に命じて大量の食事を運ばせる。一方、千は鳥の形をした紙に追いかけられて傷ついた龍の姿を見る。千は、龍がハクであると直感する。龍は、千たちの寝床に飛び込んできて襲撃から逃れることに成功するが、すぐに湯婆婆の元へと向かっていく。

凶暴化するカオナシ

龍を追いかけて湯婆婆の元に向かう千は、途中で巨大化したカオナシと会う。千を喜ばせようと大量の金の塊を渡そうとするカオナシだったが、千は受け取らない。失望したカオナシは、周りにいた従業員を食べ、他の従業員たちは逃げ出す。千は、建物の外側のハシゴを使って上り、坊の部屋に入り込む。坊に捕まえられるが、何とか逃げ出して、湯婆婆の部屋にいる龍の姿をしたハクの元にやってくる。

銭婆が登場

千の服にくっついていた紙の鳥から、湯婆婆そっくりな人物が現れる。彼女の名前は銭婆で、湯婆婆の双子の姉だった。湯婆婆に命じられたハクが、大事な魔女の契約印を盗んでいったため、追いかけてきたのだという。銭婆は、坊をネズミにしてしまい、「頭」たちをくっつけて坊の形にしてしまう。だが、すきをついたハクが鳥の形の紙をたたき破り、銭婆は姿を消す。

ハクに苦団子を食べさせる

龍の姿のハクは、千と一緒に床に空いた穴に落ちてしまい、釜爺のいるボイラー室にたどりつく。千が河の神からもらった苦団子をハクに食べさせると、ハクが銭婆のところから盗んできた魔女の契約印と、体内からハクの体を傷つけていた黒い塊を吐き出す。千は黒い塊を踏み潰すも、ハクはまだ傷ついたまま。ハクを助けてもらうため、銭婆に魔女の契約印を返しに行くと言う千。そんな千に、釜爺は銭婆のいる沼の底駅までの電車の切符を渡してやる。

カオナシに苦団子を食べさせる

銭婆のところに行く前に、千は暴れているカオナシのもとに向かう。巨大化したカオナシに、河の神からもらった苦団子を食べさせる千。カオナシは苦しみながら、千を食べようと追いかける。追いかけながら、湯屋の従業員や青蛙を吐き出し、元の大きさになったカオナシは、電車に乗るために駅に向かう千を追いかけ、千と一緒に電車に乗る。

ハクが目を覚ます

ボイラー室で眠っていたハクが目を覚ます。湯婆婆の元に向かったハクは、坊がネズミの姿に変えられ、千と一緒に銭婆の元に向かったと話す。ハクは、坊を連れ戻す代わりに、千と両親を元の世界に戻して欲しいと頼む。

ハクの本当の名前

千とカオナシは、銭婆の家にたどりつく。銭婆は千を優しく迎え入れ、千は銭婆に魔女の契約印を返す。元の世界に戻りたがっている千を助けてあげたい銭婆だったが、千が自分でやるしかないという。龍の姿のハクが迎えに来て、背中に乗って湯屋に戻る千。戻る途中で、小さい頃にコハク川に落ちた話を千がすると、ハクは自分の名前が「ニギハヤミコハクヌシ」であり、かつて川に落ちた千を助けたことを思い出す。

元の世界へ

湯婆婆が、湯屋の入り口で多くのブタとともに待っている。そこに、千とハクが戻ってくる。元の世界に戻るためには、ブタの中から両親を見つけなけらればならないと言う湯婆婆。千は、「この中にはいない」と正解を答える。ハクと再会を約束した千尋は、入り口のトンネルに向かい、人間の姿の両親と会う。両親は何も覚えていない。3人は、トンネルを通って、車へと戻っていく。

人物 1 千と千尋の神隠し

荻野千尋/千

俳優:(声)柊瑠美 荻野千尋/千は、異世界に迷い込む小学生の少女である「千と千尋の神隠し」の登場人物・・・。都会から田舎へと引っ越してきたことに不満を感じている。異世界に迷い込んで途方にくれているものの、謎の少年ハクに励まされ、湯屋の従業員として働きながら、ブタになってしまった両親を元の姿に戻し、元の世界に戻る方法を探す。 湯屋を支配している・・・
人物 2 千と千尋の神隠し

ハク

俳優:(声)入野自由 ハクは、異世界に迷い込んだ千尋を助ける少年である「千と千尋の神隠し」の登場人物。・・・龍の姿になり飛ぶことができる。千尋のことをなぜか知っており、落ち込む千尋にまじないをかけたおにぎりを食べさせるなどして助けてやる。魔法の力を得るために湯婆婆の弟子をしており、湯婆婆の双子の姉が持っている魔女の契約印を奪うものの、紙の鳥に襲わ・・・
人物 3 千と千尋の神隠し

荻野明夫

俳優:(声)内藤剛志 荻野明夫は、千尋の父親である「千と千尋の神隠し」の登場人物。妻悠子と千尋を乗せた・・・車(アウディ)を運転して引っ越し先の家に向かうが、道に迷う。異世界に入り込み、おいしそうな料理を見つけてガツガツと食べているうちにブタに変身してしまう。千尋の努力によって元の姿に戻るものの、ブタだった時の記憶はない。 ・ジブリ作品のプロデ・・・
セリフ・名言 1 千と千尋の神隠し

ハク「怖がるな。私はそなたの味方だ」

0:14:55頃 異世界に迷い込んでしまった千尋。両親はブタになってしまい、見慣・・・れない異形のものが船から降りてくる。恐怖で座り込んで動けなくなってしまった千尋に、謎の少年ハクが言う言葉。・・・
セリフ・名言 2 千と千尋の神隠し

ハク「そなたの小さい時から知っている」

0:19:55頃 異世界に迷い込んだ千尋を助ける謎の少年ハクと千尋のやりとり。ハ・・・クはなぜか千尋のことを知っていた。その理由はハク自身も分からないが、やがて明かされることになる。・・・
セリフ・名言 3 千と千尋の神隠し

釜爺「手ぇ出すんなら、しまいまでやれ!」

0:27:05頃 ハクによって釜爺のところに行くように言われた千尋は、建物の外に・・・ある階段を降りてボイラー室に向かう。釜爺は薬を調合する仕事で忙しく、千尋に冷たい。ボイラー室の炉に石炭を運ぶススワタリがつぶれてしまったのを見た千尋は、石炭を手に取るもののどうしていいか分からない。そんな千尋の姿を見た釜爺の一言。・・・
音楽 1 千と千尋の神隠し

いつも何度でも

覚和歌子作詞、ソプラノ歌手の木村弓作曲・歌の曲。木村弓の初のシングル曲である。も・・・ともとは、宮崎駿が映画化を構想していたがお蔵入りとなった「煙突描きのリン」をイメージして作られた曲だった。当初、「千と千尋の神隠し」の主題歌は、宮崎駿作詞、久石譲作曲「あの日の川」になる予定だったが完成されず、「いつも何度でも」を聞き直した・・・
音楽 2 千と千尋の神隠し

サントラ(サウンドトラック)

発売されているサントラ(サウンドトラック)には以下の曲が収録されている。宮崎駿監・・・督作の音楽を担当してきた久石譲が、本作も担当している。 1.あの夏へ 2.とおり道 3.誰もいない料理店 4.夜来る 5.竜の少年 6.ボイラー虫 7.神さま達 8.湯婆婆 9.湯屋の朝 10.あの日の川 11.仕事はつらいぜ 12.おク・・・
場所 1 千と千尋の神隠し

湯屋「油屋」

異世界にある銭湯。風呂のほかにも、食事や宴会を楽しむことができ、八百万の神が疲れ・・・を癒やしにやって来る。数階にまたがる巨大な建物で、各階はエレベーターでつながっている。ワシに丸の中に「湯」と書かれたマークを使用している。 「延命湯」「いおう湯」「逢仙湯」といったさまざまな種類の風呂がある。地下にボイラー室があり、釜爺が・・・
キーワード 2 千と千尋の神隠し

名前

湯婆婆は、本当の名前を変えさせ、忘れさせることで従業員たちを支配している。異世界・・・のルールでは、名前を忘れると元の世界には戻れないのだった。千尋は湯婆婆から「千」と名前を変えられる。千を助けるハクにも本当の名前があったが、ハクは忘れてしまっていた。だが、千尋がコハク川に落ちて助けられた経験を話すと、ハクは自分の名前が「ニ・・・
乗り物 3 千と千尋の神隠し

鉄道

湯屋のある町からは鉄道が出ている。だが、行きっぱなしで帰りの列車はない。線路は水・・・の下にあり、列車は水をかき分けて進む。ハクが盗んだ魔女の契約印を返しに銭婆のところに行く千が、釜爺が40年前の使い残りの切符をもらって「沼の底」駅まで乗っていく。乗客は少なく、みんな透けている。・・・
作品一覧