1976年、サンフランシスコ

1876年のサンフランシスコ。南北戦争で北軍に従軍し、名誉勲章も受けた元軍人のネイサン・オールグレンは、今は酒びたりとなりながら、ウィンチェスター銃の実演販売で戦地での経験を話すことを仕事にしている。そんな中、かつての上官であるベンジャミン・バグリー大佐から、日本の軍隊を教練する仕事に誘われる。オールグレンは過去の確執からバグリーを憎んでいたが、仕事を引き受ける。

勝元という名の侍

7月。バグリーやかつての戦友であるガンツらと日本に到着したオールグレンは、軍事教練を開始する。サイモン・グレアムというイギリス人が通訳を務める。オールグレンは、敵となる侍についての情報を知ろうとする。近代化に反対して反乱を起こそうとしているのは、勝元盛次という名の侍である。またオールグレンは、かつてバグリーの命令でインディアンの部族の惨殺に参加した経験がトラウマとなっている。

勝元の軍との戦い

オールグレンらを日本に招いたのは、実業家で政治家の大村である。大村が利権を持つ鉄道が、勝元たちによって襲われる。兵隊が未熟であるために、大村からの出動要請に否定的なオールグレンだったが、命令には逆らえない。教官のオールグレンたちは戦いに参加しないはずだったが、乱戦に巻き込まれる。戦いは勝元の勝利に終わる。肩をやりで刺されながらも、あきらめずに戦うオールグレンの姿を見た勝元は、オールグレンを殺させずに捕らえる。

村へ

勝元の息子である信忠の村に連れてこられたオールグレンは、たかと2人の息子(飛源と孫次郎)の家で、たかの看護を受ける。アルコール依存症のオールグレンは酒を求めるものの、たかは酒を与えない。また、オールグレンは、インディアンの部族を惨殺した記憶にも苦しめられる。一方、勝元に仕える氏尾は、オールグレンを殺すことを主張する。だが、勝元は認めない。

氏尾に打ちのめされるオールグレン

回復したオールグレンは、寺で勝元と会う。先日の戦いで敗れた長谷川大将の首を落としたことについて、「侍は敗れた恥辱にまみれては生きない」と侍の生き方を説く勝元。また、戦いでオールグレンが殺した男はたかの夫の広太郎であり、広太郎が着ていた赤い鎧がたかの家に置かれていることを知る。その後のある雨の日、オールグレンは木刀で飛源と剣のけいこをする。そこに現れた氏尾は、オールグレンを木刀で倒す。何度も立ち上がるオールグレンだったが、氏尾に手も足も出ない。
シーン 1

氏尾に叩きのめされるオールグレン

政府軍の軍事顧問としてアメリカから日本にやって来たオールグレン。だが、滅びゆく侍・・・たちによる反乱軍を鎮圧するという役目にはわだかまりも感じていた。そんなオールグレンは、反乱軍との戦いで、侍の勝元によって捕らえられる。勝元はオールグレンを殺さず、村へと連れて行く。村に連れて来られたオールグレンを、勝元の家臣の剣豪である氏尾・・・

村に慣れていくオールグレン

徐々に村に慣れていくオールグレン。勝元と会話を重ね、勝元が天皇の忠義ゆえに反乱していることを知る。和服を着て行動するようになり、信忠や子どもたちから日本語を学んでいく。氏尾からは剣術の指南を受け、信忠から雑念を払って無心で戦うようにアドバイスを受ける。一方で、夫を殺したオールグレンが家にいることに耐えられないと勝元に訴えるたかだったが、聞き入れられない。

忍者の襲撃

冬。日本語が上達したオールグレンは、たかに対して夫の広太郎を殺してしまったことを謝る。たかは「責務を果たしただけ」とオールグレンを許す。春になる。オールグレンの剣術は上達し、氏尾とも対等に戦えるまでになる。ある夜、勝元も出演する能を村人たちが楽しむ。そこに、忍者の集団が勝元の命を狙って襲いかかってくる。勝元やオールグレンたちは、協力して忍者を全員倒す。勝元は大村が忍者を仕向けたと考える。
シーン 2

忍者の襲撃

勝元によって村に連れて来られたオールグレン。最初は日本人の生活に違和感を持ち、日・・・本人の方もオールグレンに対して敵意を持っていた。だが、触れ合ううちに、互いに打ち解けていく。勝元と会話を重ねることで、侍の生き方を理解していくオールグレン。日本語も上達し、たかには夫の広太郎を殺してしまったことを謝る。 平穏な日々が訪れた・・・

東京へ

勝元はオールグレンに天皇によって東京に呼び出された話をし、捕らえた時にオールグレンから奪っていた荷物を返す。オールグレンも一緒に東京に行くことになり、たかに別れを告げる。東京に着き、オールグレンは自由の身になる。バグリーが教練した軍隊は組織化され、榴弾砲やガトリング銃も装備するようになっていることをオールグレンは知る。

廃刀令

勝元は天皇と面会し、権力を大村たちに奪われて弱気になっている天皇を励ます。大村と面会したオールグレンは、勝元の情報を求められるものの何も話さない。大村はオールグレンに、勝元たちとの戦いへの参加を求めるが、オールグレンはアメリカへの帰国を決める。元老院に出席した勝元は、廃刀令を理由に大村から刀を渡すように言われるが従わない。勝元は天皇に意見を求めるが、天皇は顔を伏せる。勝元は捕らえられ、東京での謹慎を命じられる。

勝元を救出

勝元の危機を知ったオールグレンは、勝元が謹慎する屋敷に向かう。その途中で、大村の5人の部下に命を狙われるが、敵の刀を奪って5人を斬り殺す。勝元は、駆けつけたオールグレンや氏尾たちに助けられて屋敷を脱出する。だが、逃げる途中で信忠が銃弾を受けてしまう。生き延びられないと覚悟した信忠は、追手を足止めするために突進して絶命する。
シーン 3

無心で4人の男を斬り殺すオールグレン

勝元に捕らえられ、村に連れて行かれたオールグレンは、勝元や村の人々と触れ合ううち・・・に、彼らのことを理解するようになっていた。冬を越えて春になり、オールグレンは解放される。だが、勝元の命が危ないことを知ったオールグレンは、勝元を助けに向かおうとする。 何者かに囲まれていることに気づくオールグレン。政府の要人である大村は、・・・

戦いの準備

村に戻った勝元は、大村が率いる軍勢が襲ってくると予想し、戦いの準備をする。オールグレンも戦いに加わる決意をする。そんなオールグレンに、たかが亡き夫が身につけていた赤い鎧を着させ、2人はキスをする。大村が率いる2,000人にも及ぶ兵士が村に近づいてくる。オールグレンは勝元に、油断している大村の軍勢を引きつけて、接近戦に持ち込む戦法を提案する。戦いを前に、勝元はオールグレンに刀を贈る。

戦いが始まる

降伏の意思を確認されるが応じない勝元。戦いが始まる。榴弾砲の攻撃を受けた勝元の軍は退却する。だが、敵が全軍で近づいてきたところを、敵の背後に仕込んであった油を含んだ草を燃やして兵を分断。さらに矢の雨を降らせて多くの兵士を倒す。勝元やオールグレンをはじめとする兵士が突撃し、接近戦となる。

優勢

一進一退の攻防が続くが、氏尾たちの加勢によって勝元の軍勢が優勢となり、大村の兵士たちは退却する。だが、勝元、オールグレン、氏尾たちは負傷し、味方の軍勢も減っている。次の一斉攻撃には耐えられないと考えたオールグレンや勝元は、大村の元に向かって最後の突撃を敢行する。

最後の突撃

迎え撃つバグリーはオールグレンによって倒され、勝元たちは大村に近づいていく。だが、大村はガトリング銃を使って攻撃し、勝元は致命傷を受けて倒れる。勝元に近づいたオールグレンは、勝元の願いを受け入れ、自害を助ける。大村の兵士たちは、帽子を取り、死んだ勝元に向かっておじぎをして敬意を示す。
シーン 4

最後の突撃

政府から反乱軍の烙印を押された勝元は、政府の謹慎の命令を破り、村へと戻る。政府の・・・要人である大村は、政府軍を率いて勝元の軍の討伐に向かう。圧倒的な戦力差の中、政府軍に戦いを挑む勝元やオールグレン。油断している政府軍に対して優位に戦いを進めるものの、長くは持たないと考え、大村に向かって馬で一斉に突撃する。 銃の一斉射撃を・・・

天皇との面会

生き残ったオールグレンは、天皇の元に参上し、勝元の刀を献上する。勝元の思いを感じ取った天皇は、アメリカからの武器購入を早急に進めようとする大村を止める。「恥辱を与えられた」と反論する大村に対しては、「耐えられなければこれを使え」と勝元の刀を渡す。天皇はオールグレンに勝元の死にざまを教えて欲しいと頼み、オールグレンは「生きざまを教えましょう」と答える。

シーン 1 ラスト サムライ

氏尾に叩きのめされるオールグレン

政府軍の軍事顧問としてアメリカから日本にやって来たオールグレン。だが、滅びゆく侍・・・たちによる反乱軍を鎮圧するという役目にはわだかまりも感じていた。そんなオールグレンは、反乱軍との戦いで、侍の勝元によって捕らえられる。勝元はオールグレンを殺さず、村へと連れて行く。村に連れて来られたオールグレンを、勝元の家臣の剣豪である氏尾・・・
シーン 2 ラスト サムライ

忍者の襲撃

勝元によって村に連れて来られたオールグレン。最初は日本人の生活に違和感を持ち、日・・・本人の方もオールグレンに対して敵意を持っていた。だが、触れ合ううちに、互いに打ち解けていく。勝元と会話を重ねることで、侍の生き方を理解していくオールグレン。日本語も上達し、たかには夫の広太郎を殺してしまったことを謝る。 平穏な日々が訪れた・・・
シーン 3 ラスト サムライ

無心で4人の男を斬り殺すオールグレン

勝元に捕らえられ、村に連れて行かれたオールグレンは、勝元や村の人々と触れ合ううち・・・に、彼らのことを理解するようになっていた。冬を越えて春になり、オールグレンは解放される。だが、勝元の命が危ないことを知ったオールグレンは、勝元を助けに向かおうとする。 何者かに囲まれていることに気づくオールグレン。政府の要人である大村は、・・・
人物 1 ラスト サムライ

ネイサン・オールグレン

俳優:トム・クルーズ ネイサン・オールグレンは、日本にやって来る元アメリカ陸軍大尉である、映画「ラスト・・・ サムライ」の登場人物。南北戦争に従軍し、ゲティスバーグの戦いでは名誉勲章を与えられる活躍を見せた。だが、女性と子どもしかいないインディアンの村の虐殺に参加したことが心の傷となっており、オールグレンの反対を聞き入れずに虐殺を指揮した、ベンジ・・・
人物 2 ラスト サムライ

勝元 盛次

俳優:渡辺 謙 勝元盛次は、日本で反乱軍を指揮する侍である、映画「ラスト サムライ」の登場人物。・・・明治維新の立役者の1人だが、性急に外国と交易を行うなどの新政府の方針に反対しており、反乱軍と位置づけられている。天皇に反乱を起こしているのではなく、大村が中心となっている政府に反乱を起こしており、反乱は天皇に対しての忠義であると信じている。・・・
人物 3 ラスト サムライ

氏尾

俳優:真田 広之 氏尾は、勝元の家臣である、映画「ラスト サムライ」の登場人物。戦では大きなツノの・・・ついたカブトをかぶる。オールグレンを殺すべきと主張し、首元まで刀を振り下ろしたりするものの、勝元から止められる。その後もオールグレンに敵意を見せ、雨の中でオールグレンと飛源が木刀で打ち合うのを見て飛源と代わり、木刀でオールグレンをめった打ち・・・
セリフ・名言 1 ラスト サムライ

グレアム(ナレーション)「日本は剣から作られたと言われている」

0:00:25頃 「ラスト サムライ」の最初のセリフ。このあとオールグレンと出会・・・い、オールグレンの手記を託されることになるグレアムの言葉。グレアムは、オールグレンや“最後の侍”である勝元の最後の戦いをその目で目撃するのだった。 ・・・
セリフ・名言 2 ラスト サムライ

オールグレン「月に500ドルもらえるなら、誰だって殺してやる。だが覚えておけ。おまえだけは喜んでタダで殺してやる」

0:09:30頃 かつてアメリカ軍の大尉だったオールグレンは、女性や子どもたちし・・・かいないインディアンの村の虐殺に加担したことがトラウマとなっていた。その時の上官であるバグリーと再会したオールグレンは、虐殺を命じたバグリーへのうらみを忘れていなかった。 ・・・
セリフ・名言 3 ラスト サムライ

オールグレン(ナレーション)「何もない海は安らぎを与えてくれる。過去も未来もない」

0:10:10頃 日本での軍事教練の仕事を引き受けたオールグレンは、船でサンフラ・・・ンシスコから日本へと渡る。日本への船旅の途中、インディアンの女性や子どもを虐殺したトラウマにさいなまれていたオールグレンの心は、海によって癒やされるのだった。 ・・・
音楽 1 ラスト サムライ

音楽、サウンドトラック

「ラスト サムライ」の音楽を担当しているのは、ドイツ出身の作曲家であるハンス・ジ・・・マー。アカデミー賞を受賞した「ライオン・キング」(1994)のほか、ともにアカデミー賞にノミネートされた「レインマン」(1988)や「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(1997)などでも知られる。発売されているサントラ(サウンドトラッ・・・
キーワード 1 ラスト サムライ

評価、興行収入

「ラスト サムライ」は、アカデミー賞の助演男優賞(渡辺謙)、美術賞、衣装デザイン・・・賞、音響賞(調整)にノミネートされるなどの評価を受けた。トム・クルーズはゴールデングローブ賞の男優賞(ドラマ)にノミネートされた。また、日本アカデミー賞では外国作品賞を受賞した。 興行的にもヒットとなり、北米で1億1千万ドル、世界で4億5・・・
キーワード 2 ラスト サムライ

時代背景(明治初頭、南北戦争)

「ラスト サムライ」は1876年から1877年にかけての物語である。和暦では明治・・・9年から10年であり、映画の出来事と共通点がある西南戦争が起こったのは明治10年である。一方、アメリカでは南北戦争が終結したのが1865年であり、アメリカ政府がインディアンに対する征服を進めて「フロンティアの消滅」を宣言したのが1890年で・・・
キーワード 3 ラスト サムライ

日本、外国人

「ラスト サムライ」の舞台は明治初頭の日本であり、外国の文化を積極的に取り入れて・・・近代化を図った時代である。オールグレンはその一環として、アメリカから軍事顧問として招かれる。オールグレンは月に500ドルに加えて、仕事が終わったらプラス500ドルを要求して受け入れられる。他の国からも多くの外国人が招かれていることが語られる・・・
作品一覧