3年前の殺人
3年前、自分の車が盗もうとしていることを知ったデレクは、2人の黒人を撃ち殺して刑務所に入る。3年後のデレクの出所の日、デレクの弟であるダニーは校長室に呼ばれる。ヒトラーの「我が闘争」についてのレポートを提出したダニーに対し、スウィーニー校長は明日の午前中までに兄のデレクについてのレポートを提出するように命じる。
バスケットボール
学校のトイレで3人の黒人学生が白人の学生をいじめているところに、ダニーが姿を現す。ダニーは1人の黒人学生にタバコの煙を吹きかける。帰り道でバスケットボールのコートに寄ったダニーは、かつて黒人と白人のチームがバスケットボールの試合でもめた時、デレクの活躍でコートの使用権を勝ち取ったことを思い出す。一方、警察に呼ばれたスウィーニー校長は、デレクはと白人至上主義者のキャメロンがDOCと言う名のグループを作り上げたこと、デレクの消防士の父親が消火作業中に黒人に殺されたことを説明する。
デレクの出所
出所したデレクは、髪が伸びてかつてのスキンヘッド姿ではなくなっている。家族との再会を喜ぶデレクは、学校から帰ってきたダニーがキャメロンたちの影響を受けて白人至上主義者となっていることを知る。スウィーニーから電話を受けたデレクは、ダニーにスウィーニーの言う通りレポートを書き、キャメロンのパーティには行かないように話す。ダニーは以前と変わったデレクに戸惑う。
かつてのデレク
デレクとセスは出かけていき、ダニーはレポートに書き始めるもののなかなか進まない。「人は僕に兄を投影させる」と書いたダニーは、デレクが白人至上主義者たちのリーダーだった3年前を思い出す。デレクは多くの白人を扇動し、白人が仕事につけなくなったとしてアジア系に経営者が変わったスーパーマーケットを襲撃。ダニーはビデオカメラで襲撃の様子を撮影していた。
マーレイとの口論
さらにダニーは、母のドリスと付き合っていた教師のマーレイとデレクがもめた時のことを思い出す。食事に呼ばれたマーレイは、1992年に起こったロス暴動を話題にする。デレクは黒人を批判し、マーレイや妹のダヴィナと言い合いになる。デレクは一歩も引かず、ダヴィナの口にむりやりケーキを押し込み、マーレイを追い出す。デレクが2人の黒人を殺害したのはその夜だった。
パーティ
レポートを書いているダニーを、友人たちが白人至上主義者のパーティに誘う。ダニーは友人たちと出かけていく。一方、パーティに姿を現したデレクは、自分が英雄視されていることを知る。再会した恋人のステイシーに白人至上主義者グループから抜けたいと語るデレクだったが、ステイシーに理解してもらえない。
脱会を宣言
キャメロンと会ったデレクは、自分とダニーは脱会すると宣言し、家族に近づかないように話す。ダニーの方から自分の所に来ると話すキャメロンを、デレクは殴って気絶させる。ダニーを連れて帰ろうとしたデレクだったが、気絶したキャメロンを見たセスがデレクに銃を向ける。デレクはセスの銃を奪い、その場から立ち去る。後を追ってきたダニーに、デレクは刑務所で出来事を話す。
刑務所
刑務所で黒人の敵意に気づいたデレクは、自分の身を守るために白人至上主義のグループの仲間に入る。また、洗濯の仕事を与えられ、黒人のラモントと一緒に働くようになる。やがて、ラモントとは友人の関係となる。1年が経過した頃、グループの1人がメキシコ人の囚人と取引をしていることを知り、デレクはグループから抜ける。
レイプ
白人至上主義のグループは、デレクに制裁を加えるため、シャワー室でデレクをレイプする。医務室にやって来たスウィーニー校長の姿を見たデレクは涙を流す。スウィーニーはデレクに、自分もかつては差別に怒りを抱えていたことを話し、怒りだけでは豊かな人生にならないと話す。デレクはスウィーニーに、キャメロンの組織を抜けて家族のために生きたいと訴える。
ラモントの後ろ盾
白人至上主義グループの後ろ盾を失ったデレクは、残りの刑期を黒人の敵意を感じながら過ごすものの、何もされずに済む。出所の日、ラモントがかばってくれていたことに気づいたデレクは、ラモントに礼を言う。刑務所の話を終えたデレクは、怒りが自分を動かしていたが、怒ることに疲れたとダニーに話す。家に帰った2人は、ダニーの部屋の壁に貼ってあったナチス旗やヒットラーの写真などをはがす。
レポート
宿題のレポートに再開したダニーは、デレクは父親を殺された怒りだけではなく、黒人への差別意識を持っていた父親の影響も受けていたことを思い出し、涙を流す。朝になり、ダニーは書き上げたレポートを印刷する。ネクタイ姿のデレクは、保護司と会った後に職探しをすると家族に話す。デレクはダニーを学校まで送っていく途中のカフェで、スウィーニーと警官と会う。キャメロンとセスが襲撃されて抗争が起きそうなため、スウィーニーはデレクにかつての仲間を説得するように求める。デレクはダニーを学校に送った後で戻ると約束する。
「我々は敵ではなく友人である。敵になってはならない」
学校に着いたダニーは、トイレに向かう。前日にダニーがタバコの煙を吹きかけた黒人の学生が現れ、ダニーに3発の銃弾を撃ち込む。騒ぎを聞きつけたデレクは、トイレで遺体となったダニーを抱きかかえて泣き叫ぶ。ダニーのレポートには、「我々は敵ではなく友人である。敵になってはならない」と書かれている。
人物 1
アメリカン・ヒストリーX
俳優:エドワード・ノートン
デレク・ヴィンヤードは、2人の黒人を殺害した罪で刑務所に収監された、映画「アメリ・・・ カン・ヒストリーX」の登場人物。デニスとドリスの長男で、ダニーが弟。消防士の父親が消防作業中に黒人の麻薬ディーラーに殺される。そのことも原因で、白人至上主義者のキャメロンの考えに傾倒し、DOCという名の組織のリーダーとして白人たちを率いる。・・・
人物 2
アメリカン・ヒストリーX
俳優:エドワード・ファーロング
ダニー・ヴィンヤードは、デレクの弟である、映画「アメリカン・ヒストリーX」の登場・・・ 人物。人種差別グループ「DOC」のリーダーである兄のデレクを心酔し、デレクの出所を心待ちにしている。デレクが2人の黒人を殺害した夜には、車を盗もうとする黒人の姿を見てデレクに伝え、デレクが残忍に黒人を殺害する様子を目撃していた。自分がデレク・・・
人物 3
アメリカン・ヒストリーX
俳優:エイヴリー・ブルックス
ボブ・スウィーニーは、ダニーが通う高校の校長である、映画「アメリカン・ヒストリー・・・ X」の登場人物。デレクが高校生の時から勤めていた。「我が闘争」についてのレポートを提出したダニーに、兄のデレクについて考察したレポートの提出を命じる。また、出所したデレクに連絡し、ダニーのレポートについて話をする。
デレクが刑務所でレイプ・・・
セリフ・名言 1
アメリカン・ヒストリーX
0:07:35頃
高校生のダニーは、ヒットラーの「我が闘争」についてのレポートを・・・ 提出する。レポートは問題となるが、スウィーニー校長はダニーを救えると考え、ダニーに兄デレクを考察したレポートの提出を命じるのだった。
・・・
セリフ・名言 2
アメリカン・ヒストリーX
0:09:05頃
ヒットラーの「我が闘争」についてのレポートを提出したダニーは、・・・ スウィーニー校長に呼び出される。そして、校長から兄デレクの影響を指摘される。白人至上主義グループのリーダーで収監中のデレクは、ダニーのあこがれの存在だった。
・・・
セリフ・名言 3
アメリカン・ヒストリーX
0:09:05頃
ヒットラーの「我が闘争」についてのレポートを提出したダニーは、・・・ スウィーニー校長に呼び出される。そして、校長から兄デレクの影響を指摘される。白人至上主義グループのリーダーで収監中のデレクは、ダニーのあこがれの存在だった。
・・・
音楽 1
アメリカン・ヒストリーX
「リパブリック讃歌(The Battle Hymn of the Republi・・・ c)」は、アメリカの民謡・愛国歌で、南北戦争時の北軍の行軍曲。「アメリカン・ヒストリーX」では、白人至上主義の内容の替え歌を、セスが車を運転しながら歌う(0:24:30頃)。また、白人至上主義グループのパーティで、バンドの演奏に合わせて替え・・・
音楽 2
アメリカン・ヒストリーX
「アメリカン・ヒストリーX」の音楽を担当しているのは、イギリスの作曲家であるアン・・・ ・ダッドリー。音楽を手がけた作品には、アカデミー作曲賞(オリジナル・ミュージカル/コメディ)にノミネートされた「フル・モンティ」(1997)などがある。
・・・
キーワード 1
アメリカン・ヒストリーX
「アメリカン・ヒストリーX」は、エドワード・ノートンがアカデミー賞の主演男優賞や・・・ サターン賞の男優賞にノミネートされるなどの評価を受けた。興行的には、2,000万ドルの制作費に対し、北米で700万ドル弱の興行収入にとどまった。一方で、国際人権NGO「アムネスティ・インターナショナル」のアメリカ支部が、人権意識を高めるため・・・
キーワード 2
アメリカン・ヒストリーX
「アメリカン・ヒストリーX」は、人種差別を描いた作品である。白人至上主義グループ・・・ のリーダーとして周囲から崇拝され、2人の黒人を殺害して刑務所に入れられたデレクが、刑務所での体験によって考えを変えるようになる姿が描かれている。また、兄のデレクに憧れの念を抱いているダニーが、以前と変わったデレクを理解し、自らも変わっていく・・・
キーワード 3
アメリカン・ヒストリーX
「アメリカン・ヒストリーX」では、殺人の連鎖が描かれている。消防士だったデレクの・・・ 父は、消火活動中に黒人の麻薬の売人に撃ち殺された。そのことから黒人をうらむようになったデレクは、自分の車を盗もうとする3人の黒人のうち、2人を殺害。1人に対しては、路上の縁石をくわえさせた状態で、後頭部を思い切り踏みつけるという残忍な方法で・・・