ストーリー・あらすじ紹介　Mommy／マミー

ダイアンとスティーヴ

発達障害の息子スティーヴを持つダイアン・デュプレ（通称ダイ）は、施設にいるスティーヴが放火をし、同じ施設の人物が大やけどを負ったとの連絡を受ける。施設に駆けつけたダイアンは、施設の職員からスティーヴの入院を提案されるものの拒否する。ダイアンはスティーヴを引き取り、自宅で一緒に生活することに決める。

向かいに住む女性

自宅のアパートにスティーヴを連れ帰るダイアン。スティーヴは放火を反省するそぶりを見せず、テンション高くダイアンにしゃべりかける。途中で、ダイアンに気のある弁護士のポールと会い、スティーヴはいい顔をしない。家についたスティーヴはさっそく大音量で音楽をかけ、ダイアンを困らせる。ダイアンの家の向かいには、夫婦と娘の一家が住んでいる。ダイアンと妻の女性は、時折しぐさであいさつをする。

仕事をクビに

コラムを書く仕事をしているダイアンは、スティーヴを連れてタクシーで職場に向かう。だが、タクシーの運転手と口論になり、スティーヴが運転手に突っかかる。遅刻して職場についたダイアンは、ボスが変わったことを知り、その場でクビになる。泣くダイアンをスティーヴが励まし、「チームとして乗り越えよう」と話す。

ブチ切れるスティーヴ

外に出かけたスティーヴは、どこからか食べ物などを手に入れてくる。さらに、「Mommy」と書かれたネックレスをダイアンに贈る。盗んできたと思ったダイアンがネックレスを受け取らないと、スティーヴはぶち切れてしまい、ダイアンの首を絞める。ダイアンが逃げて身を隠すと、急に静かになる。隣に住む女性が、足にケガをしたスティーヴを見てやっている。女性はカイラという名前で吃音の持ち主だった。お礼にダイアンはカイラを夕食に誘う。

カイラとの夕食

カイラが夕食にやって来て、楽しくおしゃべりをする。カイラは、教師だったが今は休職中であることを語る。夕食の後、ダイアンとカイラは2人だけで話をする。ダイアンはスティーヴがキレると手がつけられないこと、病院に行くと保護の名目でスティーヴが施設に収容されてしまうことを話す。スティーヴが音楽をかけ、ダイアンと一緒に踊り、カイラも歌う。

カイラが我慢の限界に

翌日、翻訳の仕事をもらえることになったダイアンは、スティーヴの勉強を見てもらうように頼む。ダイアンは仕事をもらい、報酬を前借りさせてもらう。一方、カイラの家ではスティーヴが大騒ぎする。スティーヴにネックレスを取られたカイラは我慢の限界に達し、スティーヴにまたがって頭を床に押しつけ、二度としないように命じる。スティーヴは涙を流し、小便をもらす。

楽しい時間

家に帰ってきたダイアンは、昼食を用意していたスティーヴとカイラからサプライズの出迎えを受ける。3人は一緒に写真を撮る。スティーヴは写真を印刷して貼っておく。ダイアンとカイラは2人で話をする。ケベックから引っ越してきた理由を聞くダイアンだったが、カイラは答えない。2人は冗談を言い合い、大笑いをして楽しい時間を過ごす。

順調な生活

家に帰るカイラに、スティーヴはこれからも勉強を教えてくれるように頼む。カイラは承諾する。スティーヴはカイラから勉強を教わり、ダイアンも清掃の仕事を始める。3人で楽しい時間を過ごし、生活が順調と思われた矢先に、スティーヴの放火で大やけどを負った家族から、ダイアンは多額の賠償を請求する訴状を受け取る。

ポールに助けを

ダイアンは、自分に好意を持っている弁護士のポールに助けを求めることにする。スティーヴと3人で食事に行くことになるが、ポールを嫌っているスティーヴはいやがる。食事のあとに、3人はカラオケに行く。ポールの機嫌を取りながら、今後どうすればよいかを相談するダイアン。ポールは、本人の前では言いにくいため、明朝オフィスに来るように話す。

カラオケ

ダイアンとポールのやり取りを見ていたスティーヴは、カラオケでバラードを歌う。店の雰囲気にそぐわない曲に、客から野次られるスティーヴ。怒ったスティーヴが客に襲いかかり、店から追い出される。駐車場でスティーヴとポールは怒鳴り合いになり、ポールがスティーヴにビンタする。それを見たダイアンは、ポールにビンタする。ポールは悪態をついて去っていく。頼りを失ったダイアンはつらい思いを叫ぶが、いつの間にかスティーヴは姿を消している。家に帰ったダイアンは苦しい思いでスティーヴを待つ。帰ってきたスティーヴは、自分を見捨ててもダイアンを愛していることを告げ、キスをする。ダイアンはスティーヴを押しのけて立ち去る。

自殺未遂

ダイアン、カイラ、スティーヴの3人が店に買い物に来る。目を離したすきに、スティーヴがナイフで手首を切って自殺を図ろうとする。ダイアンとカイラは急いで救急車を呼ぶ。スティーヴが回復したあと、3人は車で出かける。はしゃぐスティーヴを見ながら、スティーヴが高校を卒業し、恋人ができ、ジュリアード音楽院に合格し、家を出て行き、子どもができ、結婚することを、ダイアンが思い描く。

施設

ダイアンが運転する車が、ある建物に到着する。「トイレに行く」と言って建物に入っていくダイアン。建物から姿を現した男たちを見て、スティーヴは施設に収容されると気づく。逃げようとするスティーヴだったが、職員の男たちに捕まる。暴れるスティーヴは殴られ、スタンガンで気絶させられる。ダイアンは泣きながら止めようとするが、どうすることもできない。

スティーヴのメッセージ

施設に入ったスティーヴは、ダイアンに電話をする。電話は留守番電話となり、ダイアンへの感謝と愛のメッセージを残す。カイラの訪問を受けたダイアンは、カイラの家族が引っ越すことを聞く。ダイアンはカイラに、自分の選択に希望を持っていることを話す。カイラが帰ったあと、ダイアンは嗚咽を噛み殺す。一方施設のスティーヴは職員の制止を振り切って、窓に突っ込んでいく。