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営業会議
東京建電の営業会議が始まる。営業部長の北川は、ノルマ未達の営業部二課長の原島を激しく責め立てる。一方、ノルマを達成した営業部一課長の坂戸については褒め称える。営業部一課係長の八角は、会議中に居眠りをしている。それに気づいた北川が八角をにらみつけるものの、何も言わない。会議を見ていた親会社・ゼノックスの常務の梨田は、会議の後に北川に「ぬるい」と告げる。
パワハラ
働かない八角に対する坂戸の風当たりが強くなる。多くの仕事とノルマを押しつけられ、有給休暇も認められない八角は、坂戸をパワハラで会社に訴える。誰もが訴えは退けられるものと思われたが、坂戸は人事部付に異動となり、原島が新しい営業部一課長となる。だが、原島は思うように結果が出せず、北川から責められる。一方、東京建電では無人のドーナツ販売が行われていた。ドーナツ販売を企画したのは営業部一課社員の浜本だった。
ねじ六
浜本は原島から、八角がかつては優秀な営業マンだったことを聞く。営業部と仲の悪い経理部の新田は、営業部のあら探しをする。坂戸が打ち切ったねじ六とのねじの契約を八角が復活させ、コストが月に90万円増えていることを知った新田は、上司の加茂田に報告。加茂田は役員会で問題にすることに決める。
梨田のゴリ押し
ある日、ゼノックスの梨田常務が突然東京建電にやって来る。梨田と同期だが出世争いに敗れて東京建電に移っていた村西副社長やプロパーの宮野社長が迎える。型落ちの冷蔵庫の販売を押しつける梨田に、村西や宮野は断ることが出来ない。役員会で、経理部が八角による転注とコスト高を問題視するが、北川は営業部の管理事項として突っぱね、宮野社長も北川を支持する。
佐野の左遷
北川と八角について何かを気づいたカスタマー室長の佐野が、小倉営業所に飛ばされる。原島は、坂戸が出社していないことを知り、北川と八角についての疑いを深くする。同じく北川と八角を怪しむ経理の新田は、ねじ六の転注を深く調べることにし、前の発注先だったトーメイテックを訪れて決算資料などを調べる。
新田の左遷
ドーナツ販売で売上が合わない毎週水曜日に売り場を見張った浜本は、新田が金を払っていないことを突き止める。新田は東北営業所に飛ばされる。八角に関わる者が飛ばされる状況を不審に思った原島と浜本は、退社後の八角のあとをつける。八角が女性と会って金を渡すところを目撃し、八角がボロアパートに住んでいることを突き止める。また、八角が東京建電の販売するイスであるセルーラを調べていたことに気づく。
工場
原島は、佐野が調べていたセルーラのクレームについて確認し、坂戸がトーメイテックに発注した時から、ねじの不具合が多く起きていることを突き止める。実際のねじを調べるため、原島と浜本は工場に向かう。感づいた八角も工場にやって来るが、すんでのところで原島と浜本はねじを入手。検査機械で調べ、ねじの強度が足りないことを知る。
ねじの強度データ偽装
そこに現れた八角は、航空機や列車のイスに使われているねじの強度も足りず、リコールをすれば2,000億円の費用がかかることを説明する。さらに、社長にも報告しており、坂戸のパワハラでの異動は計画通りで、調査が終わる明日にはリコールが発表されると語る。だが、宮野社長はリコールの発表をせず、隠蔽して製品を交換することに決める。八角はショックを受ける。
告発文
有給休暇を取って墓参りに向かった八角の元に、原島と浜本が現れる。八角は、20年前に東京建電に出向していた梨田に押しつけられたノルマをこなすため、不要なユニットバスを高齢者に販売し、自殺に追い込んだ過去を後悔していることを話す。そして、今回は逃げないと宣言する。八角は、ゼノックスから出向している副社長の村西に、告発文を送る。リコール隠しが明らかになり、ゼノックスの徳山社長が出席する“御前会議”が開かれることになる。
御前会議
御前会議が開かれる。村西は御前会議に八角と坂戸を呼ぶ。八角は、20年前に梨田が東京建電に出向していた時に、データ偽装を命じたことを語る。坂戸は、トーメイテックからねじの強度偽装を持ちかけられたと話す。さらに八角は、問いつめたトーメイテックの社長が、東京建電の宮野社長から命じられたと白状したことを明かす。
徳山社長
宮野社長は、親会社のゼノックスに提示されたノルマ未達が続いてことから偽装を決意したこと、20年前に梨田による偽装も知っていたことを明らかにする。ゼノックスの徳山社長は、データ偽装については自分が預かると宣言するものの、公表する意志がないことが明らかになる。ショックを受けた八角が会社に戻ると、データ偽装についてのすべてのデータがゼノックスによって持ち去られたことが明らかになる。
偽装や隠蔽が起こる理由
何としてもデータ偽装を告発しようとする八角は、ソファの下に落ちていた証拠となるねじを北川から受け取る。八角の告発によって国や警察が動き出す。弁護士から偽装や隠蔽が起こる理由を聞かれた八角は、「偽装や隠蔽はなくならないが、命は何よりも大事と言い続けることで減らすことはできる」と語る。宮野社長は逮捕され、梨田は地方の子会社に飛ばされ、北川は実家のバラ園を手伝うようになる。膨大な残務処理のため、原島と八角は東京建電に残る。
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人物 1
七つの会議
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八角民夫は、東京建電営業一課の係長である、映画「七つの会議」の登場人物。八角は「・・・ ヤスミ」が正しい読み方だが、周囲からは「ハッカク」と呼ばれている。仕事の手を抜き、会議では寝てばかりいるため、「居眠り八角(ハッカク)」のあだ名がつけられている。入社後は優秀な成績を収め、最年少で係長に昇進したが、ある時から手を抜くようにな・・・
人物 2
七つの会議
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北川誠は、東京建電営業部の部長である、映画「七つの会議」の登場人物。八角と同期。・・・ 厳しいノルマを営業部員に課し、月に1度の営業会議ではノルマを達成できなかった二課の原島課長を罵倒する姿を見せる(原島からは「鬼」と言われている)。一方で、ノルマ達成を続ける一課の坂戸のことはかわいがっている。親会社ゼノックスの梨田常務とは、・・・
人物 3
七つの会議
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原島万二は、東京建電営業部の二課長である、映画「七つの会議」の登場人物。メガネが・・・ トレードマーク。追いつめられると吐いてしまい、「鬼」と恐れる北川部長からノルマ未達を営業会議で責め立てられた時にも吐いてしまう。パワハラで飛ばされた坂戸に代わって一課長となる。
坂戸に続いてカスタマー室長の佐野や経理部の新田が左遷され、背・・・
セリフ・名言 1
七つの会議
0:00:25頃
「七つの会議」のオープニングのセリフ。月に1度の営業会議を前に・・・ 、部長の北川を待つ原島の心の声。北川は「鬼」と呼ばれるほど厳しく、ノルマ未達の原島が責め立てられる様子がこのあと描かれていく。
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七つの会議
0:04:50頃
東京建電で月に1度の営業会議が開かれる。営業部長の北川は、ノル・・・ マ未達の営業二課の社員を立たせ、怒号を飛ばす。北川は陰で「鬼」と呼ばれるほど恐れられており、そのプレッシャーに営業二課長で原島は嘔吐するほどだった。
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セリフ・名言 3
七つの会議
0:31:20頃
会社に結婚のために退社すると報告した浜本だったが、実は違った。・・・ 理由をしつこく聞かれるために寿退社と言ってしまったが、実は社内不倫が原因だった。そんな浜本は、存在の意味を残そうと、社内でのドーナツ販売を実現させようとしていた。
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音楽 1
七つの会議
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音楽 2
七つの会議
「七つの会議」の音楽を担当しているのは服部隆之。発売されているサントラ(サウンド・・・ トラック)には、以下の曲が収録されている。
01.七つの会議 -Main Theme-
02.鬼が来る
03.営業会議
04.秘密
05.粗探し
06.癒着の匂い
07.不自然な転注
08.秘密を知る者
09.原島と優衣
10.役員会議
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七つの会議
「七つの会議」は、池井戸潤の同名小説を映画化した作品。原作は8話構成の連作短編集・・・ だが、1つの物語に再構成されている。監督は、池井戸潤原作のテレビドラマ「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」「陸王」を手がけてきた福澤克雄が務めている。興行収入21.6億円を記録し、2019年公開の邦画の14位となった。
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七つの会議
東京建電は、「七つの会議」に登場する架空の企業。ゼノックスの子会社の中堅電機メー・・・ カー。プロパーの宮野が社長を務め、元ゼノックスの村西が副社長を務めている。ゼノックスから型落ちの冷蔵庫の販売を押しつけられても断れない立場にある。ゼノックスからの締めつけもあり、営業部は厳しいノルマを課せられている。
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キーワード 3
七つの会議
ゼノックスは、「七つの会議」に登場する架空の企業。東京建電の親会社の大手電機メー・・・ カー。「御前様」と呼ばれている徳山社長が絶対君主として君臨し、徳山社長が出席する会議は御前会議と言われている。子会社である東京建電には過大なノルマを押しつけるなど、厳しい態度を取る。東京建電のデータ偽装が発覚したあとには、関係するすべてのデ・・・