ストーリー・あらすじ紹介　君の名は。

糸守町

飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生の宮水三葉は、祖母の一葉、妹の四葉と宮水神社で暮らしていた。母親は亡くなり、父親の俊樹は神職を捨てて糸守町の町長となっていた。ある日、友人の勅使河原や早耶香から、昨日はおかしかったと言われる三葉。三葉には昨日の記憶がなく、「お前は誰だ？」とノートに書かれている。

三葉の叫び

何もなくて人間関係の濃い糸守町から東京に出たいと思っている三葉。一方で、祖母の一葉は宮水神社の伝統を守ることを大切に思っている。ある日三葉と四葉は、口に入れた米を吐き出して発酵させる口噛み酒の儀式をする。友人たちにその姿を見られた三葉は、心の底から町を出たいと叫び声を上げる。

入れ替わり

目を覚ました三葉は、東京の男子高校生である立花瀧になっている自分に気づく。夢だと思いながらも、瀧として学校に行き、バイト先では女子大生の奥寺先輩に気に入られる。一方瀧は、田舎の女子高生である三葉になっている自分に気づく。そして三葉と瀧は、本当に互いに入れ替わっていることに気づく。入れ替わりは週に2,3度起こり、乗り切るためにルールを決め、起こった出来事をスマートフォンに残すことにする。

ご神体

三葉の体の瀧は、一葉や四葉と山奥にある宮水神社のご神体に向かう。三葉と四葉が作った口噛み酒を奉納した3人は、たそがれ時に山の上から美しい町を眺める。その時、三葉を見た一葉から「あんた夢を見とるな」と声をかけられた三葉は、自分の体に戻って目覚める。三葉がセッティングした奥寺先輩とのデートに向かった瀧は、写真展で三葉が住む地域が飛騨であることを知る一方で、奥寺先輩とは会話が進まない。

飛騨へ

彗星が地球に最も近づく夜、三葉は勅使河原や早耶香と祭りに出かける。そして三葉は、空を飛ぶ彗星が割れて2つになるのを見る。瀧は三葉に電話をするがつながらず、入れ替わりもなくなってしまう。三葉に会いたいと考えた瀧は、記憶を頼りに糸守町のスケッチを描き、勝手についてきた奥寺先輩や友人の司と飛騨に向かう。

消滅した糸守町

飛騨で瀧は、糸守町は3年前に墜落した隕石によって消滅し、三葉たちを含めて500人以上が亡くなっていたことを知る。スマートフォンを確認すると、三葉が残したメモは消えており、三葉の名前も思い出せなくなる。山奥のご神体に向かった瀧は、3年前に奉納した口噛み酒を見つけ、3年前の三葉と入れ替わっていたことを知る。口噛み酒を飲んだ瀧は、三葉の過去の記憶を見る。

避難

瀧は、隕石が落ちた日の朝に戻り、三葉の体となった自分に気づく。一葉に隕石の墜落について話すが、信じてもらえない。勅使河原と早耶香に協力してもらい、変電所で爆発を起こして避難命令の放送を流すことで住民を救おうとする三葉の体の瀧。そして、町長である三葉の父に避難命令を出すように頼むものの、三葉の父は取り合わない。瀧は三葉じゃないと止められないと考える。

カタワレ時

自分の体に入った三葉がご神体にいると気づいた瀧。ご神体に向かいながら、3年前に三葉が自分に会うために東京に来ていたこと、電車で声をかけられたがその時は三葉を知らなかったこと、別れ際に三葉から髪につけていた組紐をもらっていたことを思い出す。一方、瀧の体に入った三葉もご神体で目を覚まし、町がなくなっているのを見る。山の上の同じ場所にたどりついた瀧と三葉だが、時が違うために会えない。だが、カタワレ時（たそがれ時）が訪れ、元の体に戻った2人は時を超えて会う。瀧が事情を話したあと、忘れないように互いの名前を手のひらに書くことにする2人。瀧が三葉の手のひらに書いたあとに三葉が書く前に、時が戻って2人は再び離ればなれになる。そして、互いの名前を忘れてしまう。

「すきだ」

山を降りた三葉は勅使河原と会い、変電所を爆破。早耶香が町内放送で高校への避難を呼びかける。だが、町役場に気づかれて放送は止められ、町民にはその場で待機するように放送が流される。三葉は、父親を説得するために町役場に走る。途中で転倒した三葉は、瀧の名前が書かれているはずの手のひらを見る。そこには、「すきだ」と書かれている。三葉は起き上がり、町役場に走る。そして彗星が落ちる。

再会

5年後（隕石の衝突から8年後）。三葉とのことを忘れた瀧は誰かを探している感覚にとらわれるが、それが誰かは分からない。一方で、隕石の衝突の際に避難訓練が実施されたために町民が全員助かった糸守町が気にかかる。瀧のことを忘れた三葉もまた、東京で暮らしながら誰かを探している感覚にとらわれている。春の日、並走する別の電車に乗った瀧と三葉の目が合う。電車を降りた2人はお互いを探す。階段で会った2人は、互いに相手の名前を尋ねる。