ストーリー・あらすじ紹介　ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

リックとクリフ

かつて、西部劇のテレビシリーズ「賞金稼ぎの掟」で、主役のジェイク・ケイヒルを演じたリック・ダルトン。リックは、飲酒運転で免許取り消しとなったため、スタントマンのクリフ・ブースを運転手として雇っている。1969年2月8日の土曜日、リックは映画プロデューサーのシュワーズと会う。シュワーズはリックに、テレビドラマで悪役を演じてる現状のままではキャリアが下降線を描くと指摘し、イタリアの西部劇に主演する話を持ちかける。

落ち目のキャリア

将来のキャリアに不安を抱いていたリックは、シュワーズの指摘にショックを受け、クリフの前で涙を流す。クリフはリックを自宅まで車で送り、リックを励ましてやる。途中でヒッピーの少女と目があうクリフ。またリックは、隣に引っ越してきたロマン・ポランスキーとシャロン・テイトの夫妻を見かける。リックは元気が出てくる。

セリフの練習

自宅のプールでクリフは、自分がテープに吹き込んだ共演者のセリフを相手に、明日に撮影があるテレビドラマ「対決ランサー牧場」のセリフの練習をする。クリフは音楽をかけながら車を走らせ、ドライブインシアターの近くにある自宅のトレーラーに帰る。そして、ペットの犬のブランディにエサをやり、食事をしながらテレビを見る。

プレイボーイマンションのパーティ

シャロンとポランスキーは、プレイボーイマンションのパーティに行く。シャロンを見るスティーヴ・マックイーンは、シャロンとジェイ・セブリングが婚約していたこと、ヨーロッパの映画撮影でポランスキーと知り合ったシャロンがジェイを捨てたこと、それでもジェイはシャロンのそばにいること、ジェイはポランスキーとシャロンが別れると思っていることを話す。

ブルース・リー

1969年2月9日日曜日。リックはクリフに「対決ランサー牧場」の撮影スタジオまで車で送ってもらう。クリフはスタントの仕事をリックに頼むが、スタント・コーディネーターがランディのために難しいと言われる。クリフはリックの自宅のアンテナを直しながら、前にテレビシリーズ「グリーン・ホーネット」の撮影現場でスターのブルース・リーと戦いになり、ランディに嫌われたことを思い出す。シャロンが自宅でジェイと過ごしていると、前に住んでいた人物を訪ねてチャールズ・マンソンがやって来る。

トルーディ

西部劇の衣装を身につけたリックは、昼食の時間に読書をするため酒場のセットに行く。そこにいた8歳の共演者であるトルーディと話したリックは、俳優としての意識の高さに驚く。さらにリックは、自分の読んでいた本の落ちぶれた主人公についてトルーディに説明しているうちに、自分と重ね合わせて涙を流す。トルーディはそんなリックをなぐさめる。

「サイレンサー第4弾/破壊部隊」

車で町に向かうシャロンは、ヒッチハイクをするヒッピーを町まで乗せてやる。さらに、書店で夫のために「テス」の初版本を買い求め、自身が出演する映画「サイレンサー第4弾/破壊部隊」を上映している映画館を見つける。受付係に自分が出演していることを告げたシャロンは、無料で中に入れてもらう。自分が登場するシーンで笑いが起こり、シャロンは満足げな笑みを浮かべる。また、ブルース・リーから動きを習った格闘シーンで客席が湧くのを喜ぶ。

出てこないセリフ

「対決ランサー牧場」の撮影現場では、リックと主演俳優のジェームズ・ステイシーが、「大脱走」でスティーヴ・マックイーンが演じた役の候補にリックの名前が上がった話をする。本番が始まるが、リックは途中でセリフが出てこなくなる。トレーラーに戻ったリックは、練習したにもかかわらず、酒を飲みすぎてミスをした自分に対して怒りをあらわにする。

迫真の演技

車を走らせるクリフは、以前に目があったヒッピーの少女（プッシーキャット）がヒッチハイクするのを見つけ、車に乗せてやる。プッシーキャットの行き先が、かつて西部劇を撮影していた頃に通った「スパーン映画牧場」と知ったクリフは驚く。別のシーンの撮影に臨んだリックは、トルーディが演じる少女を投げ飛ばす迫真の演技を見せる。監督に褒められ、トルーディから「これまで見た中で最高の演技」と言われたリックは、思わず涙ぐむ。

スパーン映画牧場

クリフとプッシーキャットは、スパーン映画牧場に到着する。ヒッピーたちから歓迎されるクリフだったが、映画牧場の所有者であるジョージのことが気になる。「ジョージは昼寝しているから会えない」と言われたクリフだったが、ジョージが住んでいる小屋に向かう。クリフが小屋に近づいてきたのを見たスクィーキーは、他の者を小屋から出して1人でクリフを迎える。

ジョージ

スクィーキーからも「ジョージは昼寝をしている」と言われたクリフだったが、小屋の奥へと向かう。部屋で眠っているジョージを起こしたクリフが名乗るものの、目が見えないジョージはクリフが誰かわからない。「ヒッピーたちに利用されていると思った」と話すクリフだったが、ジョージはスクィーキーに愛されていると語る。映画牧場から去ろうとしたクリフは、タイヤをナイフでパンクさせられていることに気づく。クリフはナイフを刺した男を殴り、タイヤを直させる。

テレビドラマ「FBI」

映画館から出たシャロンは、満足して帰宅する。クリフは車でリックをスタジオに迎えに行く。2人はリックが出演したテレビドラマ「FBI」を一緒に見る。またクリフは、路上で買ったLSD漬けのタバコをリックの家に置いていく。映画プロデューサーのシュワーズもバーで「FBI」を見ており、電話相手にリックをイタリア製西部劇「ネブラスカ・ジム」の主役に推薦する。

半年後

半年後、イタリアで主演した4本の作品がヒットしたリックは、共演者のフランチェスカを妻にし、アメリカに帰国する。帰国前にリックは、クリフにこれ以上雇い続ける経済的な余裕がないことを告げる。1969年8月8日。アメリカに帰国したリックとクリフは、メキシコ料理店で泥酔する。一方のシャロンは、ジェイ、ヴォコヴィッチ、アビゲイルの4人で、別のメキシコ料理店で食事をする。

マンソンの仲間

シャロンたちとリックたちは、それぞれの自宅に戻る。クリフはLSD漬けのタバコを吸いながら、ブランディを散歩に連れて行く。チャールズ・マンソンの仲間であるテックス、セイディ、ケイティ、フラワーチャイルドが、シャロンたちを殺すために車でやって来る。エンジン音に怒ったリックが、テックスたちに出ていくように命じる。テックスたちは標的をリックに変更することに決めるが、フラワーチャイルドは逃げてしまう。

襲撃されるリック邸

散歩から戻ったリックは、LSDにハイになる。侵入してきたテックスがスパーン映画牧場にいた連中の1人と気づいたクリフは、ブランディにクリフやセイディを襲わせる。ケイティによって腰にナイフを刺されるが反撃するクリフ。だが、LSDの影響でクリフは急に意識を失う。傷だらけのセイディは銃を持って庭のプールに落ちる。プールにいたリックは火炎放射器を持ち出し、セイディを焼き殺す。

「おまえはいい友だちだ」

警察と救急隊員がリックの家に到着し、リックやクリフは事情を聞かれる。意識を取り戻したクリフは病院に運ばれて行き、リックはクリフに「おまえはいい友だちだ」と告げる。様子を見ていたジェイに話しかけられたリックが、事情を説明する。シャロンから中に入るように誘われたリックは同意し、初めてシャロンと顔を合わせる。