ストーリー・あらすじ紹介　ギルバート・グレイプ

エンドーラの町

アイオワ州の小さな田舎町エンドーラ。ギルバート・グレイプは、知的障害のある弟アーニー、母親代わりの姉エイミー、高校生の妹エレン、母のボニーと暮らしている。ボニーは、7年前に父が亡くなってから家に引きこもり、非常に太っている。ギルバートが働く食料品店は、近くにできたスーパー「フードランド」の影響で客が減っている。

給水塔

食料品をカーヴァーの家に配達したギルバートは、車にアーニーを残して中に入り、浮気相手であるベティとキスをする。そこにベティの夫のケンが帰ってくる。浮気はバレずにすむが、ケンはギルバートに電話をするように話す。この間にアーニーが給水塔に登ってしまい、警察が出動する事態となる。アーニーの18歳の誕生日パーティを開くことになり、家族は準備を始める。

ベッキーとの出会い

ある日、レストランで友人のタッカーやボビーと話をしていたギルバートは、窓の外にいる女性ベッキーに見とれる。その後、食料品店で買い物をしたベッキーは配達を頼み、ギルバートが車にベッキーとアーニーを乗せて配達する。ベッキーは、祖母と2人でトレーラーに乗って旅をする一団に加わっているが、故障した車の部品を取り寄せている間、足止めを食っているのだった。

モヤモヤ

ケンから再び電話するように言われるギルバート。自宅の床が抜けそうなことから、タッカーが角材で補強してくれる。アーニーが再び給水塔に登ろうとして、エレンが力づくで止める。その時にアーニーがケガをしたことから、ギルバートはエレンに怒る。エレンはそんなギルバートに腹を立てる。モヤモヤを抱えたギルバートは、トレーラーにいるベッキーの元を訪れる。

夕陽

ギルバートはベッキーに惹かれていく。一緒に夕陽を眺めている時に、ギルバートはアーニーを風呂に入れなければならないことを思い出す。すぐに戻るとベッキーに約束したギルバートは、アーニーを風呂に入れ、自分で体を拭いて出るように話してベッキーの元に戻る。母親のことや町から出られないことを、ギルバートはベッキーに話す。翌朝、ギルバートはバスタブに入ったままで寒さに震えるアーニーを見つける。ギルバートは母のボニーにしかられる。

ケンの死

ギルバートとベッキーが一緒にいるところを目撃したベティは、配達に来たギルバートにケンの職場に電話をさせる。ギルバートはケンと会う約束をする。またベティは、ギルバートを「逃がさない」と宣言する。ケンの用事は保険への勧誘でギルバートはホッとするが、そこにベティからケンに電話がかかってきて、2人はベティのいる家に向かう。ベティがクッキーをこがしてボヤを起こしている。その夜、ケンが心臓発作で倒れ、水の入ったプールに頭を突っ込んで溺死する。タッカーや町の人々はベティを疑う。

拘留されるアーニー

アーニーと一緒に、ベティの元を訪ねるギルバート。ギルバートとベティが2人で話をしている間に、アーニーが給水塔に登ってしまう。何度も給水塔を登ることに業を煮やした警察によって、アーニーは拘留される。それを知ったボニーは、7年ぶりに家から出て警察署に向かい、アーニーを釈放させる。だが、町の人々はボニーの姿を見て笑い、ボニーや家族はショックを受ける。

旅立つベティ

ケンの葬式が行われる。葬式の後、ベティが食料品店を訪れ、セントルイスに引っ越すことをギルバートに告げる。ベティは、「自分の子供たちが大人になったらギルバートのようになって欲しい」と語る。ハンバーガーチェーンの「バーガーバーン」のオープニングセレモニーが開かれ、ギルバートとアーニーもいる。そこにやって来たベッキーは、祖母のトレーラーが直ったために、明日旅立つことを告げる。

バースデーケーキ

エイミーの作ったバースデーケーキを、アーニーがダメにしてしまう。さらに、ギルバートが買ったバースデーケーキも、アーニーが食べてしまう。怒ったギルバートは、アーニーを何度も強くたたいてしまう。ギルバートは、車で家を飛び出していく。アーニーも家を飛び差し、ベッキーの元に向かう。ギルバートもベッキーの元に向かい、ベッキーと一緒にいるアーニーがエイミーたちの迎えに来た車で帰っていくところを見る。ギルバートとベッキーは寝そべり、ギルバートは感情を表に出さなかった父の話をする。2人はキスをする。

誕生パーティ

翌日、アーニーの誕生パーティが開かれ、ギルバートが途中から参加し、アーニーと仲直りする。旅立つ前に立ち寄ったベッキーが姿を見せ、アーニーに誕生日プレゼントを渡す。ギルバートは、以前からギルバートの母ボニーに会いたがっていたベッキーを、ボニーに紹介する。ベッキーとボニーは握手をする。ベッキーは、祖母と一緒にトレーラーで去っていく。

母の死

パーティのあと、ボニーは久しぶりに階段を上がり、ベッドに横になる。だが、そのまま息を引き取ってしまう。巨体のボニーを外に出すのは大掛かりな作業になる。多くの人が集まって、母親が笑い者なるのは避けたいと考えるギルバート。ギルバートは、家具を外に出し、ボニーと一緒に家を燃やす。燃え上がる家を、ギルバート、アーニー、エイミー、エレンが見つめる。