母を亡くした蓮

バケモノ界では、宗師が引退することになる。次の宗師は猪王山が有力視されていたが、力の強い熊徹も候補だった。だが熊徹は粗暴な性格から弟子も子どももいなかった。渋谷。母親を亡くしたばかりの蓮は、離婚した父親が来なかったことに憤りを感じている。親戚の家に引き取られることになった蓮だったが、反発して家出していた。渋谷の町の片隅でうずくまる蓮は、獣人の熊徹から「一緒に来るか」と声をかけられる。警官に補導されそうになった蓮は、熊徹を追いかけて路地に駆け込む。

蓮から九太に

道に迷った蓮は、バケモノたちの町である渋天街に迷い込む。蓮を見つけた熊徹は、自分を追いかけてきた蓮に見どころがあると感じ、弟子にすると家に連れ帰る。熊徹の旧友である百秋坊は蓮のことを心配している。熊徹は、名前を名乗らない蓮に、9歳であることから九太と名付ける。九太は弟子にはならないと反発する。

熊徹の強さ

元の世界に戻ろうとする九太を、熊徹が追いかける。熊徹と会った猪王山は、人間は心に闇を抱えるようになることから、人間を弟子に取ろうとする熊徹を止めようとする。猪王山と熊徹は戦いになる。周囲の人々がみんな猪王山に声援を送るのを見た九太は、1人だけ熊徹を応援する。だが熊徹は猪王山に殴り倒される。そこに現れた宗師が、熊徹が人間の弟子を取ることを認める。九太は熊徹に強さを感じ、弟子になると告げる。

ケンカ

熊徹が九太に剣術を教えようとするが、教え方がよくわからないためにうまくいかない。九太は雑な教え方に反発する。九太は、掃除、洗濯、炊事といった家事をするものの、熊徹とはケンカばかりしている。そんな様子を見た宗師は、熊徹たちに諸国の宗師と会ってみるように告げ、紹介状を渡してやる。熊徹と九太は、百秋坊や多々良とともに旅に出る。

九太が身のこなしを習得

旅先で多くの宗師から力について聞いた九太は、力にもいろいろあることを知る。その後、渋天街に戻ってきた九太は、熊徹のマネをすることで自ら学ぼうとするようになる。最初は嫌がっていた熊徹だったが、徐々に九太がマネすることがうれしくなってくる。九太は熊徹の足の動きや身のこなしなどを学んでいく。九太は熊徹の攻撃をかわせるようになる。九太は熊徹に身のこなし方を教え、熊徹からは攻撃の仕方を教わる。

楓との出会い

8年がたち、九太は成長する。熊徹と言い合いばかりなのは相変わらずである。ある日、九太が熊徹から逃げると、渋谷に戻っていることに気づく。図書館で知り合った女性の楓がいじめられるのを助けたことがきっかけで、楓から勉強を教えてもらうようになる。バケモノ界と人間界を行き来するようになった九太は、すぐに人間界の多くのことを吸収していく。

父との再会

楓から大学進学を勧められた九太は、高卒程度認定試験を受けるために住民票を調べに行く。そこで、父親の現住所を知った九太は、父と再会。父がずっと自分のことを探してくれていたことを知る。人間界に戻ろうと考える九太は、熊徹に相談しようとする。だが、熊徹は聞く耳を持たない。九太は熊徹の家を出て、父親の元に戻る決意を固める。

心の闇

人間界に戻って来た九太だったが、父から「つらい過去を忘れよう」と言われて「何も知らないくせに!」と反発心を口にする。心に闇を抱えた九太は、図書館の外にいた楓にいら立ちをぶつける。楓と話して落ち着いた九太は、楓から手首にしていた本のしおりを、いら立ちを覚えた時のお守りとして自分の手首につけてもらう。

宗師を決める対決

バケモノ界に戻った九太は、新しい宗師を決める熊徹と猪王山の戦いが行われることを知る。九太が出ていったショックもあり、熊徹は劣勢となる。客席で見ていた九太が熊徹を鼓舞し、熊徹は猪王山に勝利する。だが、猪王山の息子である一郎彦が、念動力を使って剣を熊徹の胸に刺してしまう。一郎彦は実は人間の子で、バケモノではないことを悩み、心に闇を宿していたのだった。熊徹は瀕死の状態となる。

一郎彦との戦い

人間界に向かった一郎彦を止めるために、九太は渋谷に向かう。九太の姿に成長を感じた百秋坊と多々良は誇らしさを感じる。渋谷で九太は楓と会い、そこに現れた一郎彦と戦いになる。一郎彦はクジラに姿を変え、渋谷の町で爆発を引き起こす。九太と楓は地下鉄に乗る。楓は九太を、「一緒にいる」「1人で戦っているんじゃない」と勇気づける。

転生

バケモノ界では、目を覚ました熊徹が、宗師に自分を神様に転生させるように頼む。地下鉄から降りた九太と楓の前に一郎彦が現れる。一郎彦を自分が飲み込んで、一緒に死のうと考える九太。そんな九太の前に、1本の剣が突き刺さる。その剣は、神となった熊徹の化身だった。剣は九太の胸の中へと取り込まれていく。熊徹の力を借りて、九太はクジラの姿をした一郎彦を倒す。

その後

闇の消えた一郎彦は、自宅で目を覚ます。バケモノ界ではお祝いが開かれ、楓も招かれる。九太は大学進学を目指すと楓に告げ、楓は喜ぶ。人間界に戻った九太は、父親と一緒に暮らし始め、大学進学のために勉強を始める。

人物 1 バケモノの子

九太/蓮

俳優:宮崎 あおい/染谷 将太 九太/蓮は、人間界とバケモノ界を行き来することになる、映画「バケモノの子」の登場・・・人物。本名は蓮だが、バケモノ界では名を名乗らなかったために、9歳であることから熊徹に「九太」と名づけられる。両親の離婚後、9歳で母を交通事故で失う。親戚の家に引き取られることになるが、反発して家出。渋谷にいた時に、人間界に来ていた熊徹に声を・・・
人物 2 バケモノの子

熊徹

俳優:役所 広司 熊徹は、クマの容姿をしたバケモノ界の住人である、映画「バケモノの子」の登場キャラ・・・クター。類まれな怪力の持ち主で、猪王山とともに次期宗師候補の1人である。知り合いは少なく、多々良と百秋坊の他に親しい者はいない。また、粗暴な性格から弟子も子どももいない(かつて取った弟子は午前中で逃げ出してしまっていた)次期宗師を決める戦い・・・
人物 3 バケモノの子

俳優:広瀬 すず 楓は、九太が出会うことになる女子高生である、映画「バケモノの子」の登場人物。渋谷・・・の図書館で勉強をしている。学校では1年生の時から無視されていたと語られるが、友人と話す姿も見られる。幼稚園から受験続きで、親に理解されていないと感じている。そのため、優秀な成績を収めて、学費免除で大学に行き、家を出たいと考えている。 図書・・・
セリフ・名言 1 バケモノの子

蓮「1人だって生きてやる。強くなっておまえらを見返してやる」

0:05:50頃 9歳の蓮は、一緒に暮らしていた母を交通事故で失ってしまう。離婚・・・していた父は姿を見せず、蓮は悲しみと怒りを感じている。引っ越しの日、親戚に引き取られることになった蓮だが、反発して家を飛び出すのだった。 ・・・
セリフ・名言 2 バケモノの子

多々良「仮にあいつが転生しても、せいぜい九十九神がいいところさ。便所の神とか、タワシの神とかな」

0:15:05頃 バケモノの世界では宗師の引退が決まり、次の宗師は猪王山か熊徹の・・・どちらかになるとウワサされていた。多々良と百秋坊が、昔からの付き合いである熊徹について語る。「九十九神」とは、「付喪神」とも表記され、長い年月に渡って使われた道具などに宿る存在のこと。 ・・・
セリフ・名言 3 バケモノの子

九太「誰も・・・誰もあいつを応援してない。あいつ、ひとりぼっちなんだ」

0:26:15頃 人間を弟子にしようとした熊徹を、猪王山が止めようとする。そのこ・・・とがきっかけで、2人は道で戦いとなる。人望のある猪王山はヤジ馬からの応援を受けるものの、熊徹を応援する者はいない。1人でも戦う熊徹に、九太は強さを感じる。 ・・・
音楽 1 バケモノの子

Starting Over

「Starting Over」は、Mr.Childrenが2015年にリリースし・・・たアルバム「REFLECTION」の収録曲。「バケモノの子」では、エンドクレジットで使用されている。 ・・・
音楽 2 バケモノの子

音楽、サウンドトラック

「バケモノの子」の音楽を担当しているは高木正勝。「おおかみこどもの雨と雪」(20・・・12)の音楽も担当した。発売されているサントラ(サウンドトラック)には、以下の曲が収録されている。 1. 祝祭 2. 引き合う力 3. 三千世界の迷い子 4. まだ生まれてもいない大地から 5. 子どもの宇宙 6. バケモノ交興曲 7. ・・・
キーワード 1 バケモノの子

評価、興行収入

「バケモノの子」は、日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞や、日本映画批評・・・家大賞のアニメ部門作品賞を受賞するなどの評価を受けた。興行的には58億円の興行収入を上げるヒットとなり、2015年の邦画の2位となった。 ・・・
キーワード 2 バケモノの子

バケモノ界、渋天街

「バケモノの子」は、人間の世界とは別にバケモノたちが住む「バケモノ界」が存在する・・・という設定である。バケモノ界には、さまざまなタイプの獣人が住んでいる。人間は闇を抱える危険があるため、バケモノ界に人間を住まわせることは禁忌とされている。各地を治める宗師と呼ばれる存在がおり、宗師はやがて神様となる。 人間界の渋谷に相応す・・・
キーワード 3 バケモノの子

渋谷、代々木

9歳の頃に母親を失い、親戚に反発して飛び出した蓮は、渋谷へとやって来る。渋谷の自・・・転車置き場にうずくまっている時に、熊徹に話しかけられる。また蓮は、白くて小さい不思議な生物「チコ」とも出会う。警官に補導されそうになった蓮は、熊徹の姿を追いかけて路地に入り込み、バケモノの世界にたどり着く。17歳になった蓮(九太)は、偶然か・・・
作品一覧